しくみ図解シリーズ電気自動車が一番わかる

[表紙]電気自動車が一番わかる

紙版発売

A5判/192ページ

定価2,178円(本体1,980円+税10%)

ISBN 978-4-7741-4769-7

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書籍の概要

この本の概要

電気自動車は電力でモーターを回すため,ガソリンを使わず,CO2を一切排出しないため,排気ガス規制や温暖化対策に高い効果が見込まれ,またガソリン車より燃費がずっとよいというメリットがあります。2011年は,国内外の自動車メーカーをはじめ,電気メーカーや学術団体が本格的な活動をスタートする,まさに電気自動車元年と呼べる年です。そこで電気自動車を技術面から図解し,各社各国の状況を踏まえてわかりやすく解説します。

こんな方におすすめ

  • 自動車業界に関わる人
  • および関係企業に進もうとしている学生
  • 電気自動車に興味のある人
  • および電気自動車のしくみをある程度理解したい人

著者の一言

家電品なら中身を知らなくてもスイッチを入れればなんとかなりますが,自動車はそうはいきません。ドライバーがいろいろ操作しなければ動きませんし,運転には常に危険が伴うからです。したがって,ある程度の知識は必要になります。

本書は電気自動車に関する技術や情報を,誰でもわかるように解説しただけでなく,各項目はそれぞれ独立した読みものとしても楽しめるような構成にしてありますので,気軽にページを開いていただいてかまいません。そうしてひとつすつ知識を深めていけば,あなたももう電気自動車時代の住民になっているはずです。

本書のサンプル

本書の一部ページを,PDFで確認することができます。

目次

1章 電気自動車の基礎知識

  • 1 古くて新しい電機自動車
  • 2 なぜ初期の電気自動車はガソリン車に敗れたのか?
  • 3 そんな電気自動車が復活してきた理由
  • 4 時代を変えた2 つの新電池は切磋琢磨するライバル
  • 5 電気自動車はなぜ環境にやさしい?
  • 6 コンピュータの進歩が電気自動車を有利にする
  • 7 まだまだある,電気自動車の魅力

2章 ハイブリッドカーの仕組み

  • 1 エンジンとモーターの二刀流
  • 2 ハイブリッドカーには3種類ある
  • 3 ハイブリッド車の2大メーカー比較:トヨタ
  • 4 プリウスの燃費向上に貢献したアトキンソンサイクル
  • 5 ハイブリッド車の2大メーカー比較:ホンダ
  • 6 ハイブリッド車は,なぜ燃費がいいのか?
  • 7 トヨタとホンダ以外のメーカーもハイブリッド車を生産していた
  • 8 もっと電気自動車に近づいたプラグインハイブリッド車

3章 電気自動車の仕組みと技術

  • 1 とりあえず電気自動車のカタログを読んでみよう
  • 2 電気自動車の心臓部,モーターの原理
  • 3 モーターの整流子をなくしてしまおう!
  • 4 レアアース問題が電気自動車のモーターを変える?
  • 5 電気自動車の航続距離はどこまで伸びるか?
  • 6 充電時間だけは短くならない
  • 7 急速充電の標準化方式「茶でも」
  • 8 電気自動車のアクセルを踏むと何が起きる?
  • 9 未来の電気自動車は?

4章 電気自動車のメーカー

  • 1 トヨタ自動車 ハイブリッドから電気自動車までのオールラウンダー
  • 2 日産自動車 世界市場で電気自動車のトップメーカーを目指す
  • 3 本田技研工業 ハイブリッド車,燃料電池車でEVの技術を蓄積
  • 4 三菱自動車工業 電気自動車専用の統合制御システム「MiEV OS」を開発
  • 5 その他の日本メーカー 技術開発は進めているものの製品化は検討中
  • 6 米国メーカー 動きの遅い大手メーカーと新興メーカーに二分
  • 7 欧州メーカー 低公害型ディーゼル車と電気自動車の二本立て
  • 8 韓国メーカー アメリカと日本の二大市場をねらって開発を進める
  • 9 中国メーカー 国家戦略として電気自動車の開発を進める
  • 10 電気二輪車メーカー 大手から新興メーカーまで参入する激戦市場に
  • 11 自作EV&日本のEV ベンチャー企業 電気自動車も電気自動車メーカーも自分でつくれる

5章 電気自動車の普及と関連ビジネス

  • 1 自動車部品メーカーの勢力図が変わる?
  • 2 キーパーツである電池とモーターをどこでつくるか?
  • 3 電気自動車時代に成長する新たなインフラ産業
  • 4 家庭用充電装置の市場を試算する
  • 5 充電の手間を省くレンタル&カーシェアリング
  • 6 電気自動車が「F1」に登場する日

6章 電気自動車の将来を占う

  • 1 自動車の世界市場はどのくらいの大きさか
  • 2 日本の自動車のうちどのくらいが電気自動車になる?
  • 3 電気自動車に乗るのにいくらかかる?
  • 4 バッテリーは交換しないでいいの?
  • 5 充電時間の問題はどうやって解決する?
  • 6 安定生産,安定供給は可能なのか?
  • 7 ライフサイクル全体における環境負荷が問題だ
  • 8 電気自動車は全世界を市場にできるのか?

7章 電気自動車の次世代技術

  • 1 キャパシタ+ワイヤレス充電 未来の電気自動車は充電しながら走る
  • 2 太陽電池の性能向上と自動車 太陽光で走るソーラー電気自動車はできる?
  • 3 ドライブ・バイ・ワイヤ 自動車からハンドルが消えるかもしれない
  • 4 自動運転システム いっそのことドライバーもなくしてしまおう!
  • 5 モーダルシフトとの連動 自動車と鉄道のボーダーがあいまいになっていく

著者プロフィール

石川憲二(いしかわけんじ)

科学技術ジャーナリスト,作家,編集者

1958年東京生まれ。東京理科大学理学部卒業。週刊誌記者を経てフリーランスのライター&編集者に。書籍や雑誌記事の制作および小説の執筆を行っているほか,25年以上にわたって企業や研究機関を取材し,技術やビジネスに関する解説を書き続けている。扱ってきた科学技術領域は,電気・電子,機械,自動車,航空・宇宙,船舶,材料,化学,コンピュータ,通信,システム,ロボット,エネルギー,生産技術,知的財産など。著書に『自然エネルギーの可能性と限界』『エコカーの技術と未来』『マンガでわかる量子力学』(オーム社)『学習漫画世界の伝記NEXT安藤百福』(集英社) など。