はじめに
プログラマーの仕事道具と言えばプログラミングエディターです。Microsoftが開発したVisual Studio Code(以下、VS Code)は、現在最も人気のあるエディターです。本書では、日々のコーディングでVS Codeを使いこなすための方法を解説します。
VS Codeの最大の特徴は、高いカスタマイズ性と豊富な拡張機能です。VS Codeが持つ機能はたくさんありますが、それらの全体像を把握することは困難です。そこで本書では、操作方法、言語ごとの開発環境の構築、拡張機能開発の大きく3つに分けて、VS Codeの使い方を網羅的に説明します。
第1章から第5章では、VS Codeの操作方法を解説します。第1章では、VS Codeの歴史やインストール方法といった基礎知識を扱います。第2章では、検索や置換、ショートカットキー、タスク設定などの実践的な編集操作を学びます。第3章ではVS CodeのUIや設定のカスタマイズ方法、第4章ではお勧めの拡張機能を紹介します。第3章、第4章ともに、VS Codeを自分のスタイルへ合わせる役割を持っています。第5章では、VS Codeを使ってGit/GitHubでバージョン管理を行う方法を解説します。
第6章から第8章では、JavaScript/TypeScript、Java、Pythonの開発環境を構築します。各章の前半では、プログラミング言語ごとに必要な拡張機能のインストールや、デバッグ、テストの方法を学びます。後半では、発展としてWebアプリケーションの開発やデータサイエンスを体験します。
第9章と第10章では、4つのVS Code拡張機能を開発します。拡張機能開発のテンプレートを使って、拡張機能の作成から公開までの手順を学びます。最終的には、コードの自動修正やコード補完機能など、実際に使える拡張機能の開発を目指します。
お勧めの読み方は、第1章から第5章まで読んでVS Codeの基礎知識を理解し、残りの章は自分の興味に合わせて必要な情報に目を通すことです。
本書で利用するVS Codeのバージョンは1.76.0です。
本書が、多くの方にとってVS Codeを使いこなす手助けとなれば幸いです。
謝辞
まず読者のみなさまへ、本書を手にとっていただき、ありがとうございます。
次に、「WEB+DB PRESS」と本書の執筆をご提案いただいた、技術評論社の稲尾尚徳さんに感謝いたします。執筆経験の乏しい私でも、熱心なサポートのおかげで本書を書き上げることができました。
そして、本書をレビューいただいた奥西理貴さん、井ノ口輝さんに感謝いたします。お二人の丁寧なレビューで修正された本書の誤りは数え切れません。
また、VS Code Meetupコミュニティのみなさまに感謝いたします。コミュニティ活動でお聞かせいただいた話が、本書を執筆するきっかけになりました。
素敵なエディターを開発されたVS Codeチームに感謝いたします。本書執筆中も多くのアップデートがあり、書くことが尽きませんでした。
最後に、本書の執筆を応援してくださった家族や友人に感謝いたします。