【改訂新版】良いウェブサービスを支える「利用規約」の作り方
2019年4月12日紙版発売
2019年4月5日電子版発売
雨宮美季,片岡玄一,橋詰卓司 著
A5判/256ページ
定価2,618円(本体2,380円+税10%)
ISBN 978-4-297-10326-2
ただいま弊社在庫はございません。
書籍の概要
この本の概要
好評を博した本書が大幅リニューアル!
「安全」で「円滑」なウェブサービス運営のためのガイドブック。
ウェブサービスに欠かせない「利用規約」「プライバシーポリシー」「特定商取引法に基づく表示」の3大ドキュメント。リリース時には「どうせ誰も読んでないし」「大手サイトをまるごとパクろう」「免責しておけばいいや」……などと思っていませんか? いえいえ,規約の中身はサービスそのもの。作りこめば作りこむほど,あなたのサービスやアプリの質は高まるのです。
2013年発売以来,好評を博した本書が大幅リニューアル。民法・個人情報保護法などの法改正対応,新たなCtoCサービスにおける決済の解説etc., 最新動向をふまえてアップデート。
改良版ひな形と英文訳の掲載,さらにダウンロードサービスまで「役立つ」「使える」大充実の1冊です。
改訂のポイント
- 民法や個人情報保護法といった初版の出版後に行われたウェブサービスに関する法改正への対応
- CtoCサービスにおいて決済サービスを提供する際の注意点
- 昨今の動向に合わせた利用規約・プライバシーポリシー・特定商取引法に基づく表示のひな形の修正
- 利用規約・プライバシーポリシーのひな形英文訳のブラッシュアップ
こんな方におすすめ
- Webサービスの企画・開発・運営に携わるプロデューサー,ディレクター,エンジニア
- ECサイト担当者
- 個人の通販サイト運営者など
著者の一言
改訂版によせて
本書『良いウェブサービスを支える「利用規約」の作り方』の初版が発行されてから6年間が経過しました。この間,民法,消費者契約法,個人情報保護法などの法律が改正されるとともに,フリマや動画配信などのCtoC サービスが大きく発展し,ウェブサービスを取り巻く環境は大きく変化しました。
これに伴い,事例に古さを感じてしまう点や,読者の最新のニーズに十分に応えきれていない点が気になるようになってきました。
そこで,初版を全面的に見直し,よりわかりやすい記載になるよう手を加え,事例や参照資料を新しいものに差し替えるとともに,以下の項目について追記・変更を行いました。
- 民法や個人情報保護法といった初版の出版後に行われたウェブサービスに関する法改正への対応
- CtoCサービスにおいて決済サービスを提供する際の注意点
- 昨今の動向に合わせた利用規約・プライバシーポリシー・特定商取引法に基づく表示のひな形の修正
- 利用規約・プライバシーポリシーのひな形英文訳のブラッシュアップ
改訂にあたっては,エンジニアや経営者のためのガイドブックという初版の意図を崩さないよう,細かい論点には過度に踏み込まず,かつウェブサービスを運営するために必要な知識を網羅的に把握できるように意識しました。
すでに初版をお読みいただいた方にとっても,改訂版で初めて本書に触れる方にとっても有用な一冊に仕上がったと思いますので,ぜひお手にとっていただければ幸いです。
目次
はじめに
第1章 3大ドキュメント超入門
- 01 5つの疑問から読み解く「利用規約」ホントのところ
- 1 なぜユーザーに読まれないのか?
- 2 読まれないのに,なぜ必要なのか?
- 3 都合のいい内容にしてしまって大丈夫なのか?
- 4 適当に作っていいのか?
- 5 どのくらいのレベルで,同意をもらえればいいのか?
- 02 最低限おさえておくべき「プライバシーポリシー」のポイント
- プライバシーポリシーの2つの役割とは
- プライバシー=個人情報?
- 対象となるのはどんな情報?
- 利用目的は具体的に特定し,明示しなければならない
- 委託先への開示も明示しておく
- 個人情報を共同利用するときに配慮すべきこと
- 外国にある第三者への提供に要注意
- 開示請求等はどう扱えばいいか
- どこに設置すればいいか
- Column 匿名加工情報についてプライバシーポリシーに規定する必要性
- 03 通信販売に不可欠な「特定商取引法に基づく表示」
- 「広告を行う際に表示すべき項目」なのにウェブサービスで対応が求められる理由
- 表示が求められる11の事項
- じつは通信販売にはクーリングオフがない
第2章 トラブルを回避するための注意点と対処法
- Prologue ある起業家から弁護士への相談
- 01 規制とうまくつきあうには
- ビジネスを潰さず,最小限のリソースで対応するための考え方
- ウェブサービスの7つの類型からわかる関連規制
- もしも規制に抵触するかもしれないことがわかったら
- 規制の適用を過度に恐れない
- 02 戦う土俵は「日本」とは限らない ~準拠法と裁判管轄の合意
- 世界を相手にできるウェブサービスならではの問題が
- トラブルを予防するためにおさえておくべき2つのポイント
- 「モノ」を売買するサービスで注意しなければならないこと
- Column 日本以外の国ではサービスが違法になる可能性もある
- 03 そのサービス名,使って大丈夫ですか? ~商標権の侵害
- 人の商標権を侵害するとどうなるのか?
- 商標権を侵害しないサービス名をつけるには
- 後出しじゃんけんに負けることも
- 04 ユーザーがコンテンツをアップする場合の「権利処理」
- 「 勝手に使うな,改変するな!」と言われないために
- コンテンツの権利関係5つのパターン
- コンテンツの権利を処理する3つのパターン
- どのパターンでも「著作者人格権」のケアが必要
- Column 譲渡のパターンで「著作権法第27 条及び第28 条に定める権利を含みます」を入れる理由
- 05 契約を成立させるための「同意」の取り方
- 同意を得ないと契約が成立しない
- クリックにできる限り「重み」を持たせる
- 「同意したくないユーザーに拒否権を与える」方法も
- 利用規約への同意取得5つのパターン
- 過去のバージョンもすぐに確認できるようにしておく
- Column 変更同意はライトな感覚で考えられている
- Column 利用規約の取り扱いに関する規定が民法に追加される
- 06「 権利侵害コンテンツ」にはどう対応するか
- 「ユーザーが勝手にやったこと」ではすまされない
- もしも「発信者情報開示請求書」を受け取ったら
- Column 発信者の情報をできるだけ開示しないほうがいい場合
- 07 禁止事項とペナルティの考え方 ~最も登板機会の多い「エース」
- “ユーザー対応の工数を削減する”ためにも有用
- 「 ちょうどいいペナルティ」は3段階で考える
- 「当社がNGと判断した場合」は入れておこう
- Column 同業他社の禁止事項に学ぶ
- 08 課金サービスでは「契約関係」の整理・把握が不可欠
- だれに対して,どのようなウェブサービスを提供しなければならないのか
- だれからお金を支払ってもらうのか
- 契約関係を図に落としてみると
- いざユーザーがサービス提供の対価を支払ってくれなかった場合に,だれが督促して回収ができるのか
- 09 ウェブサービス事業者に有利すぎる条件は危ない ~免責と消費者保護
- 「一切責任は負いません」は無効になる可能性あり
- 消費者を保護する法律はたくさんある
- Column クレーム対応と契約無効のあいだ
- 10 ポイントの有効活用 ~資金決済法の前払式支払手段の規制
- ポイント制度の仕組みと制約
- 「有効期限は180日以内」と定めていることが多い理由
- 「自家型」と「第三者」に分けて規制が定められる
- 負わなければならない4つの義務
- 11 CtoCサービスにおけるプラットフォーム運営者の落とし穴
- CtoCサービスにおける問題点
- 為替取引の定義と運営者の対応
- プラットフォーム運営者が決済サービスも提供する仕組み
- 12 プラットフォームの利用・運営にまつわるリスク
- プラットフォームの規約の3つの特徴
- 企画するときは「独占禁止」に注意
- プラットフォーム規制の3つの事例
- 13 未成年者による利用と課金
- 多額の請求が来てはじめて気づく親は少なくない
- 課金スタンスと年齢認証の方法を考える
- 未成年者取消に応じなくていい場合とは
- 返金にあたっては,慎重な確認プロセスを
- 成年年齢の引き下げ
- 14 ユーザーのウェブ上の行動履歴は,どこまで利用していいか
- 個人情報を無断で利用してはいけないことはだれでも知っている……けれど
- 個人情報の範囲はあいまいで,しかも広く解釈される可能性が
- 個人情報に該当しない情報も自由に利用できるわけではない
- 結局,行動履歴を利用するにはどうすればいいの?
- Column GDPR 対応とプライバシーポリシー
- 15 ウェブ上での広告・マーケティングに対する規制
- 媒体審査なしで世の中に広告を出せてしまう怖さ
- おさえておくべき9つの法規
- 16 広告メールを送付する際に注意すべきこと
- 広告メールの送付にまつわる2つの規制
- 「事前の同意」をどのように取得すればいいか
- 総務省と経済産業省のガイドラインもチェック
- 役に立たない利用規約を生み出す「5つの落とし穴」
- 1 実効性の落とし穴
- 2 違法性の落とし穴
- 3 炎上の落とし穴
- 4 正確性/読みやすさの落とし穴
- 5 同意取得の落とし穴
第3章 すぐに使えて応用できるひな形
- 利用規約のひな形
- プライバシーポリシーのひな形
- 特定商取引法に基づく表示のひな形
- 一人で考えこむよりも,まわりを巻き込む
- 弁護士・法務担当者の3つのホンネ
- 利用規約の限界を乗り越えるための「Kiyaku by Design」
おわりに 心に残る不安を解消するには
特別付録 ひな形英文訳
この本に関連する書籍
-
60分でわかる! 改正個人情報保護法 超入門
令和2年改正個人情報保護法の全面施行が令和4年4月となり,その内容について,個人情報の利活用を行うすべての企業や個人に理解が求められています。本書は,法律家では...
-
アプリビジネス成功への法務戦略 -開発・リリース・運用に必要な法律知識-
App StoreやGoogle Playといったアプリマーケットの発達により,ベンチャー企業のような独自のチャネルを持たない企業でも,全国・全世界に向けてアプリをリリースする...