良いウェブサービスを支える「利用規約」の作り方
2013年3月19日紙版発売
2013年3月19日電子版発売
雨宮美季,片岡玄一,橋詰卓司 著
A5判/240ページ
定価2,508円(本体2,280円+税10%)
ISBN 978-4-7741-5594-4
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書籍の概要
この本の概要
- 「利用規約なんてどうせ読まれないし」
- 「まるごとパクればいいんじゃないの」
- 「免責しとけばなんとかなるよ」
と思ってませんか?
本書は,多くのベンチャー企業の支援を通じてウェブサービスに関するリーガルサポートを数多く手がけている弁護士と,スタートアップ企業から上場企業までさまざまな規模・業態の企業でウェブサービスの運営をサポートしてきた法務担当者2人が,その経験をもとに,「ウェブサービスを安全に・円滑に運営するために本当に気を配る必要のある事項」をわかりやすく解説。
ウェブサービスを守るために欠かせない「利用規約」にととまらず,関連する以下のトピックも取り上げています。
- サービスを通じてプライバシー情報を取り扱う際に重要となる「プ ライバシーポリシー」
- 有償でサービスを提供する際に表示すべき「特定商取引法に基づく 表示」
- ウェブサービスに関する法規制の必須知識
各種ドキュメントのひな形つきで,すぐに使えて応用できます。
さらに特別付録として,利用規約とプライバシーポリシーのひな形の英訳も収録。
ウェブサービスに携わるエンジニア,ディレクター,プロデューサー,経営者に欠かせない1冊!
こんな方におすすめ
- ウェブサービスに携わるエンジニア,ディレクター,プロデューサー,経営者の方
著者の一言
ウェブサービスやスマートフォンアプリで成功するために必要なことはなんだと思いますか?
「ライバルよりも早くリリースすること」
「オンリーワンのコンテンツであること」
「使いやすいUIが備わっていること」
たしかに,それらの要素は,いずれも成功を勝ち取るために重要な「武器」であり,不可欠であることはまちがいないでしょう。
しかし,ユーザーとの間でトラブル・訴訟が発生した場合には,これらの「武器」だけでは,成功への道を進むことはできません。ウェブサービスやアプリを大きく成長させるためには,「防具」を使いこなして,上手に守ることもまた重要なのです。そして,本書が取り上げている利用規約は,強力な「防具」となりうる存在です。
もっとも,利用規約という「防具」をしっかりと機能するように作るのは,じつはかんたんなことではありません。なぜなら,サービスやアプリの内容によって考慮しなければならない要素が多種多様であるから,そして何より,利用規約の作り方についてのまとまった情報が驚くほど少ないからです。現状では,プログラミング言語の解説や,サーバ構築に関するノウハウ,クラウドサービスの利用方法などの情報と比べると,利用規約に関する情報は,質の面でも量の面でも,雲泥の差です。
その一方で,弁護士に依頼したり法務担当者を採用することにあまり積極的でないベンチャー・中小企業などでは,しばしば,先行する類似ウェブサービスの利用規約を,その意味も理解しようとせずに,そのまま文言だけパクってリリースしてしまうという光景をよく目にします。
その結果,せっかくリリースしたサービスが,利用規約の内容が不適切であったり,トラブルをスムーズに解決できなかったために,継続できなくなってしまうことも実際に少なからず起こってしまっています。そのような悲劇は,きっとこれからも繰り返されてしまうことでしょう。これはあまりにもったいないことです。
私たちは,このような状況を打破する第一歩として「この1冊を読め
ば,利用規約について検討すべきことがひと通りわかる」,そんなエンジニアや経営者のためのガイドブックを作りたいと考え,本書を書きました。
本書のタイトルは『良いウェブサービスを支える利用規約の作り方』ですが,本書のコンテンツは,文字どおりの「利用規約」を中心としながらも,以下の情報もできるだけ盛り込んでいます。
- サービスを通じてプライバシー情報を取り扱う際に重要となる「プライバシーポリシー」
- 有償でサービスを提供する際に表示すべき「特定商取引法に基づく表示」
- ウェブサービスに関する法規制の必須知識
第1章では,これらを含む利用規約の概要がつかめます。
第2章では,起業家と弁護士の相談を例に,より具体的なポイントを押さえていきます。
第3章では,利用規約のひな形をベースにして,第2章で学んだポイントを実践するための方法がわかります。
第4章では,それでもハマってしまいがちな落とし穴・注意点をフォローしています。
また,本書は「法律の条文にはこう書いてある」をスタート地点とする法律書と違い,「ウェブサービスにおいてトラブルはこういう場面で起こる」をスタート地点にしています。このスタンスは,執筆者,つまり,多くのベンチャー企業の支援を通じてウェブサービスに関するリーガルサポートを数多く手がけている弁護士と,スタートアップ企業から上場企業までさまざまな規模・業態の企業でウェブサービスの運営をサポートしてきた法務担当者2人が,その経験をもとに,「ウェブサービスを安全に・円滑に運営するために本当に気を配る必要のある事項」をピックアップすることで可能になりました。
もし,私たちが,この本を手にした方から「特に重要な場所を教えて」と尋ねられても,うまく答えることができないと思います。それほどに,本書に書かれている内容は,どこも,すべて,例外なく重要なものであると考えています。
本書を手に取った方が作り上げたウェブサービスやアプリが無事リリースされ,成長し,そして多くの人に愛される。
そんなストーリーを,本書を通じて少しでもお手伝いすることができたとしたら,私たちにとってこれ以上の喜びはありません。
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