私たち弁護士法人GVA法律事務所のメディカル・ビューティー・ヘルスケアチームは、医療・ヘルスケア・美容関係の多くの企業のサポートを専門にしています。また、マーケティング企業のサポート機会も多く、数多くのマーケティングに関するご相談を受けてきました。最近は、広告規制が厳しくなり、マーケティング方法のご相談のほか、広告表現のチェックのご依頼も増えています。
企業のご担当者とお話をしているなかで、広告ルールの一定の知見があり、ご経験も積まれているにもかかわらず、正しく広告ルールを理解されていないと感じることが多くあります。
一方、個人的にも違法な広告を目にするたびに、本当はよい製品やサービスなのに酷い広告のせいで製品やサービス自体を疑わしく感じ、嫌になっている自分自身に気付きました。多くの人も同じ思いをしているのだろうと考えられます。せっかくのよい製品やサービスを、なぜ違法な広告で台なしにするのだろう。広告をする企業はもちろん、社会的にも大きな問題だと思うようになりました。
しかし、私たち弁護士が慣れた目で見がちな広告ルールも、改めて読めば、一般の方がこれを理解して使いこなすのはどれほど大変なことかも想像できます。また、私が把握しているものだけで、広告ルールは、金融商品関連のもの、公正競争規約などを含め200近くあり、確認するだけで一苦労です。
そう思った私たちは「企業から依頼を受けて広告チェックができるのが弁護士だけなら、自分たちでルールをもっとわかりやすく伝えよう、正しい広告チェックのやり方を広めよう、やれることを始めよう」と決めました。そんな中で、「今までにないわかりやすい広告ルールの書籍を書きたい」という話があり、そこから、この本の執筆が始まりました。
今後も広告ルールは増えていくと予想されますが、基本的な考え方は変わらないでしょう。皆さんが本書を通じて理解されたものは、今後も末永く使えるものだと確信しています。
(「あとがき」より)