組込みプレスSelectionシリーズリコールを起こさないソフトウェアのつくり方

[表紙]リコールを起こさないソフトウェアのつくり方

A5判/344ページ

定価(本体2,680円+税)

ISBN 978-4-7741-4216-6

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書籍の概要

この本の概要

さまざまな電子機器がソフトウェアで制御されるようになった昨今,トヨタのハイブリッド車プリウスのブレーキ問題をはじめソフトウェアが絡んだリコールが年々増加しています。ソフトウェアは見えないだけに,何がどのようにして問題を起こしているのか簡単には解明できません。

本書では大規模,複雑化したソフトウェアにどのようにして問題が入り込むのかを実例をもとに解き明かし,日本のソフトウェアプロジェクトにフィットしたマネージメント技術および,ソフトウェアの品質と開発効率向上の両立を実現するためのソフトウェアの資産化の技術を解説します。また,付録で「MISRA SA;MISRAソフトウェア安全解析ガイドライン」の概要を紹介しています。

こんな方におすすめ

  • ソフトウェア開発の初級者の方
  • 新人でこれから目指すべき道筋が見えていない方
  • ハードウェアエンジニアで「なぜ,ソフトウェアは問題を起こすのか」を常々疑問に思っている方
  • ソフトウェアプロジェクトマネージメントの技術を学んでいて,どうして自分のプロジェクトでうまくいかないのか悩んでいる方
  • 組織内でソフトウェア品質問題に頭を抱えている方

目次

Part1 ソフトウェアの危うさの本質を体感してみよう

Chapter 1 ソフトウェアの危うさを知ろう

  • 1-1 設計の規範教育演習から見えるソフトウェアの危うさ
  • 1-2 SESSAMEの「Cプログラミングによる設計の規範演習」
  • 1-3 演習広義のスケジュールの例
  • 1-4 演習問題の仕様
  • 1-5 演習問題の解き方
  • 1-6 演習問題の解答例
  • 1-7 ユニットテスト環境とテストケースの準備
  • 1-8 設計規範の適合性の判定方法とチェック手法
  • 1-9 演習結果の評価について

Chapter 2 危ないソフトウェアのプログラム例とケーススタディ

  • 2-1 プログラム例-20個のケースの特徴
  • 2-2 ケーススタディ
  • 2-3 [ケース1]iとjの未初期化でプログラムが飛んだ
  • 2-4 [ケース2]アイデアはわかるけど,効率は?
  • 2-5 [ケース3]どうしてここマクロを使うの?
  • 2-6 [ケース4]returnを通らず抜ける危険があるぞ!
  • 2-7 [ケース5]字下げがめちゃくちゃ
  • 2-8 [ケース6]試行錯誤のなれの果て
  • 2-9 [ケース7]それじゃ境界がわからないでしょう
  • 2-10 [ケース8]変数は初期化して使いましょう
  • 2-11 [ケース9]使っていない変数は何のため?
  • 2-12 [ケース10]出口4つはわかりにくくない?
  • 2-13 [ケース11]無意味なコメントアウトは残すな
  • 2-14 [ケース12]細かすぎませんか?
  • 2-15 [ケース13]意味のある変数なら1文字変数はやめよう
  • 2-16 [ケース14]カウンタは2つもいらないんじゃない?
  • 2-17 [ケース15]デバッグ用のprintfが残っているよ
  • 2-18 [ケース16]解答例とは違うけど,これもいいかも
  • 2-19 [ケース17]if文をもう少しすっきりさせたいなぁ
  • 2-20 [ケース18]かなりいい感じ
  • 2-21 [ケース19]ビフォーアフター:Beforeがこれ
  • 2-22 [ケース20]ビフォーアフター:Afterで改善!

Chapter 3 ソフトウェアはなぜ危ないのか

  • 3-1 単体テストをパスしているコードでも…
  • 3-2 テストで完全なソフトウェアを作れると考えてはいけない

Chapter 4 ソフトウェアの品質を高く保持するために

  • 4-1 ソフトウェアには見える化が必要
  • 4-2 品質を保持するために必要なこと
  • 4-3 「ソフトウェアを作るのは生身の人間である」ことを理解しよう

Part2 日本的ソフトウェアプロジェクトの管理はここから

Chapter 5 ソフトウェア開発の理想と現実

  • 5-1 ソフトウェアの開発プロセス
  • 5-2 組込みソフトウェアの開発プロセス
  • 5-3 小規模ソフトウェアの開発プロセス
  • 5-4 ソフトウェア開発プロセスのモデル

Chapter 6 日本のソフトウェアプロジェクトに求められる取り組み

  • 6-1 プロジェクトに根付いている目に見えない規範
  • 6-2 継続的な取り組みの必要性
  • 6-3 テストでは「リコールを起こさないソフトウェア」は作れない
  • 6-4 ソフトウェア品質向上の取り組み-構成管理と変更管理

Chapter 7 ソフトウェア構成管理

  • 7-1 なぜ,ソフトウェア構成管理が必要か?
  • 7-2 ソフトウェア構成管理をシミュレーションしてみよう
  • 7-3 ソフトウェア構成管理のベースライン設定
  • 7-4 ソフトウェアの変更容易性
  • 7-5 ソフトウェアの要求仕様の管理
  • 7-6 ソフトウェア構成管理と変更管理
  • 7-7 ソフトウェアリリース時の管理
  • 7-8 トレーサビリティの向上
  • 7-9 派生開発とソフトウェア構成管理
  • 7-10 再利用資産とソフトウェア構成管理
  • 7-11 ソフトウェア構成管理とアクセス権の設定

Chapter 8 ソフトウェア変更管理

  • 8-1 なぜ,ソフトウェア変更管理が必要か?
  • 8-2 ソフトウェア変更管理の段階的な適用
  • 8-3 変更要求と入力データ
  • 8-4 ソフトウェア変更管理と構成管理のリンク
  • 8-5 ソフトウェア変更管理と品質管理
  • 8-6 ソフトウェア変更管理における注意点

Chapter 9 レビュー

  • 9-1 なぜ,CMMIのアプローチをそのまま取り入れないのか?
  • 9-2 さまざまなレビュー
  • 9-3 レビューの実施
  • 9-4 今後の取り組み

Part3 ソフトウェア資産化の技術がリコール防止につながる

Chapter 10 ソフトウェア開発のプラットフォーム

  • 10-1 プラットフォームが共通のソフトウェア開発とそうでないソフトウェア開発
  • 10-2 ソフトウェア開発のアーキテクチャ

Chapter 11 ソフトウェアシステムとソフトウェア搭載機器の価値

  • 11-1 ソフトウェア品質とは?
  • 11-2 ソフトウェア資産の価値

Chapter 12 再利用資産を抽出するためのアプローチ

  • 12-1 ソフトエンジニアはソフトウェア資産を再利用できているか?
  • 12-2 再利用戦略のこれまでとこれから

Chapter 13 再利用資産を抽出する手順

  • 13-1 現状のソフトウェアシステムの分析とドメイン構造の可視化
  • 13-2 ドメイン構造図の作成
  • 13-3 市場要求・ソフトウェア実装対応表の作成

Chapter 14 再利用資産の抽出のケーススタディ

  • 14-1 [ケーススタディ1]再利用すべき機能モジュールが固定要素,かつ市場要求の重要度が高い
  • 14-2 [ケーススタディ2]再利用すべき機能モジュールが変動要素,かつ市場要求の重要度が高い
  • 14-3 [ケーススタディ3]機能モジュールを用いない,かつ市場要求の重要度が高い
  • 14-4 3つのケーススタディからわかること

Chapter 15 再利用資産の抽出後のアプローチ

  • 15-1 組込みシステムの信頼性を効果的に向上させるために
  • 15-2 再利用すべきソフトウェア資産の抽出の重要性

Chapter 16 安全性が求められるシステムに対するアプローチ

  • 16-1 安全という価値
  • 16-2 史上最悪のソフトウェアバグの考察

Chapter 17 安全アーキテクチャの検討

  • 17-1 エレベータの安全アーキテクチャ
  • 17-2 安全設計
  • 17-3 安全アーキテクチャモデル

Chapter 18 ソフトウェアの資産化して品質と開発効率を高める

  • 18-1 顧客満足度を高める価値の可視化とソフトウェアの資産化
  • 18-2 ソフトウェア資産を抽出するスキルを修得するには

Appendix ソフトウェアを含むシステムの安全標準と安全規格の紹介

Appendix A ソフトウェアに関する国際標準や国際規格の読み方

  • A-1 「MISRA SA」と「IEC 62304」
  • A-2 国際標準や国際規格との向き合い方
  • A-3 「ISO(国際標準化機構)」と「IEC(国際電気標準会議)」
  • A-4 ソフトウェアに関する国際標準や国際規格への対応
  • A-5 安全性や信頼性を説明する責任
  • A-6 説明責任が果たせない製品は世界に受け入れられないし,実際に危ない
  • A-7 国際標準や国際規格をポジティブにとらえる
  • A-8 国際標準や国際規格の読み方

Appendix B MISRA SA(MISRAソフトウェア安全性解析ガイドライン)

  • B-1 略語と用語の解説(抜粋)
  • B-2 概論
  • B-3 安全マネージメント
  • B-4 MISRA安全プロセス
  • B-5 MISRAシステム安全分析プロセス
  • B-6 PSA(予備安全分析)
  • B-7 ハザードの等級化
  • B-8 DSA(詳細安全分析)

Appendix C IEC 62304(医療機器ソフトウェア-ソフトウェアライフサイクルプロセス)

  • C-1 リスクを軽減するために
  • C-2 概要
  • C-3 用語および定義(抜粋)
  • C-4 ソフトウェア開発計画
  • C-5 ソフトウェア要求分析
  • C-6 ソフトウェアアーキテクチャ設計
  • C-7 ソフトウェア詳細設計
  • C-8 ソフトウェアユニットの実装および検証
  • C-9 ソフトウェア結合および結合テスト
  • C-10 ソフトウェアシステムテスト
  • C-11 ソフトウェアリリース
  • C-12 ソフトウェア保守プロセス
  • C-13 ソフトウェアリスクマネージメントプロセス

著者プロフィール

酒井由夫(さかいよしお)

1987年よりクリティカルデバイスのソフトウェア開発に約20年間従事する。おもに16bitのワンチップマイコンを使った信号処理,リアルタイム組込みシステムの開発を行い,商品の仕様立案からソフトウェア開発のプロセス管理,プロジェクトマネージメント,安全性・信頼性の検証,保守,ソフトウェア技術者教育など組込みシステム開発に関する幅広い領域を経験する。オブジェクト指向設計やプロダクトライン戦略を商品開発に生かすことも試みている。商品開発を常にアーキテクトの視点から分析し,「具体から抽象へ」というアプローチにこだわる。2003年より,SESSAME(組込みソフトウェア管理者・技術者育成研究会),EEBOF(Embedded Engineer's Birds Of a Feather)に参加している。2006年よりソフトウェア品質技術の指導・支援,ソフトウェア技術者の育成に携わる。

著書には,『組込みソフトエンジニアを極める』(日経BP社,2006年,ISBN 978-4-8222-8272-1)がある。

2006年から開設しているブログサイト『組込みソフトウェア工房』(Embedded Software Manufactory)では,ソフトウェアに関するフリーのテクニカルジャーナリストとして,ソフトウェア品質やソフトウェアの安全設計・事故分析,日本のソフトウェア技術者の特性,プロジェクトマネージメント,マーケティング,組織改善,問題解決,技術者育成などさまざまな視点でソフトウェア開発に関する問題に切り込んでいる。ブログサイト『組込みソフトウェア工房』にて,著書の解説やフォローアップ,読者との意見交換も行う。

組込みソフトウェア工房:http://embeddedsoftwaremanufactory.blogspot.com/