老化とたたかう漢方薬入門
2016年5月28日紙版発売
2016年8月1日電子版発売
関水康彰 著
A5判/320ページ
定価2,398円(本体2,180円+税10%)
ISBN 978-4-7741-8160-8
書籍の概要
この本の概要
漢方は,気・血・水のバランスに基づく自然の摂理に従った医方で,人それぞれの体質と診察所見に,「証」を勘案しながら,一人ひとりにふさわしい治療が施されます。中・高齢者の場合は,生活の不活発から生理学的な不調により,一人で多くの病を抱えたり,あるいは不定愁訴や冷えなどがあるにも関わらず,検査の結果は異常なし,と診断されてしまうこともあります。病気ではない病気状態(未病状態)で悩む人が年々増えているとされます。
本書は,陰陽五行説にのっとって,老化にともなう五臓の変調の解釈と,それに対応する漢方処方を,症状のある体の部位ごとにやさしく解説しています。高齢者のご家族の方にも役立ちます。
こんな方におすすめ
- 漢方薬と老化に興味のある
- アンチエイジングで漢方薬を使いたい人
- 高齢者向けの漢方薬を学びたい人
目次
第一章 中年以降,老化現象はどのように現れるのか?
- 今後も延びる平均寿命
- 加齢と老化の違いは?
- 感覚器・筋肉・骨の変化
- 背骨と組織の変化
- 脳機能の変化
第二章 高齢者の身体的特徴と疾患の特徴とは?
- 20年後の日本は3人に1人が高齢者に?
- 加齢による基礎代謝の低下は病気のもとをつくる?
第三章 漢方での老化の考え方とは?
- 女性は7の倍数,男性は8の倍数」の年齢に変化が起こる根拠とは?
- 生命のエネルギー「先天の気」「後天の気」とは?
- 生体を構成する基本的な要素「気・血・水」とは?
- 漢方薬の使用目標を決める「証」とは?
- 気血水を巡らせる五臓六腑の働きは?
- 自分の体質「虚」「実」タイプを知って確かな漢方薬を選ぶ
第四章 「肝」 症状別適応漢方薬 老化による肝臓・胆道系の疾患
- 肝臓の役割と老化による障害とは?
- 漢方では「肝」をどう考えるのか?
- 肝疾患に有効な処方と禁止処方とは?
- 胆道系疾患に有効な処方とは?
第五章 「心」 症状別適応漢方薬 老化による循環器系疾患
- 循環器系の老化とは?
- 漢方で「心」をどう考えるか?
- 老化による「小腸の病気」と漢方薬(繰り返すイレウスの予防ほか)
- 老化による「脳の病気(認知症)」と漢方薬
- 老化による「脳の病気(老年期うつ病・睡眠障害)」と漢方薬
第六章 脾 症状別適応漢方薬 老化による消化器系疾患
- 漢方では消化器をどうとらえるのか?
- 老化による「食道・胃の病気(逆流性食道炎・胃炎)」と漢方薬
- 老化による「胃の病気(潰瘍)」と漢方薬
- 老化による「膵臓の病気(慢性膵炎)」と漢方薬
- 老化による「生活習慣病」と漢方薬
第七章 肺 症状別適応漢方薬 老化による呼吸器系疾患
- 呼吸器系が老化すると?
- 漢方で「肺」をどう考えるか?
- 老化と大腸の病気①「便秘」の漢方処方
- 老化と大腸の病気②「下痢」の漢方処方
- 老化による「皮毛(皮膚)の疾患」に有効な漢方処方とは?
第八章 腎 症状別適応漢方薬 老化による泌尿器系疾患
- 泌尿器系が老化すると?
- 漢方では「腎」をどう考えるか?
- 老化による膀胱関連の病気と漢方薬
- 老化による骨・関節の病気と痛みを和らげる漢方薬
巻末付録
- 漢方薬を使用するときの大切な知識
- 病名・症状による漢方薬選択の例
- 頻用生薬の効能(主として動物実験に基づく薬理活性)
- 漢方薬索引
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