図解即戦力シリーズ図解即戦力
リース業界のしくみとビジネスがこれ1冊でしっかりわかる教科書
2020年5月25日紙版発売
2020年5月25日電子版発売
カデナクリエイト 著
A5判/224ページ
定価1,760円(本体1,600円+税10%)
ISBN 978-4-297-11243-1
書籍の概要
この本の概要
本書は,リース業界に入社したばかりの新人や採用を目指す学生,リース業界と関わりを持つパートナー企業やクライアントを対象に,リース業界の儲けの仕組みと業界の全体像,具体的な仕事の内容を1冊にまとめた書籍です。リースというと,一般には複合機のようなオフィス機器が思い浮かびますが,実は,建設機器や飛行機,医療機器など,幅広い業種を対象にリース業務は行われています。顧客に資金を貸す代わりに,物件を購入してそれを貸し出すリースのビジネスモデルは,いわば一種の金融業であるともいえます。こうしたリース業界は,現在,激変のときを迎えています。リース取引に対する会計基準が変更され,これまで資産としてみられなかった船舶,飛行機,倉庫などにも,バランスシートへの記載が義務づけられようとしているのです。そうなれば,リースの会計上のメリット,事務効率のメリットが薄れ,業界に大きな損失を生む可能性があります。本書は,いろいろな意味で注目を集めるリース業界の現在と将来を,1冊で見通せる教科書です。
こんな方におすすめ
- リース業界の新人/リース業界のパートナー企業/リース業界を志望する大学生
目次
- はじめに
Chapter 1
リース業界の最新動向
- 01 リース業界に大きな変化が起こりつつある
- 国際会計基準の変更とリース業界
- 02 リースの会計基準が変更された理由
- 時価会計と取得原価主義会計
- 03 国によって異なるリースの位置づけ
- リースは欧米では金融業 日本ではサービス業
- 04 グローバル化により世界と日本の差がなくなった
- グローバル化と会計基準
- 05 企業の規模によって変わるルール
- 中小企業の会計処理
- 06 ビジネスモデルの見直しも
- ファイナンス・リース離れの本当の理由
- 07 実のところ,どこがどうなる?
- 会計基準が変わるとリースはどうなるのか?
- COLUMN 1 銀行本体がリース業務に進出
Chapter 2
リースの基本
- 01 誰かの代わりに買って「貸す」
- あらゆる業界が関わるリースの仕組み
- 02 リースには2つの種類がある
- ファイナンス・リースとオペレーティング・リース
- 03 意外と知らないリースとレンタルの違い
- リースとレンタルの違いとは?
- 04 1952 年,世界初のリース会社が誕生
- アメリカから始まったリースの歴史
- 05 銀行やノンバンクと並ぶ金融サービス
- リースは金融サービスの1つとして発展した
- 06 日本の成長はリースがあと押し
- 日本経済の高度成長を支えたリース業界
- 07 「売った」あとでも「使える」とは?
- リースバックという仕組み
- 08 高額なモノこそリース向き
- リースに向く物件,向かない物件
- 09 投資の悩みをリースで解決
- リース導入のメリット①資金繰りの改善
- 10 仕事のムダをリースで削る
- リース導入のメリット②事務手続きが簡素化できる
- 11 目立たないけど大きなメリット
- リース導入のメリット③設備の廃棄が簡便に
- COLUMN 2 リースのデメリット
Chapter 3
リースのビジネスモデル
- 01 リース会社はどのようにして稼ぐのか?
- リース会社の収益源は手数料
- 02 リース料には何が含まれる?
- リース料の内訳
- 03 リース取引の形を見てみよう
- リースの申し込みから終了までの流れ
- 04 リース会社は,なぜリスクを負えるのか?
- 無担保で契約するリース会社の与信管理力
- 05 「もしも」の時はどうするのか?
- リース料返済が滞った場合
- 06 リース物件が壊れた時はどうする?
- 修理の責任者はサプライヤー
- 07 貸し倒れた時の策として…
- 連帯保証でリスクヘッジ
- 08 リース期間が満了した際の別れ道
- 再リースと契約終了
- 09 リース物件の再利用に力を入れる
- リース期間終了後のモノの流れ
- 10 リース会社が持っている幅広いノウハウを活かす
- 助成金をうまく活用する
- 11 リース会社はリース物件をどのように買っているのか?
- 多様化する資金調達の方法
- COLUMN 3 リース物件にかけられる「動産保険」
Chapter 4
リースが利用される業界
- 01 通勤電車からコンビニ,空の上まで
- リースが利用されている場
- 02 コピー機やFAX にリースが多い理由
- リースのイメージを定着させたオフィス機器業界
- 03 必要な時に使いたいモノをリースする
- 必要な時だけ建機を使う建設業界
- 04 モノ作りとリースの蜜月
- リースの歴史を作ってきた製造業
- 05 航空機の4 割がリース物件
- 航空機リースはオペレーティング・リースの主役
- 06 これからも伸びる成長分野
- リース無しでは成り立たない医療業界
- 07 風車も,パネルも,水素カーもリース
- プロジェクト全体をリースにする再生可能エネルギー事業
- 08 リースがもっとも伸びている分野の1つ
- コスト削減の効果を狙う官公庁リース
- 09 会社によって料金の差が大きい
- メンテナンス・リースが魅力の運輸業界
- 10 新たな市場を求めて…
- 海外リース会社のM&Aで強みを強化
- COLUMN 4 サブリースは怖いのか?
Chapter 5
リース業界から生まれたサービス
- 01 リース会社で新規事業が生まれやすい理由
- 顧客との長期的な関係から多彩なビジネスが生まれる
- 02 IT導入におけるリース会社の強み
- リース+αで社会価値を作る
- 03 異業種とのコラボレーションで活気づく
- フィンテックへの取り組み
- 04 多くのリース会社が参入中
- 期待の大きい省エネ施設(ESCO)事業
- 05 手間のかかる集金作業をリース会社が代行
- 集金代行サービス
- 06 働いた分を好きな時に
- 早期資金化サービス
- 07 公共施設はリースにおまかせ
- リースと相性がいいPFI
- 08 成長著しい新興国を販売金融でフォロー
- 海外展開をサポートする国際販売金融
- 09 リース物件の再利用が新事業に結びつく
- リユース・リサイクルのノウハウがビジネスに
- 10 気に入ればリースで本格導入
- レンタルで広がるロボット派遣
- COLUMN 5 AI(人工知能)とリース業界
Chapter 6
リース会社の仕事と組織
- 01 新人が配属される部署No.1
- リース会社の仕事①エリア営業
- 02 1つの業界についての深い知見を活かす
- リース会社の仕事②専門営業
- 03 営業の対象はユーザーだけではない
- リース会社の仕事③サプライヤー営業
- 04 グローバルなビジネス展開を支える
- リース会社の仕事④海外営業
- 05 ユーザーの与信を見極める
- リース会社の仕事⑤審査部
- 06 自社の情報を広く内外に伝える
- リース会社の仕事⑥広報部
- 07 調達と運用の2 本柱
- リース会社の仕事⑦財務部
- 08 リース契約に関するトラブルを解決する
- リース会社の仕事⑧法務部
- 09 3 年後の会社のすがたを創る
- リース会社の仕事⑨経営企画室
- 10 各部門がそれぞれの強みを活かすことが重要
- リース会社の組織と協力体制
- COLUMN 6 就活と配属の間にあるギャップ
Chapter 7
リース業界地図
- 01 日本の主なリース会社は200 社以上
- 数字で見るリース業界
- 02 なぜ取扱高が連動しなくなったのか?
- 民間設備投資に占めるリース設備投資額の変化
- 03 1963 年,日本リース・インターナショナルが設立された
- リース会社のルーツとは?
- 04 リースの仕組みを販促に利用
- メーカーをルーツとするリース会社
- 05 金融機関による賃貸支援が選択肢の1 つ
- 金融機関をルーツとするリース会社
- 06 リースとの親和性が高い商社のビジネス
- 商社などをルーツとするリース会社
- 07 「やめる」のではなく「進化する」こと
- 脱リースの動きと本当の狙い
- 08 事業の多角化を積極的に進める
- オリックスの金融関連事業は2割だけ
- 09 地方創生のニーズにもフィットした
- 地方銀行によるリース事業の可能性
- 10 専門会社が多い自動車リースの世界
- ユーザーに支持されるオートリース
- 11 新しいつながりにリースの活路を見出す
- リース業界の再編成
- COLUMN 7 銀行の再編とリース会社との関係
Chapter 8
リースに関連する法律・会計
- 01 銀行法の規制が生き残りのネックに?
- 銀行法とリース
- 02 何年リースするのが得なのか?
- 減価償却とリース期間
- 03 リースを「オン」するということ
- オンバランスとオフバランス
- 04 あらためてリース会計のルールを知る
- 4種類ある会計基準
- 05 会計基準はこれからどうなるのか?
- リースのオンバランス化が進む?
- 06 リサイクルからクーリングオフまで
- リースに関連したその他の法律
- COLUMN 8 リース会計基準は誰が作るのか?
Chapter 9
リース業界で求められる知識・スキル
- 01 リース業界で仕事をする上での必須知識
- 会計知識
- 02 リース税制の正しい知識を身につけておく
- 税務知識
- 03 オペレーティング・リースによって広がった多様な業務を支える
- 法律知識
- 04 多くのスキームをリースとあわせて提供する
- 不動産知識
- 05 資金調達の手段としてリースを考える
- ファイナンスの知識
- 06 ユーザーの課題を見つけて解決策を提案する
- コンサルティング・スキル
- 07 リース会社はあらゆる業界への目くばせが必要
- 担当業界に関する知識
- 08 環境問題への取り組みとしても重要
- 資産管理の知識
- 09 世界から求められるリースを目指す
- 海外進出のスキル
- 10 自然災害,盗難,事故などに備える動産保険の知識
- 動産保険の知識
- COLUMN 9 資格は転職や就職に有利か?
Chapter 10
リース業界の課題と展望
- 01 リース各社が模索を続けている
- リース業界の今後の課題
- 02 これから伸びる市場とは?
- リース業界が狙う4大市場
- 03 かつての日本のような経済成長を求めて──
- 新興国におけるリースの可能性
- 04 付加サービスを大きな強みに
- メンテナンス・リースへの期待
- 05 これから伸びる余地のある分野
- 個人リースの可能性
- 06 新しいリースのスタイルを模索する
- 貸し出し方法の多様化
- 07 むしろ,リースはこれからが面白い!
- リース業界のこれから
- おわりに
- 索引
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