知りたい!サイエンスシリーズ薬のルーツ”生薬”
―科学的だった薬草の効能―
―科学的だった薬草の効能―
2010年9月1日紙版発売
2013年6月17日電子版発売
関水康彰 著
四六判/240ページ
定価1,738円(本体1,580円+税10%)
ISBN 978-4-7741-4379-8
書籍の概要
この本の概要
身近な植物の中には,体にいい影響を与える「薬効」をもつものがあります。昔の人は,これをよく心得ていて,日常生活にうまく取り入れてきました。「薬のルーツ」をたどっていくと「植物」に行き着きます。つまり薬は,植物が自分の身を守るために作り出したものなのです。そして薬が効くのは,植物がもつ成分が人間の生理活性物質と同じ構造であるからです。
残念なことに,現代人でその「薬効」をきちんと理解している人はほとんどいません。そこで本書では,植物がもつ,「毒」にも「薬」にもなる不思議な薬効や,驚きの成分をわかりやすく解説していきます。
こんな方におすすめ
- 毒・薬に興味のある人
- 生薬に興味のある人
- 身近な植物(果実・野菜・草木)のもつ薬効に興味のある人
- 漢方薬に興味のある人
目次
第一章 植物の毒と薬
魔女は,なぜ箒に跨またがって空を飛ぶのか?
- 魔女狩りの狂気の演出家?「ベラドンナ」/「正常」の壁を越えて「異常」の世界へ行く?/
- 「ベニテングタケ」は,シャーマンをハイにする?/植物の毒が薬開発の出発点?/
- アメリカ原住民は「サボテン」でトリップした?/麻酔薬のルーツは,かつてのコカコーラの原料?/江戸時代の医師・華岡青州が使った麻酔薬とは?/「モルヒネ」は,薬か?毒か?/
- 鎮痛剤「アスピリン」のルーツは?/「タミフル」の原料は,有名な中華食材?/
- アルコールと麻薬の類似性とは?/病気になるのは,なぜ?
第二章 植物と薬学の歴史
薬の歴史は生薬(薬草)発見の歴史
- 古代エジプトやローマ時代の医療と薬/アラビア時代は,世界初の薬局が誕生し,加工技術の発達で薬も進歩/
- アルカロイド(植物毒)の抽出が近代薬学を発展/朝鮮や中国の医方,本草を取り入れた日本の医療/
- 中国の医方や本草を土台にした日本独自の「古方医学」/現代医学と漢方医学の大きな違いとは?
第三章 植物の生存戦略と薬の接点
植物の自己防衛物質が薬のルーツ?
- 植物が自然界で生き抜くための知恵とは?/植物の栄養戦略と防御・生長戦略とは?/
- どのようにして,薬は発見されてきたか?/薬につながる成分や物質が作られるルートは?/
- 多くの人を苦痛から解放した抗喘息薬とは?/植物毒のアルカロイドから発見された抗がん剤や認知症改善薬とは?/
- 高血圧薬の嚆矢(はじまり)と言われる成分とは?/栄養成分の摂取だけではない,植物を食べる効用とは?/
- 便秘の苦しみから生み出された下剤とは?
第四章 植物と成分および効用
医食同源は植物がもたらす自然のちから
- 野菜のちからが人間の健康を守る
- ○アブラナ科/○ネギ属(ユリ科)/○セリ科/○ショウガ科/
- ○ツバキ科/○マメ科/○ヤマノイモ科/○パイナップル科
第五章 植物と薬の本質
植物が作り出した物質が,なぜ,薬として作用するのか?
- 神経をもたない植物も,動物の神経伝達物質を作っていた?/薬の力が正しく発揮されるときとは?/
- 薬は,どこに,どう作用するのか?/植物の生き方から得られるヒントとは?
第六章 植物と漢方
自然治癒力を高め,身体全体のバランスを整える複合薬とは?
- 現代医学と異なる漢方の診断法とは?/生体の基本メディア「気・血・水」の異常に用いる生薬は?/
- 漢方薬の二大処方とは?/生薬の味は,効能を表す?
巻末資料 主な種子植物とその薬用成分
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