ぐっと身近に人がわかる 正しく知る不安障害 ~不安を理解し怖れを手放す~
- 水島広子 著
- 定価
- 1,628円(本体1,480円+税10%)
- 発売日
- 2010.9.3
- 判型
- 四六
- 頁数
- 184ページ
- ISBN
- 978-4-7741-4350-7
サポート情報
概要
対人恐怖症やパニック障害といった言葉を頻繁に耳にするようになりました。より複雑化しデジタル化された現在社会の中で、多くの人がなんらかのストレスを心に抱えるようになったためといわれています。本書では、一般に不安障害と呼ばれている多くの心の病について実例を紹介し、それを引き起こす要因、それを自覚する術、対処方法、治療や克服といったことを、周囲の対応方法なども含めて、一般の人にわかりやすく解説します。
こんな方にオススメ
- 欝とまではいかないがなんとなく日々不安を感じている人
- 身近に不安障害になっている人がいる人
目次
はじめに 不安障害へのコントロール感覚を身につけよう
第1章 不安とは何か
- 不安は何のためにあるのか
- 解決すべき不安と
- パーソナリティと不安
- 不安のさまざまな表現型
第2章 不安障害とは何か
- 不安障害という病気
- なぜ不安障害になるのか
- 不安障害を維持する悪循環
- 不安障害の治療
第3章 不安と身体
- 不安のときに身体に起こること
- パニック障害
- 呼吸に注目して身体感覚をコントロールする
- 身体からのメッセージを受け止める
- 不安に強い身体作り
第4章 不安と対人関係
- 対人関係に対する不安
- 社交不安障害
- 社交不安障害を維持する悪循環
- 不安をコントロールするコミュニケーション
- 相手の事情を考える
第5章 不安と認知
- 不安の時に頭の中で起こっていること
- 認知療法
- バイロン・ケイティの「ワーク」
第6章 不安と行動
- 不安と回避の悪循環
- 強迫性障害
- 行動療法
第7章 不安とトラウマ
- PTSDは不安障害
- トラウマによる離断をつなぐ
- 人との関係の中でトラウマを位置づける
第8章 身近な人との不安とのつきあい方
- 不安障害の人に接する基本姿勢
- 「治療者」ではなく「支え役」を引き受ける
- 身近な人がパニック発作を起こしたら
- 「怒り」という名の不安に対処する
- 不安の土俵に乗らない
第9章 怖れを手放す
- 不安を単なる感情に戻す
- 現在に生きる
- 自分の歩みにコントロール感覚を持つ
- 不安障害から学ぶ
プロフィール
水島広子
慶應義塾大学医学部卒業・同大学院修了(医学博士)。慶應義塾大学医学部精神神経科勤務を経て、現在は対人関係療法専門クリニック院長、慶應義塾大学医学部非常勤講師(精神神経科)。2000 年6 月~ 2005 年8 月、衆議院議員として児童虐待防止法の抜本改正などに取り組む。日本における対人関係療法の第一人者。
主な著書に『対人関係療法でなおす うつ病』『対人関係療法でなおす 社交不安障害』『対人関係療法でなおす 双極性障害』(いずれも創元社)、『怖れを手放す ― アティテューディナル・ヒーリング入門ワークショップ』(星和書店)、『拒食症・過食症を対人関係療法で治す』(紀伊國屋書店)、『摂食障害の不安に向き合う ― 対人関係療法によるアプローチ』(岩崎学術出版社)など多数、訳書に『探すのをやめたとき愛は見つかる』『グループ対人関係療法』(いずれも創元社)などがある。
ホームページ:http://www.hirokom.org/
著者の一言
本書は、不安障害という病気に焦点を当てながらも、正常な不安と病的な不安の連続性を考慮に入れ、「病気というわけでもない」レベルの不安についても考えていきます。ですから、不安障害をお持ちの患者さんのみならず、自らの不安傾向が気になっている方、また、身近なところに不安の強い人がいて、どう接したらよいかわからずに困っている、という方のお役にも立つと思います。さらに、不安という、人間に備わった感情をどのように考えてみたらよいのか、という関心をお持ちの方にもご参考になれば幸いです。