レポート

大阪発信の注目サービス・プロダクト・取り組みが盛りだくさん!――大阪近郊で作られているIT系のサービス・商品をアピールするイベント「Shoot from Osaka(n) vol.4」開催

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電話リマインダー『未来電話』

再び通常発表に戻りました。次に登場したのは,株式会社KDDIウェブコミュニケーションズと提携し,4月17日にはTwilio Japan Summitを開催するなど,いよいよ本格的な日本展開が予定されているTwilioの無料通話APIを利用した電話リマインダー「未来電話」です。

未来電話を開発したのは,株式会社アナザーブレインの久田智之氏。前述のイベント世話役の大崎氏と検討しながら,かなり短期間で開発にこぎつけたそうです。

久田氏は,⁠大崎さんと話していたらこういうアプリができました」と,開発裏話にも触れた

久田氏は,「大崎さんと話していたらこういうアプリができました」と,開発裏話にも触れた

このアプリケーションは,時間を指定して電話メッセージを送る(かける)ことができるもので,たとえば,主婦が洗濯物の取り込みを自宅の子どもにお願いしておいたり,あるいは,田舎に住んでいる両親にメッセージを送るといったさまざまな用途が考えられます。

とくに,スマートフォンや携帯電話ありきではない,従来の固定電話をコミュニケーション手段として生活している人たちとのコミュニケーションを深めることを目的にしているアプリと言えるでしょう。

公募校長が校長手当月7万1200円で運営する学校支援組織を立ち上げ

今回の発表の中でも,とくに異色だったのが,元日本経済新聞記者で大阪市任期付校長予定者である北角裕樹氏が発表した「学校支援組織立ち上げ」に関するプレゼンテーションです。

北角氏は「前回は取材する立場だったのが,まさか自分が取材される立場になるとは(笑⁠⁠」と冒頭で述べた後,公募の校長という立場を活かして,従来の教育機関では取り組みづらかった教育体勢,とくに,⁠問題解決力」が身につく学校を目指すべく,さまざまな展開を考えているそうです。

北角氏は「たくさんの方たちの協力とともに,これからの学校教育の姿を創っていきたいです」と,サポーター・パートナーへの呼びかけを行った

北角氏は「たくさんの方たちの協力とともに,これからの学校教育の姿を創っていきたいです」と,サポーター・パートナーへの呼びかけを行った

そのために,できるだけ多くのボランティアの方を集め,企業とのコラボレーションや著名人による出前授業などを考えているそう。

また,その最初の取組の1つが,非営利型一般社団法人「中学支援機構」で,今上げたような企画を実現するための組織,窓口として準備していくとのこと。⁠まずはきっかけづくりを提供し,将来的には地域の組織に委ねられるのが理想的」と語ったことからも,短期的な目線ではなく,長期的に取り組んでいきたい意向が伺えました。

たった数千円で書籍を出版「MyISBN」オンデマンド出版の実例と可能性

最後の発表者は,3月25日に正式リリースとなったMyISBNの開発者,デザインエッグ株式会社CEO佐田幸宏氏です。

昨秋のAmazon Kindleの日本展開に伴い,今後は,個人出版の需要が増えていくと予想し,個人出版希望者向けにISBNを付与するサービスを行います。これは,MyISBN自身が出版社の立ち位置となり,ユーザに向けてISNBを付与していくというもの。

「現在の出版というのは大掛かりであり,個人での出版,自費出版がしにくい状況です。そんな中,Amazon Kindleの登場が,状況を一変させました」と,現在の出版業界とAmazon Kindleの関係を紹介しながら,誰もが手軽に出版できる環境を提供することを目的にサービスを展開しているとのこと。

佐田氏いわく,MyISBNのコンセプトはクリスマスに考えついたとのこと

佐田氏いわく,MyISBNのコンセプトはクリスマスに考えついたとのこと

「よく出版業界の方から厳しいご意見をいただくのですが(苦笑⁠⁠,私たちとしては,既存の出版業界とパイの食い合いをするのではなくて,MyISBNが著者を育てる場となり,市場(読者)が見えてきたときに従来の出版流通に乗せるような関係づくりが出きたらと考えています」と,既存の出版との棲み分けについて説明しました。

人のアツさを体感できた3時間

以上,合計11組の発表が行われ,その後は,軽食とドリンクとともに参加者同士の懇親会が行われました。発表者・聴講者が,気になる発表や自分の興味,あるいはアイデアの共有など,カジュアルな雰囲気で交流を深めていたのが印象的です。

全員で集合写真

全員で集合写真

今回,初めて取材をしてみて感じたのが,全員がIT・Web関係者だけではないという多様性,そして,発表者・参加者・関係者のアツさです。冒頭で大崎氏が「東京集中に対する課題意識」を述べていましたが,私自身としては,地域的な要素も意識しなければいけないと思う一方で,このように実際に人が集まり,会話をし,そこから生まれるアツさ・熱というのが,次に向けた一歩につながっていくのではないかと感じました。

第5回は今年の7月に予定されているとのこと。この4ヵ月間でどういった変化が生まれるのか,また,次はどんなアツさになるのか,今から楽しみにしています。

著者プロフィール

馮富久(ふぉんとみひさ)

株式会社技術評論社クロスメディア事業室室長。

1975年生まれ。横浜市出身。1999年4月株式会社技術評論社に入社。入社後から『Software Design』編集部に配属され,2004年1月に編集長へ就任。同2004年9月に『Web Site Expert』を立ち上げ,同誌編集長に就任,現在に至る。その後,2008年9月に設立したクロスメディア事業部(現クロスメディア事業室)に配属。現在,社外活動として電子書籍を考える出版社の会の代表幹事やWebSig 24/7のモデレーター,TechLIONプロデューサーなども務める。過去にIPAオープンソースデータベースワーキンググループ委員やアックゼロヨン・アワード他各賞審査員などの経験を持つ。

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