知りたい!サイエンス イラストレーテッドシリーズヒッグス粒子と素粒子の世界

[表紙]ヒッグス粒子と素粒子の世界

紙版発売
電子版発売

四六判/224ページ

定価1,958円(本体1,780円+税10%)

ISBN 978-4-7741-5570-8

電子版

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書籍の概要

この本の概要

2012年7月「ヒッグス粒子」の発見が世界中のメディアのトップニュースで報じられました。いったいヒッグス粒子とは何で,なぜその発見が世界的ニュースなのか?本書は,ヒッグス粒子を発見した史上最大の科学実験を,現場の多数の写真と解説によって描き出し,その発見ストーリーに迫ります。そして過去1世紀以上にわたり“神の粒子”を含め,究極の物質と宇宙の根源を追い求めてきた「素粒子物理学の世界」を,専門知識なしで読めるよう100~200点の写真・図版を使ってドキュメンタリー的に解説します。一般読者向けでありながら専門的にも最新かつ十分な内容とし,読み応えがあります。

こんな方におすすめ

  • 素粒子物理学の世界や重力の謎について興味を持っている方

目次

パート1 巻頭スペシャル

  • ついに姿を現した幻のヒッグス粒子?

パート2 ヒッグス粒子Q&QA

  • Q1 ヒッグス粒子とは何か?
  • Q2 なぜヒッグス粒子を探さねばならないのか?
  • Q3 ヒッグス粒子とヒッグスボソンはどう違うのか?
  • Q4 ヒッグス粒子は容易に見つからないのか?
  • Q5 ヒッグス粒子は崩壊して何になるのか?
  • Q6 ヒッグス粒子発見にはどんな証拠が必要か?
  • Q7 どうやってヒッグス粒子を生み出すのか?
  • Q8 ヒッグス粒子は本当に発見されたのか?
  • Q9 ヒッグス粒子の発見で素粒子の世界はどこまでわかったのか?
  • Q10 ヒッグス粒子は10年以上前に出現していた?
  • Q11 ヒッグス粒子自身の質量はどこから来るのか?
  • Q12 ヒッグス粒子とは別の粒子の可能性は?
  • Q13 日本はLHCの建造にどんな貢献をしたのか?
  • Q14 ヒッグス粒子以外にも質量を与えるしくみがあるのか?
  • Q15 すべては単なる理論?

パート3 素粒子を見つけるしくみと巨大技術

  • 1 泡箱と霧箱
  • 2 宇宙線観測装置
  • 3 陽子崩壊の観測装置
  • 4 ニュートリノ観測装置
  • 5 モノポール検出器
  • 6 加速器や検出器ができるまで
  • 7 粒子加速器のしくみ
  • 8 粒子検出器のしくみ
  • 9 素粒子の崩壊事象
  • 10 加速器を点検・整備する
  • 11 日本と世界の加速器

パート4 究極の物質と真の素粒子を求めて

  • 1 物質は何からできているか
  • 2 原子の構造を探る
  • 3 失敗した素粒子モデル
  • 4 “パーティクル・ズー”の時代
  • 5 対称性とは何か
  • 6 クォークはだれが発見したのか
  • 7 宇宙からニュートリノが降ってくる
  • 8 謎の解けないニュートリノ
  • 9 空間と時間の「対称性」が破れた?
  • 10 大きく偏っている物質宇宙の不可解
  • 11 こうして生まれた素粒子の標準モデル
  • 12 標準モデルの限界
  • 13 超対称性は見えてきたか?

パート5 宇宙をつくる素粒子

  • 1 宇宙の階層構造を見る
  • 2 素粒子とビッグバン理論
  • 3 宇宙を支配する4つの力
  • 4 大統一理論と陽子崩壊(その1)
  • 5 大統一理論と陽子崩壊(その2)
  • 6 大統一理論はビッグバン理論を救う?
  • 7 大統一理論から生まれた
  • 8 ダークマターとダークエネルギー
  • 9 大統一理論と超ひも理論

著者プロフィール

矢沢潔(やざわきよし)

科学雑誌編集長などを経て1982年より科学情報グループ矢沢サイエンスオフィス(㈱矢沢事務所)代表。内外の科学者・研究者,科学ジャーナリスト,編集者などをネットワーク化し30年あまりにわたり自然科学,医学(人間と動物),エネルギー,経済学,科学哲学などに関する情報執筆活動を続ける。編著書は数十~100冊(記憶不確か)。本書ではパート1,パート2,パート5などを執筆。

新海裕美子(しんかいゆみこ)

東北大学大学院理学研究科(放射化学)修了。1990年より矢沢サイエンスオフィス・スタッフ。科学の全分野とりわけ医学関連の調査・取材と執筆・翻訳のほか全記事の科学的誤謬をチェックする。共著に『正しく知る放射能』『決定版がんのすべてがわかる本』『家族がガンになったときすぐに知りたいQ&A』『よくわかる再生可能エネルギー』『放射能・放射線の問題』(学研マーケティング),『薬は体に何をするか』『自然界をゆるがす「臨界点」の謎』『ノーベル賞の科学』物理学賞編,生理学医学賞編,化学賞編(技術評論社),『始まりの科学』『次元とはなにか』(ソフトバンククリエイティブ),『これ一冊でiPS細胞のすべてがわかる』(青春出版社)など。本書ではパート4,ビジュアルページ解説,用語解説などを執筆。

矢沢サイエンスオフィス

1982年設立の科学情報グループ。代表は矢沢潔。これまでの出版物に「最新科学論シリーズ」37冊,世界の多数のノーベル賞学者などへのインタビュー集『知の巨人』『経済学はいかにして作られたか?』,がんや糖尿病,脳の病気など一般向け医学解説書シリーズ,動物医学解説書シリーズ,『よくわかる再生可能エネルギー』『正しく知る放射能』『放射線・放射能の問題』(いずれも学研マーケティング),『巨大プロジェクト』(講談社),『始まりの科学』『次元とはなにか』(ソフトバンククリエイティブ),『薬は体に何をするか』『地球温暖化は本当か?』『原子力ルネサンス』『NASAから毎日届く驚異の宇宙ナマ情報』『(同)驚異の地球ナマ情報』『ノーベル賞の科学』(全4巻。技術評論社)などがある。