生物ミステリー(生物ミステリーPRO)
こっそり楽しむうんこ化石の世界
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土屋健 著
ロバート・ジェンキンズ 監修
かわさきしゅんいち イラスト - 定価
- 2,420円(本体2,200円+税10%)
- 発売日
- 2022.6.3 2022.5.31
- 判型
- A5
- 頁数
- 240ページ
- ISBN
- 978-4-297-12884-5 978-4-297-12885-2
サポート情報
概要
私たち人間をはじめ、動物たちは、プリプリうんこをします。古生物も、プリプリとうんこをしていました。このプリプリっとされたうんこ、放っておくとどうなると思います?
実は、めちゃくちゃ運がいいうんこは、ウン千万年、ウン億年後まで残ります。そんな悠久の時を経たうんこは、「うんこ化石」として崇め奉られます。
この貴重な「うんこ化石」の魅力をぜひ伝えたい!
そんな思いから誕生したのが、『こっそり楽しむうんこ化石の世界』。いろいろな古生物がプリプリした「うんこ化石」をいろいろな方面から掘り下げながら、「うんこ化石」が秘める魅力とナゾに迫ります。
- ティラノサウルスのうんこ
- アノマロカリスのうんこ
- 三葉虫のうんこ
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さまざまな古生物が残した「うんこ」。
その中に広がる魅惑の世界を、思う存分ご堪能ください。
こんな方にオススメ
- 古生物ファン
- うんこの化石について知りたい方
- 地球生命史に興味のある方
目次
第1章 ティラノサウルスの「うんこ」。「うんこ」も化石になる!
- ティラノサウルスのうんこ
- 化石に残るうんこ
第2章 「うんこ」はどこから「うんこ」なのか
- うんこ化石研究の事始め
- コプロライト、コロライト、そして……
- 恐竜たちの最後の晩餐
- 三葉虫の腹の中
- アノマロカリス腹の中
- つぶれてお尻から出てしまう……
- “出る”のは、お尻からとは限らない
- コラム 自分のうんこを食べないために
第3章 さまざまな「うんこの化石」
- コプロライトに残る手がかり
- うんこが崩す「先入観」
- スパイラルうんこ
- セグメントうんこ
- 広がるの“うんこ”と、“三日月”を含むうんこ
- それは本当に同じ動物のうんこ?
- 琥珀の中のコプロライト
- 歯型のあるコプロライト
- 寄生虫がいたコプロライト
- それは本当にコプロライト?
第4章 “トイレ”の重要性
- 洞窟でスルか、それとも、野外でスルか
- 約2億3500万年前の共同トイレ
- 死を招くうんこ汚染
- “小さな”トイレの化石
- トイレから見える海岸線
第5章 「うんこの化石」の起源
- いつから、うんこをするようになったのか?
- もっと古いうんこは?
- うんこの歴史、生命の歴史
第6章 「うんこ化石」と世界
- うんこ化石と、カンブリア紀の世界
- うんこ化石と、オルドビス紀の世界
- うんこ化石と、デボン紀の世界
- うんこ化石と、ペルム紀の世界
- うんこ化石と、三畳紀の世界
- うんこ化石と、白亜紀の世界
- うんこ化石と、始新世の世界
- うんこ化石と、更新世の世界
- うんこ化石と、完新世の世界
- コラム 沈んでできたうんこの化石
終章 うんこが残した世界
プロフィール
土屋健
サイエンスライター。オフィス ジオパレオント代表。日本地質学会員。日本古生物学会員。日本文藝家協会員。
埼玉県出身。金沢大学大学院自然科学研究科で 修士(理学)を取得(専門は、地質学、古生物学)。
その後、科学雑誌『Newton』の編集記者、部長代理を経て、現職。愛犬たちと散歩・昼寝を日課とする。
2019年にサイエンスライターとして史上初となる日本古生物学会貢献賞を受賞。
近著に『機能獲得の進化史』(みすず書房)、『地球生命 水際の興亡史』(技術評論社)、『恋する化石』(ブックマン社)など。
ロバート・ジェンキンズ
監修者。
古生物学者。金沢大学理工学域地球社会基盤学類、准教授。
大学学部は情報通信工学を専攻したが、高校時代にはじめた化石採集にハマり、大学院から古生物学の道へ華麗なる(!?)転身。
2006年に東京大学大学院理学系研究科博士課程修了(理学博士)。
当初はアンモナイトに興味があったが、大学院での研究テーマでである深海の極限環境に生息する深海生物に魅了され、その進化を化石と現生の両視点から、現在も継続して研究。
いままで知られていなかった深海生物の発見やその驚きの生態を、「わーお!」とつぶやきながら解き明かしている。
学生たちとの研究談義が何よりも楽しみ。
かわさきしゅんいち
イラストレーター。
1990年大阪生まれ。
脱サラ後、絵本『うみがめぐり』(仮説社)を日本・中国の2カ国で出版。個展開催やイベント等で生物多様性の大切さを伝える仕事をしつつ、『眠れなくなるほど面白い古生物』(日本文芸社)や土屋健著『地球生命 水際の興亡史』(技術評論社)など、生物学関係書籍の挿絵を担当。