数学への招待
未解決問題から楽しむ数学
~3x+1問題,完全数などを例に~
- 今野紀雄,成松明廣 著
- 定価
- 2,068円(本体1,880円+税10%)
- 発売日
- 2020.10.31
- 判型
- 四六
- 頁数
- 296ページ
- ISBN
- 978-4-297-11667-5 978-4-297-11668-2
概要
数学上の未解決問題を題材に数学を楽しんでみませんか。未解決問題としてリーマン予想やabc予想、P≠NP予想などが有名ですが、あまり有名ではないけれども解けそうで解けない未解決問題や考え始めると意外と面白い問題が数多く存在します。奇数の完全数は存在するのか(偶数の完全数は存在する)、どんな自然数もある操作を繰り返すと1になるというのは本当か?(3x+1問題)などです。
本書はなぜ未解決なのか、解ける可能性はあるのか、その場合のアプローチは何かも併せて考えていきます。さまざまなタイプの未解決問題を考えることは現代数学の現状と未来を知ることにつながります。
こんな方にオススメ
- 数学好きの一般の人、未解決問題に興味がある人、現代数学とは何か知りたい人
目次
- はじめに
第1章 3x+1問題
- 1.1 3x+1問題とは
- 1.2 ウォーミングアップ
- 1.3 増大する数列
- 1.4 セルオートマトン表示
- 1.5 ある特性量の性質
- 1.6 発展編:定理1.5.1の下限の証明
第2章 奇数の完全数は存在するか
- 2.1 約数の和
- 2.2 完全数とは
- 2.3 k倍完全数
- 2.4 オイラーによる関数
- 2.5 発展編:分割関数
第3章 ζ(3)を求めたい
- 3.1 ζ関数とは
- 3.2 ζ(1)の値
- 3.3 発展編:定理3.2.5の証明
- 3.4 ゼータ関数の性質
- 3.5 発展編:定理3.4.1の証明
- 3.6 奇数の場合
- 3.7 ζ(3)の無理数性
- 3.8 発展編:ζ(2)を求める幾つかの手法
第4章 錯確率事象
- 4.1 条件つき確率
- 4.2 ベイズの公式
- 4.3 三囚人問題
- 4.4 モンティ・ホール問題
第5章 四元数多項式の解の公式
- 5.1 四元数の入口
- 5.2 複素数とは
- 5.3 複素数の性質
- 5.4 四元数とは
- 5.5 簡単な性質
- 5.6 多項式
- 5.7 一般の2次方程式の解
- 5.8 一般の多項式
- 5.9 四元数多項式の未解決問題
第6章 確率セルオートマトンの単調性
- 6.1 Domany-Kinzelモデル
- 6.2 対消滅モデル
- 6.3 確率的対消滅モデル
- 6.4 宮本問題とは
- 6.5 確率的対消滅モデルの保存量
- 6.6 確率的境界生成消滅モデル
- 6.7 生存確率の計算
- 6.8 確率的境界生成消滅モデルの保存量
- 参考文献
- 索引
プロフィール
今野紀雄
横浜国立大学大学院工学研究院教授。博士(理学)。東京大学理学部数学科卒業。東京工業大学大学院理工学研究科博士課程単位取得退学。主な研究テーマは、量子ウォーク、無限粒子系、複雑ネットワーク。2018年度日本数学会解析学賞を受賞。著書に『統計学』『微分積分』『数はふしぎ』(サイエンス・アイ新書)、『図解雑学 確率』『図解雑学 確率モデル』『図解雑学 複雑系』(ナツメ社)など多数。雑誌『Newton』(ニュートンプレス)の監修なども務める。
成松明廣
横浜国立大学大学院理工学府博士課程後期在学中。