Linus Torvaldsは8月14日(米国時間)、次期Linuxカーネル「Linux 6.0」の最初のリリース候補(RC)版となる「Linux 6.0-rc1」を公開した。7月31日にリリースされた「Linux 5.19」の公開時にLinusが表明していた通り、今回のカーネルからメジャーバージョンがアップし、「Linux 6.x」としての開発が始まることになる。
- Linux 6.0-rc1 -Linus Torvalds
「根本的な変更はなにもない」
Linusはこれまで、Linuxカーネルのメジャーバージョンを上げる際には「カーネル全体を根本的に変えるような大きな変更を加えるわけじゃなく、同じナンバーのもとでのリリースをあまり多く出すよりも、新しいバージョンでリセットしたほうがいい」という趣旨のコメントしており、2019年3月にLinux 5.0をリリースした際も、当初はLinux 4.21として開発が進んでいたものを「4.x"で続けてきたナンバリングが、手と足の指の数(20)を超えた」ことを理由にLinux 5.0に変更している。Linux 6.0についても「今回のリリースに関しては根本的な変更はなにもない(Nothing fundamentally different about this release.)」とコメントしており、マイナーバージョンが20を超えたあたりでリセットするという方針を継続しているようだ。
もっとも「根本的な変更はない」としながらも、Linux 6.0-rc1では1万3,099のファイルに変更が加えられ、128万295行を新たに追加し34万1210行を削除したという。また、現時点で約1万3500のコミットがマージされていない状態(800以上はマージ済み)であり、LinusによればLinux 6.0はそれなりの変更とサイズを伴ったリリースとなりそうだ。なお、実装が期待されていたRustや多世代LRU(Multigenerational LRU)、PREEMPT_RTのサポートはLinux 6.0では見送られている。
LinusはLinux 6.0の公開時期について「できれば10月初旬には正式にリリースしたい」とコメントしており、通常の開発サイクルで進めば7~8週間後にはLinux 6.0が登場することになりそうだ。