素数って偏ってるの?
~ABC予想,コラッツ予想,深リーマン予想~
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小山信也 著
長原佑愛 挿絵
矢吹ゆい 構成協力 - 定価
- 2,750円(本体2,500円+税10%)
- 発売日
- 2023.10.10
- 判型
- A5
- 頁数
- 264ページ
- ISBN
- 978-4-297-13761-8 978-4-297-13762-5
概要
『「数学をする」ってどういうこと?』の第2弾です。今回も日常社会に潜む数学を取り上げます。今回は特に「偏り」に着目し,数学的な観点で解明していきます。不自然に偏って見える素数の分布が,実は素数全体のバランスをとるうえでは自然な現象でした。それを深リーマン予想を使って証明し,さらに,どのあたりに素数があるべきなのかまで考えていきます。ランダムなはずなのに偏りがある素数,一体どういうことなのか。それが私たちの感性や日常とどう関わってくるのか,奥深い素数の世界を堪能できる1冊です。
こんな方にオススメ
- 高校生以上
- 一般向け
- 素数やそれにまつわる有名問題などに興味がある人
目次
第0部 数学は論理じゃない?
- 第1話 再会
- 第2話 数学は論理じゃない?
- 第3話 入試問題より
- 第4話 論理の先にあるもの
- 第5話 素数はランダム?
- 第6話 双子素数予想の心
- 第7話 素数はいつ現れるか
- 第8話 AIにできないこと
第1部 ABC予想
- 第9話 良い定理とは
- 第10話 一般化で証明の本質を探る
- 第11話 ユークリッドの証明の一般化
- 第12話 フェルマーの最終定理
- 第13話 ランダウの4問
- 第14話 ラディカルの心
- 第15話 太り過ぎの見分け方
- 第16話 A,B,Cの役割
第2部 コラッツ予想
- 第17話 コラッツ予想とは
- 第18話 「100%」の意味
- 第19話 確率とは
- 第20話 円が切り取る線分
- 第21話 測度って何?
- 第22話 シラキュース関数
- 第23話 タオの定理
- 第24話 ランダムな自然数
- 第25話 泥だらけのサイコロ
第3部 チェビシェフの偏り
- 第26話 「チェビシェフの偏り」とは
- 第27話 無限を表す関数
- 第28話 ゼータとLの復習
- 第29話 深リーマン予想の復習
- 第30話 「偏り」の解明
- あとがき
- 謝辞
- 索引
- プロフィール
プロフィール
小山信也
1962年新潟県生まれ。1986年東京大学理学部数学科卒業。1988年東京工業大学大学院理工学研究科修士課程修了。理学博士。慶應義塾大学,プリンストン大学(米国),ケンブリッジ大学(英国),梨花女子大学(韓国)を経て,現在,東洋大学理工学部教授。専攻/整数論,ゼータ関数論,量子カオス。
著書は『日本一わかりやすいABC予想』(ビジネス教育出版社)
『数学の力~高校数学で読みとくリーマン予想』(日経サイエンス社)
『リーマン教授にインタビューする』(青土社)
『素数とゼータ関数』(共立出版)
『ゼータへの招待』『リーマン予想のこれまでとこれから』『素数からゼータへ,そしてカオスへ』(以上,日本評論社)
『「数学をする」ってどういうこと?』(技術評論社)など多数。
訳書は『オイラー博士の素敵な数式』(筑摩書房)など。
最近ではテレビ番組の監修・制作協力も行っている。
『笑わない数学シーズン2』(NHK総合テレビ,2023年10月~12月放送)
『笑わない数学』(同,2022年放送)
『数学者は宇宙をつなげるか?――ABC予想をめぐる数奇な物語』(NHKスペシャル,2022年放送)
『特捜9season4』第7話「殺人パズル」(テレビ朝日,2021年放送)など。