Ubuntu Weekly Recipe

第473回 Ubuntu 17.04リリース記念オフラインミーティング 参加レポート

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セミナー3「GPU on OpenStack」

おおたまさふみさんによるGPU on OpenStackです。

おおたさんは前回も同じテーマで登壇していますが,そのときはすべてオフレコとのことだったので概要にしか触れませんでした。でも,今回は発表資料の範囲で公開可能とのことなので,その範囲でレポートします。

最近のトレンドとして,GPUが計算用途でよく使われています。コア1個あたりは遅いですが,集積度が高くコア数が多いため,いくつかの種類の計算を高速実行できます。また,集積度の割に低消費電力,省スペースというメリットがあります。

図24 GPUトレンド

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GPU on OpenStackとは,OpenStackのVMからGPUを使うことです。GPU on OpenStackを実現する方法としては,PCIパススルーとGPU Dockerがあります。PCIパススルーとKVMの組み合わせのほうがGPU Dockerよりも性能が出るため,おおたさんはPCIパススルーでGPU on OpenStackを構築しています。

図25 GPUはどうやって使うのか?

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GPU on OpenStackは,VMを作って短期間だけ計算を実行して終わったらVMを壊すという用途に向いているそうです。また,外部クラウドを使えない企業が内部利用する用途にも向いています。

図26 GPU OpenStackは誰のため

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PCIパススルーの具体的な設定方法ついて解説がありました。ざっくり言うと,実マシン側でGPUを切り離すように設定して,VM側にくっつけることになります。詳細は発表資料を参照してください。

図27 GPUパススルーはどうやってOpenStackで動くか

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図28 GPUの切り離しと付け替え

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PCIパススルーによるGPU on OpenStackの制約として,ライブマイグレーションはできません。古いGPUの情報を持ったままで,GPUを移っても起動できないためです。ただし,短期使用の計算目的の場合は,使い終わったらVMを壊すのでそれほど問題にはならないないようです。

図29 ライブマイグレーション

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本セミナーは今回の「デスクトップ」というテーマ外の内容でしたが,筆者がいちばん聞きたかった内容です。ただ,発表と資料だけでは実マシンと仮想マシンの関係や設定項目など,理解しきれませんでした。今後,実際に手を動かして確認してみるつもりです。

なお,柴田さんの補足によると,OpenStackに関係しないNVIDIA GPUについては,Ubuntu Weekly Recipeの第454回第456回第461回あたりで初心者向けに解説しているとのことです。

セミナー4「デスクトップってそういえばなんだっけ?ありがとうUnity」

@nekomatuさんによるデスクトップってそういえばなんだっけ? ありがとうUnityです。

@nekomatuさんは名古屋在住で,毎月Qt勉強会を開催しています。UnityでQtを押していたということもあり,Unityに興味を持ってウォッチしていたそうです。

@nekomatuさんの見解によると,17.04のリリースが盛り上がらないのは,LTSと比べて新しい機能があまり盛り込まれていないからではないか,とのことでした。そして,開場の参加者に17.04をライブ環境で使ったりインストールしてみたか質問したところ,40人ほどの参加者のうち,ライブ環境14人,インストール4人くらいでした。多くの人は14.04か16.04のLTSを使っているという結果でした。

なお,12.04はEOLとなっているため今も使っている人はいませんでしたが,費用を支払えばCanonical社から有償サポートを受けることができます。

デスクトップ環境がGNOMEに変わると,おそらくインプットメソッドが変更されます。そのため18.04になる前に,早めにGNOMEを触って慣れておいたほうが良いのではないかとのことでした。

図30 GNOMEをとにかく試してみようと語る,@nekomatuさん

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KDEでUbuntuっぽいデスクトップ環境を構築するという動画をYoutubeで見て,試しに真似してみたことを紹介しました。ところが気に入らず,逆に,Unityの良いところに気づかされたそうです。

この機会にいろいろ触ってみて,自分にとって使いやすいお気に入りの環境を探してみては,とのことでした。

どのフレーバーを使っているかを会場で質問したところ,Ubuntu(Unity)が半数,残りはUbuntu GNOME,Kubuntu,Ubuntu Budgieが挙がっていました。

あとがき

今回のオフラインミーティングはイベントの募集期間が短かったこともあり,いつもよりセミナー数が少なかったようです。でも,その代わりに多くの裏話を聴くことができました。当時のことを知る人には懐かしく,知らなかった人には新たな発見のある,振り返り会らしいイベントだったと思います。関係者の皆様には,楽しいイベントを開催していただき,ありがとうございました。

なお,次回のオフラインミーティングについては,本連載Ubuntu Weekly Recipeがあと半年ほどで500回を迎えるため,500回記念の冠をつけたいとのことです。

著者プロフィール

よこざわかおり

普段はStellariumというプラネタリウムソフトの翻訳に参加している。UbuntuのライトユーザーとしてUbuntu Japanese Teamのイベントにもよく一般参加している。