Ubuntu Weekly Recipe

第356回 2015年のデスクトップ環境

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ご挨拶

新年あけましておめでとうございます。本連載も丸7年を迎えることができました。このまま行けば400回も年内に到達しそうです。今後とも宜しくお願い申し上げます。

昨年の第305回 2014年新春特別企画 Linuxデスクトップの2014年は多くの方に読んでいただけたようなので,今年はその続きであり,かつもう少し的を絞ってデスクトップ環境に特化した記事をお届けします。

基本的には広義のUbuntuで使用できるデスクトップ環境について取り上げますが,そのほかのLinuxディストリビューションでも役に立つ情報ではないかと思います。

GNOME

GNOMEは1年に2回,タイムベースリリースを行っています。昨年は3.123.14がリリースされました。リンク先はそれぞれのリリースノートです。

今年も同じく2回新バージョンがリリースされることでしょう。3.16の開発版である3.15も順調に進んでおり,ついに電子書籍を読めるようになるようです。

GNOMEはさておき,むしろ昨年はGNOME Foundationが話題になることが多かったです。資金難に陥ったり,グルーポンとの間に商標問題が発生したり,どちらもお金の問題と言えばそうですが,まさにふんだりけったりな1年だったように思います。非営利の財団が安定的な収入を得るのはなかなか難しいことを実感します。

Ubuntu GNOMEは15.04でGNOME 3.14を採用すべく開発中です。ただし,いろいろとあって純粋なGNOMEを体験するに不向きなのは相変わらずです注1)。

注1)
Ubuntuベースである積極的な理由がない場合は,Fedora 21がオススメです。もちろん筆者の場合は積極的な理由があるのですが。

この項で紹介するべきかどうかはよくわかりませんが,GNOME FallbackからフォークしたGNOME Flashbackも活発に開発されています。GNOME 2.xのルック&フィールが欲しいものの,MATEにすると依存するパッケージが全然違うので大量にインストールする必要があり,それは避けたい,と言う場合には,使用したり開発の手伝いをしてみたりすると良いでしょう注2)。

注2)
メーリングリストを読んでいると,わりと頻繁にテスト要請が出ています。

KDE

去年も書きましたが,KDEは現在KDE Frameworks,Plasma,KDE Applicationsの3つをリリースしています。

昨年末の段階でKDE Frameworksは5.5.0Plasmaは5.1.2と順調にバージョンアップを重ねており,KDE Application 14.12.0でもKDE Frameworks 5への移行が進んでいます。

Kubuntuは,14.10では4と5を同時リリースしていましたが注3図1),15.04からPlasma 5ベースに移行することが決定し,現在も開発が進んでいます。

注3)
ただしPlasma 5はテクニカルプレビューです。筆者の手元でも正しく動作していません。

懸念事項としては現状翻訳率が高くないので,翻訳するか英語でも難なく使えるだけのスキルが必要そうであることを頭に入れておく必要がありそうです。

特に急いでPlasma 5に移行する必要がない場合は,Kubuntu 14.04 LTSを継続使用するのが良いでしょう。

図1 Kubuntu 14.10のPlasma 5からインストールした……と言いたいところですが,うまく動作しなかったのでPlasma 4をインストールし,そこからPlasma 5にアップデートしました

図1 Kubuntu 14.10のPlasma 5からインストールした……と言いたいところですが,うまく動作しなかったのでPlasma 4をインストールし,そこからPlasma 5にアップデートしました

Xfce

Xfceは結局去年も4.12がリリースされることはありませんでした。ただし,各コンポーネントの開発は活発に行われています。

Xubuntuをお使いの方はよくご存知だと思うのですが,14.04から14.10でもいくつかの変更点があります注4)。そこからも開発が進んでいることは実感できます。

注4)
たとえばLight Lockerの設定画面が日本語で表示されるようになりました。

ただ,将来的にどうなるのかは心配な面があります。具体的には今のままだとGTK+ 2の開発が停止したら,それと共に心中することになってしまいかねません注5)。もちろん今年や来年という短期間でどうのと言うことはないのでしょうが,このようなリスクがあることは頭の片隅にでも入れておく必要があるでしょう。

注5)
GTK+ 2の開発が停止するわけないと思われるかも知れませんが,思い出してみるとGTK+ 1とQt3以前はすでに開発されていませんし,Ubuntuのリポジトリからは削除されています。

著者プロフィール

あわしろいくや

Ubuntu Japanese Teamメンバー。Ubuntu Japanese Teamではパッケージングなどを担当。ほかには日本語入力関連やOpenOffice.org日本ユーザー会コミッティも兼任。

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