会社で「ポエム」を綴ろう! ~ポエム駆動で理想を語ると社内の風が変わる!~

第5回(最終回) pixivと「ポエム」の未来へ

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この連載では会社で「ポエム」を書くことについて語ってきましたが,今回が最終回です。改めて,⁠ポエム」を書き始めた経緯と狙いをおさらいしたうえで,これまで得られた効果と,我々が直面している問題を解説し,それを乗り越えた先にある理想像についてお話します。またこれから会社で「ポエム駆動開発」を始めるための留意点をお話します。

ポエムを書き始めて長い時間がたった

ピクシブで「ポエム」を書き始めて1年以上経ちました。

  • 資料:社内提案資料「ポエムを書こう」の公開版

そのとき当時の筆者はピクシブ社内で「ポエム」を書くことをはじめましたという会社のブログで,

まだ動き出したところで,この活動が本当に成功と言えるかは,継続してポエムを発信し続けることがキーと思っています。 わたしとしては一番積極的に書いていって,公開できる事はこちらのブログでも紹介できればと考えています。

と述べていましたが,気がつくと日々活発に使われており,もはやポエムを書くプラットフォームは私たちにとって欠かせないものになっています。

元々の目的と成果

改めて当初の「ポエム」の目的をおさらいしておきましょう。

連載第2回で述べた通り,各自の意見を容易に発信できるような場を作ることが目的でした。そして,サービスに対する熱い思いを共有できるように,いつでも立ち返ることができるようにというポエム駆動開発を会社で実現しようという狙いがあり,esa.ioを「ポエム」ツールとして導入しました。

そこから,連載第3回で紹介したように,拡大する組織の中で,担当や部署,時間を超えて,考えを述べ,意見を交わすことができるようになりました。さらには連載第4回で取り上げたように,気がつくとプロジェクト管理に,相互レビューに,リリース後の効果測定結果の共有にと,幅広い用途で賑やかに情報共有や議論を支える基盤として無くてはならないものになっています。

また,ツールの機能上,時系列で投稿を遡れるため,新入社員をはじめ新しくジョインしたメンバーが雰囲気をキャッチアップしやすい効果があり,時を超えた共有ができるようになりました。

これから解決したい問題点

このように「ポエム」によっていままで以上に組織の風通しがよくなり,よりよい文化が育まれたと考えています。しかし,⁠ポエム」によって解決できない問題が引き続き残っています。

問題をまとめると以下の3点があります。

  1. もっと想いを表現する
  2. 厳しい問いを発し合う
  3. 実現をリードする

これらは,いずれもポエムを綴ることに問題があるのではなく,ポエムを書く文化のおかげで,次に解決すべき課題が浮かび上がってきたものだと思っています。

高い成果を上げるためにはどうすればいいかが問題です。

1. もっと想いを表現する

1年で約千数百の投稿と合計約一万のコメントとスターというアクティブさで使われています。しかしきちんと伝わるかたちで全員が「ポエム」として考えを表現できているわけではありません。どうしても,個人ごとに文字での表現の得意不得意や,表現する意欲の違いなどがあり,全員が一律に「ポエム」を綴るのは非常に困難です。

とはいえ社内「ポエム」に限らず,表現する力は無くてはならない技術となっています。事業/サービスをリリースする際には,人の行動を変えるプレスリリースや,アプリストアの文章を書く必要があります。

そこで,より多くのメンバーが想いを表現できるようになるために,文章表現力と表現する想いを作り上げる力を育成することは,今後事業を伸ばすために必須ものと考えています。

2. 厳しい問いを発し合う

社内の仲間たちをみるに,それぞれ事業へのこだわりとユーザへの愛着をもったメンバーが揃っています。また優しさと共感力が強いメンバーが多いように感じています。⁠ポエム」上のやりとりにおいても,その傾向が投影されています。

これはすばらしいことではありますが,⁠ポエム」として提示された想いや考えに対して共感を示すだけでなく,本当に達成すべき事柄なのかどうか問いかけることで,アイディアを厳しく洗練させることにも必要と考えています。

3. 実現をリードする

これまでは,抱えていた想いを表現する場所として「ポエム」ツールを運用してきましたが,やはり想いを出すこととそれを実現することには深い溝があるように感じています。いかなるアイディアも実現してこそです。

ピクシブは創作活動を楽しくする事業を営んでいるおり,その実現としては,より広く深くヒットする事業を実現する必要があります。そこで,アイディアを実現させるために,出てきた想いを具体的なプロジェクトとして立案・推進していくアクションが必要と考えています。

著者プロフィール

小芝敏明(こしばとしあき)

"古きよき時代から来ました,まじめなSE,まじめにSE"がキャッチフレーズ。開発マネジメント,システム設計,プログラミング,運用,登壇,執筆,カンファレンス運営と手広く技術仕事をたのしんでいる。

ピクシブ株式会社 開発マネージャ,アニメイトラボ株式会社 最高技術責任者,RubyKaigi 2015 Organizer

休みの日は,ライブに行ったり,自転車に乗ったり,技術系同人誌を作ったりしている。コスプレも少々。和服と全身タイツが似合う。

サイト:http://bash0C7.hatenablog.com/

Twitter:@bash0C7

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