今すぐ使える! Google Workspace&Chromebook 情報セキュリティ管理術
~学校・オフィスを守るクラウド時代の新常識
~学校・
2022年7月25日紙版発売
2022年7月22日電子版発売
平塚知真子,井上勝 著,イーディーエル株式会社 監修
B5変形判/256ページ
定価2,860円(本体2,600円+税10%)
ISBN 978-4-297-12918-7
書籍の概要
この本の概要
2021年度は「GIGA スクール元年」と称され,すでに全国の小中学校では高速 Wi-Fi と1人1台端末による新しい学びがスタートしました。近い将来には,クラウドツールを文房具のように使いこなす卒業生たちが,毎年約100万人,社会へ巣立つことになります。 Google が開発する ChromeOS を搭載したクラウド端末 Chromebook を採用した学校は4割を超え,Microsoft Word や Excel と同様の機能を持つ Google のオフィスツール Google Workspace を使い始めた学校は6割を超えました。
今や教育現場だけでなく,ビジネスの現場においても,クラウドを活用し,生産性を向上させることが求められています。しかし,目には見えない「情報資産」をどう扱い,どう守ればいいのか,戸惑う声が大きく,情報漏洩などのセキュリティ事故を恐れるあまり,機密性を重視しすぎて利便性が犠牲となっているケースも多く見られます。
そこで,本書はすでに Google Workspace や Chromebook を導入された教育機関を念頭に置きつつ,機密性と利便性を両立させることができるクラウドツールを検討されている企業や各種組織の情報管理者の方々に向け, Google の提供するセキュリティ対策と利用者であるユーザーが実施するセキュリティ対策について,丁寧な解説を試みました。
クラウド利用を前提に設計された Google Workspace と Chromebook なら,複数のセキュリティを施してサイバー攻撃の脅威から情報を守るだけでなく,ヒューマンエラーを効率よく防ぐことができます。
本書は情報セキュリティのいろはを解説するところからはじまり,推奨される設定を具体的な手順とともに解説しており,Google Workspace と Chromebook の管理が初めてという方の不安を払拭してくれます。まずは,本書に書かれている通りの設定からスタートしてみましょう。組織の実態に合わせ,運用しながら設定をカスタマイズしていくことにより,生産性や利便性をさらに上げることができます。
教育現場の方々は,姉妹本である『今すぐ使える! Google for Education~授業・校務で使える活用のコツと実践ガイド』とあわせて読むのもおすすめです。
こんな方におすすめ
- Google WorkspaceやChromebookを導入した/導入することを検討しているが,安全性に不安がある教育現場・一般企業の管理者
- 著者プロフィール
平塚知真子(ひらつかちまこ)
Google 認定トレーナー/イーディーエル株式会社代表取締役/一般社団法人日本10Xデザイン協会理事長
数時間でITスキルを劇的に引き上げる指導に定評があり,ITライトユーザーから絶大な信頼を得ている。早稲田大学第一文学部(教育学専修)卒。筑波大学大学院教育研究科修了(教育学修士)。出版社勤務を経て専業主婦になるも,学習欲が高じて大学院に進学。在学中に事業欲が高まり,IT教育会社を起業し,現在に至る。「日本に10倍の成果を生み出すクラウド活用を伝え,広める」を信条に,教育関連者やビジネスパーソンにDXを推進する「10Xデザイナー」を育成中。パソコンやタブレットを四六時中見ているため,月に1回はデジタル断捨離し,温泉をめぐることが趣味。
著書に『Google式10Xリモート仕事術』(ダイヤモンド社),『今すぐ使える Google for Education』(技術評論社),『Google Workspace for Education で創る10X授業のすべて』(東洋館出版社)がある。
井上勝(いのうえまさる)
八千代松陰中学校・高等学校非常勤講師/イーディーエル株式会社(EDL)アドバイザリーボード/MICTA 代表
筑波大学卒業後,八千代松陰中学校・高等学校に数学科教諭として奉職。2003年度からは情報科を担当。教育情報部主任,教務部長,教頭,副校長,参与を歴任。それぞれの立場で一貫して教育の情報化,校務の情報化に携わる。勤務校に2015年より Google Apps for Education (現 Google Workspace for Education)を導入し,管理運用を統括。中等教育機関における Google for Education 活用のパイオニア。2020年4月よりEDLに参画,個人事業MICTA(Modern ICT for ALL)開業。信条は「ICT関連の管理をされている先生方にゆとりを」。
近著(いずれも共著):『今すぐ使える Google for Education』(技術評論社),『Google Workspace for Educationで創る10X授業のすべて』(東洋館出版社)
- 監修者プロフィール
イーディーエル株式会社(イーディーエルかぶしきがいしゃ)
2006年9月創業。2017年 Google for Education トレーニングパートナーに認定され,Google 認定教育者の認定資格の取り扱いとトレーニングの提供を開始。2日間の「Google for Education 活用集中セミナー」は,2022年5月までに累計1616人の Google 認定教育者を輩出。2019年にGoogle Cloud(TM) パートナー スペシャライゼーション Education 分野を取得。同年,株式会社エデュケーションデザインラボ(旧社名)より,イーディーエル株式会社に改名。創業時より国立情報学研究所が開発・提供するホームページ作成支援ソフトウェア NetCommons(現edumap)の初期画面構築,運用,SaaS保守をワンストップで提供。組織の情報化推進を継続支援している。
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- 著者の一言
- Googleとはじめる クラウド時代のセキュリティ管理術
- 本書はすでに Google Workspace や Chromebook を導入された教育機関を念頭に置きつつ、機密性と利便性を両立させることができるクラウドツールを検討されている企業や各種組織の情報管理者の方々に向け、 Google の提供するセキュリティ対策と利用者であるユーザーが実施するセキュリティ対策について、丁寧な解説を試みました。
本書のサンプル
本書の紙面イメージは次のとおりです。画像をクリックすることで拡大して確認することができます。
目次
序章 知っておきたい情報セキュリティの基本
- そもそも「セキュリティ」とは?
- 情報セキュリティは「資産」・「脅威」・「脆弱性」の視点で対策する
- あなたが守るべきもの=「資産」
- 「脅威」からあなたの「情報資産」を守り,利活用する
- 物理的脅威
- 技術的脅威
- 人為的脅威
- 「脆弱性」をなくして「資産」を守る
- 情報セキュリティのCIAとは?
- 機密性 ~許可された人だけが情報にアクセスできるようにする~
- 完全性 ~利用される情報が正確であり,完全である状態を保持する~
- 可用性 ~保管されている情報が必要なときにいつでも使える~
- ニューノーマル時代の情報セキュリティ対策「ゼロトラスト」とは?
- 状況に応じた見直しと,安全性と利便性のバランスが重要
第1章 Google が実施する情報セキュリティとは
1 Google のサービスは100%クラウドベース
- クラウドベースでデータを保護し,情報管理をシンプルにする
- 端末(エンドポイント)で実施する情報セキュリティ対策の限界
- 情報をクラウドに保存することで脆弱性を減らす
- Google のクラウド ネイティブな技術
- すべての情報の保管場所となるデータセンターのセキュリティ
- すべてのアプリの土俵となる Chrome ブラウザの情報セキュリティ
2 Google Workspace とは
- Google の提供する企業目的別オフィスツール
- ビジネス目的のGoogle Workspace
- 教育目的のGoogle Workspace for Education
- 無料で使えるのに,有料ライセンスにする必要はある?
3 Chromebook の情報セキュリティ
- ChromeOS と Chrome ブラウザ
- Chromebook の強固な情報セキュリティ
- 自動アップデート
- サンドボックス化
- 確認付きブート
- データの暗号化
第2章 Google Workspaceの管理コンソールの初期設定
1 Google 管理コンソールとは
- ツールだけでなく,デバイスも制御可能
- Google 管理コンソールへのアクセス
2 Google 管理コンソールではじめに設定すべきこと
- 組織部門(Organizational Unit)の作成
- 組織部門作成のポイント
- ユーザーアカウントの作成(ユーザーの追加)
- ユーザーを1人ずつ追加する
- ユーザーを一括追加する
- ユーザー1名につき1アカウントが推奨
- 管理者ロールの割り当て(管理権限の委任)
- 既定の管理者ロールの割り当て
- カスタムロールを作成する
- Google グループの作成
- グループを作成する
- グループへのメンバーの追加
- Wi-Fi ネットワークの設定
- Chromebook の登録
- 手動での登録
- ゼロタッチ登録
- サービスの設定
- サービスを有効または無効にする
- サービスの詳細設定
3 ユーザーとブラウザの設定
- 基本設定
- カテゴリ[ログイン設定]に関連する設定
- カテゴリ[セキュリティ]に関連する設定
- カテゴリ[コンテンツ]に関連する設定
- カテゴリ[ハードウェア]に関連する設定
- カテゴリ[Chrome のセーフ ブラウジング]関連する設定
- 利便性を高める設定
- カテゴリ[起動]に関連する設定
- カテゴリ[ユーザー エクスペリエンス]に関連する設定
4 デバイスの設定
- 基本設定
- カテゴリ[登録とアクセス]に関連する設定
- カテゴリ[ログイン設定]に関連する設定
- カテゴリ[デバイスの更新設定]に関連する設定
- カテゴリ[ユーザーとデバイスをレポート]に関連する設定
第3章 企業などの組織で実施する情報セキュリティ
1 Google アカウントの無料版と有料版
- 無料の個人アカウントと Google Workspace Business Starterの違い
- 稼働保証(SLA)
- Google 管理コンソール
- ヘルプとサポート
- 独自ドメイン を使用して Gmail を使う
- Google カレンダー
- 会社のメールはそのまま,無料で Google Workspace を使う
2 3つのBusinessエディションの違い
- 共有ドライブ
- Google Cloud Search(クラウド サーチ)
- Google Meet の高度なビデオ会議機能
- 承認機能の管理
- ストレージ容量
3 Google Workspace 管理者が実施すべきセキュリティ設定
- 拡張機能の追加・アプリのインストールを制限する
- ファイルサーバー代わりにより安全性と利便性の高い「共有ドライブ」を活用する
- 共有ドライブの作成
- Google Workspace の管理者が共有ドライブの利用設定を制御するには
- 「2段階認証プロセス」を導入してセキュリティを確実に強化する
- 2段階認証プロセスの概要
- 2段階認証プロセスを導入する手順
- Gmail のセキュリティをさらに強化する
- 高度なセキュリティ設定を適用する
- コンテンツに関するコンプライアンスルールを作成する
- エンドユーザーのアクセスを制御する
- Google Workspace for Business 各エディション比較表
第4章 教育機関で実施する情報セキュリティ
1 教育情報セキュリティポリシーとGoogle for Education
- ハンドブックの第3章のポイント
- ハンドブックの第4章のポイント
- ハンドブックの第5章のポイント
2 すべてのエディション共通の基本セキュリティ設定
- 年齢に基づくアクセス設定
- 18歳未満のユーザーの利用が制限されるサービス
- サービスごとでできる詳細設定
- Google Meet で特定の組織部門に[ビデオ通話]を制限する
- Google Chat の利用を同じドメイン内に制限する
- Gmail の送受信をドメイン内のユーザーに制限する
- 信頼する組織のドメインを許可リストに登録する
- Google ドライブ でファイル共有を特定のドメインに限定する
- Google Classroom の教師に概要説明メールの管理権限を付与する
- Google Classroom で外部ドメインのユーザーが参加できるようにする
- 拡張機能の追加・アプリのインストールを制限する
- Chrome ウェブストア
- Android アプリ
- ディレクトリ設定
- カスタム ディレクトリの設定方法
3 ワンランク上の教育環境と高度なセキュリティとは
- 3つの有償エディション
- セキュリティと分析のツール
- セキュリティ ダッシュボード
- 調査ツール
- セキュリティの状況ページ
- Gmail のセキュリティ サンドボックス
- コンテキスト アウェア アクセス
- BigQuery でのログの分析
- 教育と学習のツール
- 独自性レポート
- Google Meet の高度な機能
- Google Workspace for Education 各エディション比較表
第5章 セキュリティをより高めるための対策と設定
1 管理者が行う設定
- 管理者アカウントのセキュリティ
- 管理者アカウントは共有しない
- 管理者アカウントでの2段階認証プロセスを必須にする
- 日常業務に特権管理者アカウントを使用しない
- パスワードをもっと安全に
- パスワードポリシーの設定
- ユーザーのパスワードの安全度を確認する
- Chromebook 紛失時の対応
- ビルディングとリソース
- ビルディングの追加
- 会議室などのリソースに付属している設備や機能の追加
- リソースの追加
- データ損失防止(DLP)機能
- Google Workspace Marketplace アプリの管理
- 管理方法の設定
- Google Vault
- Google Vault の機能を使用できるユーザーの管理
- Google Vault でできること
2 ユーザー個人が行う設定
- Google アカウントの管理
- セキュリティ診断とプライバシー診断
- パスワード マネージャー
- ユーザーが2段階認証プロセスを有効にする
- 拡張機能やアプリを適切に追加する
- ユーザーが許可された拡張機能をインストールする
- ユーザーが許可された Andoroid アプリをインストールする
- ユーザーが許可された Google Workspace Marketplace アプリをインストールする
付録 各種推奨ポリシー一覧
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