HashiCorp⁠Terraform 1.5をリリース

HashiCorpは2023年6月12日、同社が開発するオープンソースのInfrastructure as Code(IaC)ツールTerraformの新バージョン1.5を一般公開した。Terraform 1.5では、重要な新機能としてコンフィグ-ドリブン(構成駆動)のインポート ワークフロー、およびcheckブロックが追加された。

コンフィグ-ドリブンのインポート

Terraformを使わず手動で構築したクラウドリソースをTerraform管理下に置くには「インポート」作業を行う。これまでインポートを行うにはリソースの情報を記述した設定ファイル(tfファイル)を用意して、コマンドラインでterraform importコマンドを実行する必要があった。

Terraform 1.5ではインポートの操作をコードで記述することがきるようになり、さらにインポートするクラウドリソースのID、および新しいリソースブロックのHCLアドレスの2つのパラメータを指定するだけで、自動でコード生成を行う機能が追加された。インポートブロックがTerraformコードに追加されたらterraform planコマンドでプランを実行すれば、新しいリソース ブロックが自動的に作成される。

これにより、既存のTerraformベースのワークフローに新しいチームやアプリケーションをオンボーディングするといった場合に、インフラ統合を容易に進められるようになった。

checkによる検証の強化

プロビジョニングされたインフラストラクチャが期待どおりに機能しているかをチェックするための機能が強化された。 Terraform 1.2では、設定ファイルにpreconditionpostconditionというブロックを記述することで、個々のデータソースやリソースを検証し、これらが失敗するとプランや動作が停止する機能が追加されたが、これは包括的な機能検証を行うには使い勝手が悪かった。

Terraform 1.5では、包括的な検証が可能な新しい検証メカニズムであるcheckブロックが導入された。checkでは構成内のすべてのリソース、データ ソース、およびモジュール出力を参照できる。checkはプランまたはアプライの最後の段階で実行され、失敗しても実行は停止せず、エラーではなく警告メッセージが表示される。


このほかの新機能についてはTerraform 1.5のchangelogを参照。Terraform 1.5は以下の手順で入手/導入できる。

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