Internet of Everywhere、そしてInternet of Everyoneへ ―ソラコム「SORACOM Discovery 2022」カバレッジを広げる新たなプランやサービスを発表

⁠株⁠ソラコムは2022年7月6日(水⁠⁠、7日(木)の2日間にわたって、年次カンファレンス「SORACOM Discovery 2022 ONLINE」を開催した。同カンファレンスでは例年多くのIoTインフラ、サービスや機能の発表が行われているが、今年のキーノートでも注目の機能やサービスが発表された。

初日キーノート最初の挨拶に立ったソラコム 代表取締役社長 玉川憲氏
ソラコム 代表取締役社長 玉川憲氏

日本国内での利用がより便利になる新たな通信プランを追加

SORACOM IoT SIMは、必要に応じて契約回線のサブスクリプションを無線経由でSIMに追加できる機能を持つ。このサブスクリプションのうち、日本を含むグローバルで利用可能なサブスクリプション「planX1」において、NTTドコモ回線が追加された。これにより1枚のSIMで国内の3キャリアが利用可能となった。

国内3キャリアに対応
国内3キャリアに対応

また、同社がiPhone/iPad用に提供している海外渡航者向けグローバルeSIMデータ通信サービス「Soracom Mobile」は、iOSアプリからeSIM通信プランを購入しインストール、すぐにデータ通信が利用できるサービス。これまで北米、ヨーロッパ、オセアニアをカバーしたプランを提供していたが、7月6日より日本を含むアジアパシフィックで利用可能な「アジア・パシフィック周遊プラン」および「国別プラン」の提供を開始した。

「Soracom Mobile」はアプリ内で購入~利用まで完結する
「Soracom Mobile」はアプリ内で購入~利用まで完結する
日本を含む国別プラン、アジア向けプランを新たに追加
日本を含む国別プラン、アジア向けプランを新たに追加

地球上のあらゆる場所をカバーするために ―衛星メッセージングサービスを統合

これまで同社がサポートしてきたセルラー通信やLPWAなどの通信システムは、人が行き来する場所では広範囲に利用できるが、地球全体で見ると10%程度のエリアしかカバーされていないという。IoT活用をより広範囲で行うためには、地球の7割を覆う海、砂漠、山地などでのトラッキングの可能性が期待されている。

こうした要望に応えるため、SORACOMでは人工衛星を利用したメッセージングサービスを統合し、セルラーやLPWAと同様にデータ送受信可能とした。検証利用を目的とした「Technology Preview」として希望者の受付を開始する。

衛星メッセージングサービスなどの紹介を行ったのは、このカンファレンスのため久しぶりに日本に戻ったソラコム CTOの安川健太氏
ソラコム CTO 安川健太氏
衛星メッセージングサービスでは複数の衛星通信プロバイダをサポート、開始時点ではAstrocastとSwarm Technologyの2社
衛星メッセージングサービスでは複数の衛星通信プロバイダをサポート、開始時点ではAstrocastとSwarm Technologyの2社
世界中のあらゆる場所をカバーできるように
世界中のあらゆる場所をカバーできるように

クラウドカメラサービス「ソラカメ」の進化

5月にリリースされた同社のクラウドカメラサービス「ソラカメ」についても、新たな展開が発表された。

ソラカメは、カメラからの映像をクラウドに転送して録画保存、ライブ映像や録画映像の視聴やカメラの設定をスマートフォンなどから操作可能なクラウドカメラサービス。1台2,980円、月額990円~ で利用できる。

「ソラカメ」はモニタリング、クラウド常時録画映像の管理、モーション検知機能などをもつ
「ソラカメ」はモニタリング、クラウド常時録画映像の管理、モーション検知機能などをもつ

この「ソラカメ」の対応カメラとして新たに「ATOM Cam Swing」⁠アトムテック製)が利用可能となった。 同社サイトで予約受付を開始している。⁠ATOM Cam Swing」は、首振り機能を持つカメラで、水平360°、垂直方向に180°の可動範囲でカメラを動かすことが可能。フルHDの解像度やカラーナイトビジョン、赤外線LEDによる暗がりでの撮影機能やIP65の防水防塵性能を持つ。

ATOM Cam Swing
ATOM Cam Swing
カンファレンス前日の説明会で披露されたATOM Cam Swingを使ったソラカメのデモ。首振り機能により複数のポイントをカバーし、モーション検知機能との連動も可能
カンファレンス前日の説明会で披露されたATOM Cam Swingを使ったソラカメのデモ

また、ユーザから要望の多かった「ソラカメ」のAPIを、Limited Previewとして提供開始した。開始時で利用可能なAPIは以下の通り。

  • カメラ情報取得
  • ライブ映像ストリーミング再生
  • 常時録画ストリーミング再生
  • 常時録画データダウンロード

APIは今後も順次追加予定。Limited Previewの期間はAPIの利用料金は無料。申込みはソラコムのユーザーコンソールから。

プラットフォームの使い勝手も向上

このほか、SORACOM IoTプラットフォーム自体にもさまざまな改善が加えられていることが発表された。

世界中でIoT機器を利用する際にソラコムのネットワークに入るための⁠玄関口⁠となる「ランデブーポイント⁠⁠。現在はドイツ、米国、日本に置かれているが、新たにオーストラリアにも設置される予定。データ転送の低遅延化が期待される
「ランデブーポイント」。現在はドイツ、米国、日本に置かれているが、新たにオーストラリアにも設置される予定
ソラコムのユーザーコンソールに「ダッシュボード機能」が追加。さまざまなステータスが一覧で表示できる。モジュールも順次追加予定
ソラコムのユーザーコンソールに「ダッシュボード機能」が追加

おすすめ記事

記事・ニュース一覧