生物ミステリー(生物ミステリーPRO) 白亜紀の生物 上巻

「白亜紀の生物 上巻」のカバー画像
著者
土屋健つちやけん 著
群馬県立自然史博物館ぐんまけんりつしぜんしはくぶつかん 監修
定価
2,948円(本体2,680円+税10%)
発売日
2015.8.18
判型
A5
頁数
176ページ
ISBN
978-4-7741-7540-9

概要

これまで当シリーズでは、1冊に1つ、もしくは2つの地質時代をテーマにしてきました。
しかし「白亜紀」はお伝えしたい情報が多いため、上下の2巻構成となりました。
上巻には「おおむね」白亜紀前半、下巻には「おおむね」白亜紀後半の情報をまとめたものの、くっきりとした線引きはなく、上巻にも白亜紀後半、下巻にも白亜紀前半の情報を盛り込んでいます。

本書は、シリーズ第7作目『白亜紀の生物 上巻』。
大きな絶滅イベントが発生することなく始まる白亜紀。
ジュラ紀の温暖湿潤な気候がそのまま引き継がれたため、“生物の天国”は白亜紀でも続きます。
恐竜はますます栄え、陸上世界に君臨。
一方で哺乳類も進化を遂げ、恐竜の幼体を襲うほどに力をつけていました。

海においては、アンモナイト類が大繁栄の時代を迎えます。
今回は、アンモナイト類をはじめとする無脊椎動物のために、たっぷり1章分もうけてあります。
北海道や淡路島から産する魅惑的なアンモナイトたちの姿を、存分にご堪能ください。

もちろん、恐竜やアンモナイト類以外の生物も多数紹介してあります。

白亜紀の時代、主に前半とはどのようなものだったのか?
恐竜衰退の前夜を見ながら、白亜紀の生物を俯瞰していきます。

本書のここを見てほしい
  • 直近の研究成果も余すこと無く。マニアな方々も納得の情報量。
  • 世界各地の研究者・組織に協力を頂き、珍しい写真を豊富に掲載。
  • 日本産の恐竜、海棲爬虫類等もばっちり。日本の白亜紀も楽しめます。
  • 最新の見地による復元イラストが満載。見ているだけでもワクワクできます。

こんな方にオススメ

  • 恐竜大好きな皆さま
  • 古生物ファンの方々
  • 化石にうっとりしたい方々

目次

1. 羽毛恐竜の“聖地”

  • 白亜紀の“ ポンペイ”
  • 鳥類の恐竜類起源説 ― 発見された羽毛恐竜
  • 羽毛恐竜たち
  • 四肢に翼をもつ羽毛恐竜
  • 羽毛をもった“覇者”
  • 恐竜を食べた哺乳類
  • 繁栄のスタートは樹上から?
  • 子を産んだトカゲ
  • 喉袋をもつ(?)翼竜
  • 最古の被子植物 ― ひと足早く“現代型の植生へ”
  • 花と昆虫の共進化が始まる
  • 白亜紀という時代

2. 広大な恐竜化石産地「モンゴル」

  • 瞬間の化石
  • “水のない土地”
  • 全身武装の鎧竜
  • 誤解だった卵泥棒
  • アジアの“恐竜王”
  • 姿を現した“謎の恐竜”
  • 速さを追求した恐竜
  • 長爪にして“メタボ”な恐竜

3. 「レバノン」、温かく浅い海の記録

  • 古き良き魚類化石産地
  • テチス海の魚たち
  • そのほか、さまざまな魚たち(大石コレクション)
  • 最古の“現代型タコ”

4. “名脇役”たち

  • 「異常」とよばれるアンモナイトたち
  • 突然の進化をとげたニッポニテス
  • ユーボストリコセラスの左巻きと右巻き
  • 立体巻きから平面巻きへ
  • 寄生されたプラビトセラス
  • アンモナイトが暮らした深さ
  • ベレムナイトから、タコ・イカ時代へ
  • 白亜紀の“ ダイオウイカ” と巨大ダコ
  • 白亜紀なかばにあった“大量絶滅事件”
  • “二枚貝の変わり者”の台頭
  • なぜ、厚歯二枚貝は勢力を拡大し得たのか
  • “竜の遺骸” のまわりに集う

5. 日本の恐竜たちと、その他の爬虫類

  • ピー助!
  • 大産地「手取層群」の恐竜たち
  • 丹波の竜脚類
  • 海へ運ばれてきた恐竜
  • 妖精と乙女

6. 繁栄を極める爬虫類と、生き残りの動物たち

  • アステカの“飛行神”
  • オーストラリアの“子喰い神”
  • 最後の魚竜類
  • マーストリヒトの大怪獣
  • 進化を続けるワニ形類
  • ヘビの誕生
  • 恐竜の巣を襲うヘビ
  • 史上最大のカエル
  • “オールドタイプ”の生き残り

白亜紀の生物 下巻はこちら

プロフィール

土屋健つちやけん

オフィス ジオパレオント代表。サイエンスライター。埼玉県生まれ。金沢大学大学院自然科学研究科で修士号を取得(専門は地質学、古生物学)。その後、科学雑誌『Newton』の記者編集者を経て独立し、現職。近著に『デボン紀の生物』『石炭紀・ペルム紀の生物』(ともに技術評論社)、『WONDA 大昔の生きもの』(ポプラ社)、『理科が好きな子に育つ ふしぎのお話365日』(共著:誠文堂新光社)など。

群馬県立自然史博物館ぐんまけんりつしぜんしはくぶつかん

世界遺産「富岡製糸場」で知られる群馬県富岡市にあり、地球と生命の歴史、群馬県の豊かな自然を紹介している。1996年開館の「見て・触れて・発見できる」博物館。常設展示「地球の時代」には、全長15mのカマラサウルスの実物骨格やブラキオサウルスの全身骨格、ティランノサウルス実物大ロボット、トリケラトプスの産状復元と全身骨格などの恐竜をはじめ、三葉虫の進化系統樹やウミサソリ、皮膚の印象が残ったヒゲクジラ類化石やヤベオオツノジカの全身骨格などが展示されている。そのほかにも、群馬県の豊かな自然を再現したいくつものジオラマ、ダーウィン直筆の手紙、アウストラロピテクスなど化石人類のジオラマなどが並んでいる。企画展もも年に3回開催。
http://www.gmnh.pref.gunma.jp/