「PyCon APAC 2016 in Korea」参加レポート

第2回 カンファレンス2日目 ~Flask開発者・PyPy開発者によるKeynote~

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Sphinxを使ったドキュメントの翻訳プロセス

ここからは2日目の一般セッションをピックアップしてお届けします。

PyCon JPの理事を務める清水川貴之氏は,自身がメンテナーとして貢献しているドキュメント生成エンジンSphinxでのドキュメント翻訳について解説しました。

清水川貴之氏さんが登壇

清水川貴之氏さんが登壇

今日のPythonの公式ドキュメントはマークアップ言語であるreStructuredText(reST)で記述され,これがSphinxの手によってHTMLに変換されたものがWeb上に公開されています。Python界ではもちろんのこと,Python以外の言語においても多くのドキュメントがSphinxで生成されています。

ドキュメントにおいて翻訳(internationalization, i18nとも)は一般的な作業ですが,原本のファイルをコピーして翻訳するだけでは内容の統一が大変といった問題が生じます。Sphinxのプラグインであるsphinx-intlを用いると,ソースコードの翻訳でよく使われるgettextライブラリと同じやり方で翻訳箇所を切り出し,効率のよい翻訳作業を実現できます。具体的には,原本から文章を切り出したpotファイルを生成し,翻訳者がこれを翻訳してlocaleフォルダ下に追加することで,複数言語のドキュメントが生成されるようになります。

CIサービスであるdrone.ioと,Webブラウザ上で複数の翻訳を同時に行えるTransifexというサービスを組み合わせて,翻訳されたらWebに自動デプロイされるシステムが構築できることを清水川氏は続けて解説しました。

あの人との嬉しい3ショット

Armin Ronacher氏と末田(左⁠⁠,芝田(右)

Armin Ronacher氏と末田(左),芝田(右)

セッションを聴いて回る中,筆者の末田と芝田は先ほどKeynoteを発表していたArmin Ronacher (mitsuhiko) 氏がPython Software Foundation(PSF)のブースにいるのを発見。 勇気を出して突撃し,3ショットを撮らせてもらうことに成功しました。

ここで,長いこと疑問だった「ニックネームが日本語名みたいなmitsuhikoなのはなぜなのか」を聞くことができました。彼曰く「インターネットを始めた頃,あるフォーラムでこの名前を見つけて気に入ったからそれ以降使ってるよ。だから特定のアニメの登場人物の名前とかじゃないんだ。」とのことでした。なるほど!

Lightning Talk

こんにちは,芝田 将です。

Lightning Talkセッション(以下,LT)では,制限時間5分で強制終了というルールでプレゼンテーションを行います。 LTは1日目と2日目の両日開催され,発表題目の募集は当日行われます。 筆者は昨年のPyCon APAC/TaiwanにおいてLTを行った際に,英語力や技術力に課題を感じていました。 そこでこれらを克服するべく,今回のカンファレンスでも2日目にLTを行いました。

筆者のLightning Talkの様子

筆者のLightning Talkの様子

LTではFeedyという筆者が開発したフレームワークを紹介しました。 LTを終えて席に戻る際に,このライブラリいいねと声をかけてくれる人がいたのが今でも印象的です。

筆者はLTのための事前準備として,PyCon 2016DjangoCon Europeなどの動画のチェックやTalk Python To MeというPythonのPodcastを聴いていました。こういった事前準備のおかげか,昨年のLTに比べ堂々と話すことができたかなと思います。 このように成長が感じられる機会は,非常に貴重ですね。 来年は清水川氏と同じく通常のトークセッションに挑戦したいなと思います。

他の方のLTの多くは,喋りとスライドともに韓国語であったため,我々日本からの参加者は内容がほとんど理解できず少し残念でした。スライドを英語にするなどの配慮をすれば,海外からの参加者にも楽しんでいただけるのかもしれません。 この経験は9月に開催されるPyCon JP 2016で活かしたいと思います。

懇親会とPyCon APAC Koreaスタッフとの交流

こんにちは,塚本 英成です。

カンファレンスが終了したあと,現地スタッフのご厚意で日本から参加したメンバーは打ち上げに同行させてもらいました。 打ち上げにはPyCon APAC Koreaのスタッフはもちろん,スポンサーの方々,スピーカーの方々もいらっしゃっていました。

1日目に聞いたセッションのスピーカーの隣に座って素晴らしかったと感想を伝えたり,日本語を話せる現地スタッフの方と韓国の事情,PyCon KRの事情などを話せたりと,たくさんの交流が持てました。

そんな中,筆者がもっとも印象的だったのはPyCon KRのデザイナーとの交流でした。

PyCon APAC KoreaデザイナーのPark Hyunwoo氏(左)と筆者(右)

PyCon APAC KoreaデザイナーのPark Hyunwoo氏(左)と筆者(右)

筆者はPyCon JP 2016のデザイナーをしており,そのため今回のデザイナー同士の交流は非常に貴重な機会となりました。

Park Hyunwoo氏はPyCon KRのデザイナーとして3年間活躍しているほか,本業でもPyCon APAC 2016 in KoreaのスポンサーでもあるSMARTSTUDY社のCTOを勤めており,カンファレンス時にもスピーカーとしてセッションに登壇されていました。 彼を始めとして今年のPyCon APACを支えたスタッフの凄まじさに驚かされるような懇親会となりました。

おわりに

以上でPyCon APAC Korea 2016のレポートは終わりです。筆者3名とも初めての韓国,さらに塚本と末田の2名は海外で開催されるPyConへの初めての参加となりました。Pythonに関する学びを得るとともに,現地ではスタッフの方や各国からの参加者など気さくに話してくださり人同士の交流も沢山楽しむことができました。この場をお借りしてお礼申し上げたいと思います。

最後に日本から参加したメンバーで記念撮影

最後に日本から参加したメンバーで記念撮影

著者プロフィール

芝田将(しばたまさし)

関西在住の学生プログラマ。Pythonが好きで,研究やWeb開発のアルバイトに使用。また趣味としてKobinFeedyなどのPythonのライブラリ・フレームワークを開発・公開している。 これまで日本・台湾・韓国のPyConに参加し,いずれもLightning Talkを行ってきた。

Twitter:@c_bata_
Github:@c-bata


末田卓巳(すえだたくみ)

千葉県在住,FULLER株式会社へ勤務。プロダクト実装・社内ツール開発・研究・趣味と幅広くPythonを利用している。 最近はネットワークルータなど組み込み環境におけるPythonの可能性を模索している。 PyConへの参加は2015年のPyCon JP以降2回目。

Twitter:@puhitaku
Github:@puhitaku


塚本英成(つかもとひでなり)

千葉県在住,FULLER株式会社のデザイナー。前職がエンジニアであったバックグラウンドもあり,現在も趣味でPythonを利用している。 PyCon JP 2016のデザイナースタッフでもあり,PyCon JP 2016のデザイン・制作にも携わった。

Twitter:@denari01
Github:@denari

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