生物ミステリー(生物ミステリーPRO) 恐竜たちが見ていた世界 ―悠久なる時をかけてよみがえる18の物語

「恐竜たちが見ていた世界」のカバー画像
著者
土屋健つちやけん 著
河部壮一郎かわべそういちろう田中源吾たなかげんご 協力
ツク之助つくのすけ 絵
定価
2,860円(本体2,600円+税10%)
発売日
2023.10.14
判型
A5
頁数
192ページ
ISBN
978-4-297-13831-8 978-4-297-13832-5

概要

古生物の視点を借り、太古の世界を歩きまわり、食べ物を探す。襲い、襲われ、恋をして……古生物の暮らしに入り込むことで、今まで気が付かなかったコトに目を向けます。

  • 遥か昔に絶滅した古生物たちが見ていた世界とは、どんなものだったのか?
  • どのように環境を利用し、生活を営んでいたのか?
  • 今を生きる生物と同じように、喜びや悲しみを感じていたのだろうか?

太古の世界を〝等身大で追体験〟することで描き出す古生物ワールド。そこにはいったいどんな世界が広がっているのでしょうか。

こんな方にオススメ

  • 古生物&恐竜ファン
  • 古生物がどのような暮らしをしていたのか興味のある方
  • 公共図書館

目次

第1幕 古無脊椎動物が見ていた世界

  • Story01 海底の楽園
    • かつて、世界は平和であふれていた(エルニエッタ、ディッキンソニア、キンベレラ)
  • Story02 最初の覇者たちが見た景色
    • カンブリア紀の覇者(アノマロカリス・ブリッグスアイ、アノマロカリス・カナデンシス)
  • Story03 地中も安全とは限らない
    • “探知の狩り”のはじまり(鰓曳動物)
  • Column 「眼の誕生」が世界を変えた
  • Story04 洗練された泳ぎ
    • 「古い」は「悪い」じゃない(タラソスタフィロス、クテノルハブドットス)
  • Story05 みんな一緒
    • 1列で並ぶ化石(アンフィクス)
  • Column 化石の王様「三葉虫」って何?
  • Story06 煌々と輝く海の中で……
    • 縦に並んだ複眼(エルベノチレ)
  • Story07 三葉虫のさまざまな生き様
    • 多用な形が物語る(イソテルス、ハルペス、ワリセロプス)
  • Story08 狩るのはいつか?
    • さまざまな複眼のウミサソリ類(ユーリプテルス、プテリゴトゥス・アングリカス、アクチラムス・クンミンゲシ)
  • Column いろいろなウミサソリ
  • Story09 大きな眼の“暗殺者”
    • 謎の動物も、複眼からわかる(ヴォウルテリョン、ドロカリス)
  • Column 日本にもいた“ドロカリスの仲間”
  • Story10 ジュラ紀の夜の音色
    • ジュラ紀の森で聞こえた音(アルカボイルス・ミュージックス)

第2幕 古脊椎動物が見ていた世界

  • Story11 早起きは三文の得
    • 寒冷期の狩人(ディメトロドン)
  • Story12 長い首なのに?
    • 常に下を向く独特の平衡感覚(ニジェールサウルス)
  • Story13 鼻先で獲物を探す
    • 吻部先端の圧力センサー(スピノサウルス)
  • Column 日本にもいた“スピノサウルスの仲間”
  • Story14 闇夜に虫を狩る
    • 恐竜にもいた、フクロウのような生態(シュヴウイア)
  • Story15 高音の子、低音の親
    • 音を出す恐竜(パラサウロロフス)
  • Story16 走るのは苦手
    • 走るのは苦手だった角竜(トリケラトプス)
  • Column “最後の恐竜”たち
  • Story17 帝王の子育ては、顎先で
    • 発達した神経(ティラノサウルス)
  • Story18 恐竜時代のウタ
    • 鳥類はいつからウタでコミュニケーションをしたのか(ヴェガヴィス)

プロフィール

土屋健つちやけん

サイエンスライター。オフィス ジオパレオント代表。日本地質学会員。日本古生物学会員。日本文藝家協会員。埼玉県出身。金沢大学大学院自然科学研究科で 修士(理学)を取得(専門は、地質学、古生物学)。その後、科学雑誌 『Newton』の編集記者、部長代理を経て、現職。愛犬たちと散歩・昼寝を日課とする。2019年にサイエンスライターとして史上初となる日本古生物学会貢献賞を受賞。近著に『古生物出現!空想トラベルガイド』(早川書房)、『も~っと! 恐竜・古生物ビフォーアフター』(イースト・プレス)、『地球生命 無脊椎の興亡史』(技術評論社)など。なお、本書の英副題は『シートン動物記』へのオマージュ。

ツク之助つくのすけ

サイエンスイラストレーター。爬虫類や古生物を中心に、生物全般のイラストを描く。イラストを担当した書籍に『ディノペディア Dinopedia』(誠文堂新光社)、『恋する化石』(ブックマン社)、『僕とアンモナイトの一億年冒険記』(イースト・プレス)、『ドラえもん はじめての国語辞典 第二版』(小学館)。著書に、絵本『トカゲくんのしっぽ』、『フトアゴちゃんのパーティー』(ともにイースト・プレス)がある。バンダイの爬虫類カプセルトイシリーズも展開。

田中源吾たなかげんご

1974年生まれ。熊本大学くまもと水循環・減災研究教育センター准教授。専門は古生物学。島根大学卒業後、静岡大学大学院理工学研究科で博士(理学)を取得。金沢大学、京都大学、レスター大学の研究員、群馬県立自然史博物館学芸員、海洋研究開発機構、熊本大学合津マリンステーション、金沢大学国際基幹教育院を経て現職。驚異的な保存状態の化石から生物進化の謎に取り組んでいる。監修に『アノマロカリス解体新書』(ブックマン社)、『ダーウインが来た!生命大進化 第1集』(日経ナショナルジオグラフィック)など。

河部壮一郎かわべそういちろう

1985年、愛媛県生まれ。福井県立大学恐竜学研究所准教授、福井県立恐竜博物館研究員。専門は脊椎動物の比較形態学。特に、鳥類を含む恐竜や哺乳類の脳などの神経系や感覚器形態について。東京大学大学院理学系研究科博士課程修了後、岐阜県博物館学芸員を経て現職。