先端テクノロジーのしくみがよくわかる本
2006年10月13日紙版発売
瀧澤美奈子 著
四六判/240ページ
定価1,628円(本体1,480円+税10%)
ISBN 4-7741-2918-6
ただいま弊社在庫はございません。
書籍の概要
この本の概要
ブッラクボックスにしておくのはもったいないほど,面白いアイデアが詰め込まれているハイテクを,難しいと決め付け,毛嫌いしていませんか。じつは中学や高校で習った基本法則を応用しているものも多く,原理そのものを理解するのはそれほど難しいものではないのです。
そんなすごいアイデアがぎっしり詰まったテクノロジーのしくみを本書で覗いてみてください。理科と物理の知識で読める工夫をした本書なら,「先端テクノロジー」が面白いように見えてきます。
こんな方におすすめ
- 「物理は苦手だ」という人に、「新しいヒット商品、モノ作りのヒント」を見つけたいと思っている文系のビジネスマンの方にお勧めします
目次
1章 あの先端技術も「理科の公式」から生まれる!
- 1 先端技術のしくみが見えなくなった
- 2 ブレイクスルーは突然には起こらない
- 3 「理科の公式」から先端技術がわかる!
- 4 “不思議な原理”を自分で確かめよう
- 5 原理をどう実用化できるかが大問題
- 6 ビジネスパーソンこそ先端技術を学べ!
2章 電気・磁気・光を利用した先端技術−ファラデーの法則,覚えている?
- 1 非接触型ICカード(ICタグ)の電力供給【電磁誘導】
- ■なぜ,かざすだけで情報をやり取り?
- ●低消費電力の半導体のおかげで非接触化
- ◆身の回りのモノすべてにICタグ
- 2 IH調理器【電磁誘導】
- ■なぜ,熱くならないのにナベが温まる?
- ●IHで使えるナベには制約がある
- ◆溶接や焼入れの技術として工業利用
- 3 コピー機【静電気,光伝導効果】
- ■なぜ,パターンを完全に複写できる?
- ●感光ドラムの潜像にトナーが吸着する
- ◆ゼロックスがコピーの別名だった理由
- 4 CD,DVDのデータの読み取り【光の反射・干渉・回折】
- ■なぜ,ピットのある・なしでデータになる?
- ●大容量化の決め手はレーザーの波長
- ◆多層化でさらなる大容量化をめざす
- 5 手のひら静脈認証【光のスペクトル解析】
- ■なぜ,手のひらの静脈で本人確認できる?
- ●近赤外線を吸収する静脈の性質を利用する
- ◆バイオメトリクスデータの管理が課題
- 6 液晶ディスプレイ【物質の三態】
- ■なぜ,液晶がディスプレイに使えるか?
- ●液晶は電気エネルギーによって変化する
- ◆液晶科学の始まりは植物学者の発見から
- 7 プラズマディスプレイ【放電】
- ■なぜ,蛍光灯の原理で映像が映る?
- ●画素1つひとつが発光して映像がクリア
- ◆エネルギー変換効率の向上が課題
- 8 表面電界ディスプレイ(FED)【放電】
- ■なぜ,ブラウン管を薄型にできる?
- ●発光の原理はブラウン管とおなじ
- ◆価格しだいでは薄型ディスプレイの本命
3章 半導体が大活躍する先端技術−電気伝導性,どんなことだった?
- 1 デジタル(ビデオ)カメラの撮像素子(CCD/CMOSイメージセンサ)【半導体】
- ■なぜ,光が電気信号に変わるのか?
- ●電荷を取り出す方法が違うCCDとCMOS
- ◆欠点を克服,優位性際立つCMOS
- 2 発光ダイオード【半導体】
- ■なぜ,半導体自体が光るのか?
- ●青色LEDのおかげで白色も可能に
- ◆用途を飛躍的に広げた青色LED
- 3 有機EL【エネルギー準位】
- ■なぜ,プラスチックが電気を通すのか?
- ●少ない電力で効率よく光を出す材料がカギ
- ◆太陽電池の研究から発展した有機EL
- 4 携帯電話【デジタル通信】
- ■なぜ,いつどこにいても通じるのか?
- ●機械がつくったデジタルの音声で会話
- ◆高機能化,もはや小さなコンピュータ
- 5 ワンセグ【デジタル放送】
- ■なぜ,ケータイにデジタル放送が映る?
- ●電波を分散して送ることで乱れない映像に
- ◆ネットとの連動サービスも視野
4章 まさか!を実現した先端技術−フーコー振り子,なにを証明している?
- 1 携帯型オーディオプレーヤ(音の圧縮技術)【音波の性質】
- ■なぜ,1万曲もポケットに入るのか?
- ●人の聞きとれない音をカットして圧縮
- ◆トランジスタが音の圧縮技術を実用化
- 2 瞬時に震源がわかる地震観測網【慣性の法則】
- ■なぜ,地面の揺れを記録できる?
- ●地震の大きさに応じた3種類の地震観測網
- ◆発生前に震度予測を速報するシステム
- 3 燃料電池【水の電気分解】
- ■なぜ,酸素と水素で発電できるのか?
- ●電解質の材料で性能・用途が異なる
- ◆コスト高や燃料の供給体制などが課題
- 4 デジタルカメラの手ブレ補正【コリオリの力,フーコー振り子】
- ■なぜ,手ブレを補正できるのか?
- ●手ブレを検出するのは角速度センサ
- ◆角速度センサの小型化が大きく貢献
- 5 すばる望遠鏡【固体の固有振動】
- ■なぜ,巨大な一枚鏡が精密に動くのか?
- ●音叉を使って微小な鏡のゆがみを検出
- ◆大気のゆらぎも克服し宇宙の謎に挑む
- 6 光触媒【光電気化学】
- ■なぜ,光が当たると反応するのか?
- ●酸化チタンは常温で活性酸素を作る
- ◆実用化第一号はトイレの脱臭や殺菌
- 7 電子ペーパー【電気泳動,コレステリック液晶】
- ■なぜ,紙のように折りたためるのか?
- ●微粒子を使った技術のブレイクスルー
- ◆カラーの電子ペーパーも期待できる
5章 ローテクと思いきや先端技術−実験で電気をつくったことあるよね?
- 1 リチウムイオン電池【二次電池】
- ■なぜ,電池から電気が出てくるのか?
- ●放電と逆の化学反応を起こして充電する
- ◆モバイル社会を支えるキーデバイス
- 2 コンデンサ(電気二重層キャパシタ)【補助電源】
- ■なぜ,電気を蓄えることができるのか?
- ●電気二重層キャパシタのしくみ
- ◆燃料電池車などの補助電源として期待
- 3 ACアダプタ【電気回路】 156
- ■なぜ,交流を直流に変換するのか?
- ●小型化の主流はスイッチング方式
- ◆専用ICで回路の複雑化を防ぐ
- 4 耐震・免震技術【固有振動数】
- ■なぜ,耐震ではなく免震・制震なのか?
- ●地震の揺れと建物の共振を避ける構造
- ◆日本の免震・制震技術は世界一
6章 目からウロコのアイデア先端技術−水蒸気が100℃以上になるの?
- 1 水で焼くオーブン(ヘルシオ)【物質の粒子モデル】
- ■なぜ,「水で焼く」ことができるのか?
- ●過熱水蒸気で食材を乾燥させる
- ◆調理器具以外ではすでに実用化
- 2 カーナビのデュアル・ディスプレイ【幾何光学】
- ■なぜ,角度によって画面が違うのか?
- ●基本的には立体画像表示と同じ原理
- ◆3方向以上から映像を楽しむ技術開発へ
- 3 バーチャル・サラウンド【聴覚特性】
- ■なぜ,音にリアリティを感じるのか?
- ●聴覚特性が存在しない音を錯覚させる
- ◆バーチャル・サラウンドの実現方法
- 4 エコキュート【ヒートポンプ】
- ■なぜ,空気の熱でお湯を沸かせるのか?
- ●空気の熱で冷媒を暖めて効率を上げる
- ◆給湯コストを都市ガスの4分の1に
- 5 ペダルが重くない自転車ライト【電磁誘導】
- ■なぜ,ペダルが重くならないのか?
- ●発電のための磁石とコイルを分離させる
- ◆白色ダイオードの低価格化が追い風
7章 身近なところで活躍している公式−公式が思い出せなかったら…
- 1 電磁誘導
- 2 コリオリの力
- 3 静電気
- 4 光伝導効果
- 5 光の干渉
- 6 光の回折
- 7 半導体
- 8 半導体ダイオード
- 9 トランジスタ
- 10 物質の三態
- 11 エネルギー準位
- 12 音の3要素
- 13 慣性の法則
- 14 分子のスペクトル(分子分光法)
- 15 水の電気分解
この本に関連する書籍
-
カーエレクトロニクスのしくみがよくわかる本
「最新のクルマはどんなハイテクを装備しているのか」「ハイブリッドカーのしくみが知りたい」「カーエレクトロニクスについて知りたい」など,基本的かつ素朴な疑問を...
-
電気の「なぜ」と「しくみ」がよくわかる本
基本的な事象から解きおこし,身近な家庭の電気をひとつひとつ検証していきます。さらにパソコンやデジカメ,DVD,液晶,プラズマ,衛星放送とハイビジョン,地上デジタ...