つい顔色をうかがってしまう私を手放す方法

[表紙]つい顔色をうかがってしまう私を手放す方法

紙版発売
電子版発売

四六判/176ページ

定価1,628円(本体1,480円+税10%)

ISBN 978-4-297-12327-7

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この本の概要

他人に気をつかいすぎて疲れる。
「人の目を気にしない」なんてムリだし,「心を強くする」なんてできない。
嫌な人とは距離を置こうとしてもうまくいかない――

「ライフハック」「仕事術」を駆使して怒られない方法を模索していきながらも問題が解決しなかった著者がたどりついた解決策とは?

人間関係で消耗しないための最終結論,教えます。

イラストは『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』をはじめとした著作で人気の永田カビ氏。

こんな方におすすめ

  • 他人に怒られることに敏感な方
  • 他人に気をつかいすぎて疲れる方
  • 人間関係で消耗しやすい方

著者の一言

「休むのは,甘えです」

そんな厳しいことを言われてはたまったものではない,と多くの人は思うでしょう。

「休むのは甘えかもしれないが,人間は休まないわけにはいかない」
「休むのは甘えではない,権利だ!」

そんなふうに反発したい気持ちが起こったでしょうか?
もし,本書をひととおり読んでもらえたら,冒頭の文章から受ける印象は一変しているはずです。

本書は,最近よく耳にするようになったハイリー・センシティブ・パーソン(以下HSP)や,発達障害と呼ばれる方々など,

「つい人の顔色をうかがってしまう」
「怒られるの怖くて社会生活が難しい」

といった方を対象に書きました。

HSPと,たとえばADHDなどの発達障害は異なる心理現象です。けれども,両者には1つ,特徴的な共通点が見受けられます。それは「怒られる」ということを過剰に恐れている点です。「怒られるのが怖くて社会生活が営めない人」や「他人の顔色をうかがってしまう」人は,たとえHSPでも発達障害でもなくても,本書の読者対象です。

なぜ,怒られることをそこまで過剰に恐れなければならなくなっているのでしょうか? わたしは,その原因を

「甘え」を悪いことだとみなしているから

と考えます。甘えを悪いことだとみなしているから,甘えていると指摘されることが恐ろしいのです。甘えていると思うと,怒られているような気持ちになってしまうのです。

もちろん,甘えをどのくらい,またなぜ悪いこととみなしているかは,人によってちがいます。おもにHSPの人は,「自分が無能力だから甘えさせてほしいが,それは悪いことだ」と考えています。発達障害の人は,「そもそも人間は他人に甘えず,自立して生きていくべきだ」と過剰に考えすぎてしまって,他人とのコミュニケーションがうまくとれないようです。

しかし,どちらの場合にも「甘えている」と指摘されることは耐えがたいのです。

おまえは無能だから,他人に迷惑をかけて甘えているのだ!」と言われるのは,このうえなくつらいことです。
「おまえは人に甘えて油断しているから,つまらないミスばかりするのだ!」と非難されるのは,悔しいことです。

こうしたネガティブな思いをすることが増えてくると,HSPの人などは「わたしは人並みに働けないんだから,休日も出社するべきではないだろうか」などと考えて,気が休まりません。人に嘲笑されて腹立たしいことがあったりするADDの人などは,「リベンジするためにも,もっと能力を高めよう!」などと考えて,休日にもライフハックセミナーに通わなければなりません。だから疲れてしまうのです。

「甘えは悪いことだ」と考えている人にとって,「休むのは甘えです」という指摘は非常に厳しいものです。そういった人は,多くの場合,休日があっても長期休暇を取っても少しも気が休まりません。

本書の最終目的は,読者に「他人の顔色などうかがわなくても済むようになってもらう」ことです。そのためには,「甘えること=悪いこと」という等式を手放してもらう必要があります。甘えることが必ずしも悪いことでなくなれば,「休むことは甘えです」と指摘されたとしても,心にダメージを受けることはなくなるのです。そのころには,身心が必要としている真の休息を心ゆくまで堪能できるようになっています。長期休暇を取らなくても,いつまでも疲れを引きずるようなこともなくなっているでしょう。

「怒られるのが怖いから,どうしても他人の顔色をうかがわずにはいられない」

これを「自分のことだ」と思う人は,先を読んでみてください。心を鍛えたりスルー力を身につけるのとはまた違った処方を,徹底的に検討したのがこの本です。

著者プロフィール

佐々木正悟(ささきしょうご)

心理学ジャーナリスト。専門は認知心理学。1973年北海道旭川市生まれ。1997年獨協大学卒業後,ドコモサービスで派遣社員として働く。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。2005年に帰国。
幼稚園のころから大人の叱責に神経質すぎるところがあり,かくべつ厳しい家庭で育ったわけでもないのに母親の顔色をよくうかがっていた。
成人後も上司や先輩社員などの些細な指摘に耐えられず,組織で働くことを拒否して,心理学を勉強するために渡米する。
帰国後も対人関係への苦手意識から在宅での仕事に中心とし,人前で失敗しないための「ライフハック」を追求し,それを題材とした文章発信で生計を立てる。
本書は「HSP」や「甘え」など,自分の性格の弱さと関係が深そうなテーマを追求し,まとめた内容である。
本書以外の著書に『なぜ,仕事が予定どおりに終わらないのか?』『たった1日で即戦力になるMacの教科書』『iPhone情報整理術』(技術評論社),『スピードハックス』(日本実業出版社),『先送りせずにすぐやる人に変わる方法』(KADOKAWA)などがある。

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