知りたい!サイエンスシリーズここまで来たナノテクノロジー
―産業化する原子の世界―

[表紙]ここまで来たナノテクノロジー ―産業化する原子の世界―

紙版発売

四六判/224ページ

定価1,738円(本体1,580円+税10%)

ISBN 978-4-7741-4160-2

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書籍の概要

この本の概要

原子2,3個程度の長さであるナノメートル。普通の物理法則が通用しないこのナノスケールの世界が,人間の実生活を大きく動かそうとしている。電子顕微鏡でさえ見えない世界で何が行われているのか? 何をしようとしているのか? 本書では原子世界での法則やナノテクノロジーの基本理論を解説しながら,工業,医療など身近な世界へ広がっている現在のナノテクノロジーの現場を紹介する。

こんな方におすすめ

  • ナノテクノロジーを支える基礎理論を知りたい人
  • ナノテクノロジー関連産業や製品の概要を知りたい人

目次

第1章 時代は「超微細化」へ

  • 1-1 新しいフロンティアを切り開く「超微細技術」
  • 1-2 10億分の1の世界へようこそ
  • 1-3 ナノテクの歴史
  • 1-4 分子,原子─物質を形づくる基本部品─
  • 1-5 光─ナノの世界と深く関わるエネルギーの形─
  • 1-6 トップダウンとボトムアップ

第2章 微細な世界ではこんな事が起こっている

  • 2-1 ミリからマイクロ,ナノへ
  • 2-2 コロイド─ナノサイズの粒子が分散─
  • 2-3 色と光の七変化
  • 2-4 結晶のサイズ次第で強さが変わる
  • 2-5 磁石としての性質もナノ化で強く
  • 2-6 ポリマー,繊維もナノレベルの制御でより強くしなやかに
  • 2-7 原子や分子に働くさまざまな力
  • 2-8 ナノ構造の制御で熱を遮断
  • 2-9 波と粒,アナログとデジタル─量子効果─

第3章 自然・生物に学ぶナノテク─古来からのお手本─

  • 3-1 条件を整えれば,自然に秩序を作り出す─自己組織化─
  • 3-2 生体が作るあらゆるもの,現象を情報化しているDNA
  • 3-3 生物の中の多彩なナノ構造

第4章 微細な世界をのぞく─ナノテクを支えるのに欠かせない,ナノを見る技術,操作する技術

  • 4-1 光で見る─光学顕微鏡─
  • 4-2 微細な穴からにじみ出る“光のしずく”─近接場光─
  • 4-3 レントゲン写真でおなじみ,透過力が強いX線
  • 4-4 もっと強い光のビーム─放射光─
  • 4-5 光の代わりに電子を使い原子を観察

第5章 ナノの世界を操る

  • 5-1 光で微粒子をつかまえ,動かす─光ピンセット─
  • 5-2 原子を弾き飛ばすナノの彫刻刀─集束イオンビーム─
  • 5-3 ナノ粒子をつくる
  • 5-4 表面を加工する

第6章 ナノエレクトロニクス

  • 6-1 ムーアの法則は越えられるか
  • 6-2 ハードディスク─磁気記録の限界に挑戦─
  • 6-3 メモリー
  • 6-4 ディスプレー
  • 6-5 光ディスクの読み取り,書き込みに欠かせない半導体レーザー

第7章 出番を待つ最先端技術

  • 7-1 炭素のサッカーボール─フラーレン─
  • 7-2 炭素の微細管─カーボンナノチューブ─
  • 7-3 エネルギーを生み出す
  • 7-4 生命の仕組みを応用した分子機械
  • 7-5 ナノマテリアルは人体や環境に安全か

著者プロフィール

吉田典之(よしだのりゆき)

1964年生まれ。名古屋大学理学部物理学科卒。1991年読売新聞社入社。山梨県甲府支局,メディア企画局開発部を経て,1997年から東京本社科学部に配属し現在に至る。宇宙,物理,情報通信,ナノテクノロジー,ロボットなどの分野を担当。著者に『トロンが拓くユビキタスの世界』『ロボットもの知り百科』(以上,電波新聞社),『「すばる」が探る宇宙のはて』(PHP研究所)など。