プロになるためのSpring入門 ――ゼロからの開発力養成講座

著者の一言

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筆者は長年,Springに関する開発プロジェクトや教育に携わってきました。その中で痛感した課題が大きく2つあります。

1つは,⁠Springをきちんと理解せずにコーディングしている開発者が多い」ということです。Springを使用する上で必要となる記述を,おまじないのように行っている開発者をたくさん見てきました。⁠その記述をすることで何が起きるのか?」がわかっていないため,うまく動かなかったときの対応に苦労したり,意味のない記述をしてしまったり,障害につながるような記述をしてしまう状況になっていました。

もう1つは,⁠初心者の方がSpringを学習することの難しさ」です。Springを学習しようとすると,Javaを学習したときには出てこなかった新しい用語がたくさん出てきます。難しい用語も多いため,初心者の方が都度理解して覚えることは大変です。また,Springが提供する仕組みには,プログラミングで苦労した経験がないと便利さを実感することが難しいものもあり,プログラミングの初心者にとって,とっつきにくい要因になっています。

これらの課題が解消されることを願って,本書を執筆させていただきました。Springを体系的にきちんと押さえたい方や,Javaの学習がひと段落して,これからSpringを学習する方に特にお勧めの内容になっています。

皆様のキャリアに,本書が少しでも貢献できれば幸いです。

著者プロフィール

土岐孝平(ときこうへい)

1976年宮崎生まれ。大学で情報工学を専攻したにもかかわらず,卒業後某カジュアルショップの販売員になる。次の年に上京しIT業界へ。2002年に,Springの生みの親であるRod Johnson氏の書籍「J2EE Design and Development」と出会い,Springのファンとなる。

多くの開発プロジェクトに参加するなか,非効率な開発現場に多々遭遇し,教育の重要性を痛感。2008年から,開発の仕事と並行して教育の仕事にも従事するようになる。2012年に合同会社 現場指向(https://www.genba-oriented.com)を設立。Springを軸とした研修コースを提供し,講師として登壇している。

著書として,『OpenID Connect入門』(Kindle ダイレクト・パブリッシング),『[改訂新版]Spring入門』『間違いだらけのソフトウェア・アーキテクチャ』共著(小社),『ITアーキテクトのためのクラウド設計・構築実践ガイド』共著(日経BP社)などがある。