未来につなげる・みつけるSDGs
やさしくわかるエネルギー地政学
~エネルギーを使いつづけるために知っておきたいこと~
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小野﨑正樹,奥山真司 共著
小野﨑理香 絵 - 定価
- 2,200円(本体2,000円+税10%)
- 発売日
- 2024.7.5
- 判型
- B5変形
- 頁数
- 128ページ
- ISBN
- 978-4-297-14111-0 978-4-297-14112-7
サポート情報
概要
エネルギーと地政学はどんな関係があるの?
世界の覇権争いがエネルギーの奪い合いを招くなど、エネルギーと地政学は切っても切れない関係にあります。
ロシアのウクライナ侵攻やパレスチナ問題は、世界のエネルギー事情を表面化させ、地政学の重要性をあらためて考えさせられるきっかけになりました。
また、脱炭素(カーボンニュートラル)をめざす取り組みから、化石燃料だけではなく再生可能エネルギーなどのエネルギーをいかに安定的に手に入れられるのか? 日本のみならず世界各国でエネルギー供給網の再構築が進められています。
本書は、地政学の第一人者で多くの著作があり、メディアでの解説も定評のある奥山さんと、エネルギーの専門家である小野崎さんが協力して、世界からみたエネルギーの重要性を解説した本です。
地政学の観点からこれまでのエネルギーの歴史、安定的に手に入れるために日本や世界はどうしなければならないのかなど、ウサギさん、カエルさん、フクロウさん、イワトビペンギンさんが身近な例を挙げながらやさしく解説してくれます。
こんな方にオススメ
- エネルギーが世界のどこから来ているか知りたい子どもたち
- 地政学から各国のエネルギー事情について知りたい方
目次
0章(序章) エネルギーと地政学はどんな関係があるの?
- 01 エネルギーはなにに使われるの?
- 02 世界でエネルギーの奪い合いが起きているの?
- 03 ランドパワーとシーパワーってなんだろう?
- 04 シーレーンとチョークポイントってなんだろう?
- 05 リムランドってなんだろう?
- 06 大航海時代からシーパワーとランドパワーに分かれるの?
- 07 世界の強国はどう変わってきたの?
- 08 日本は地政学的にどんな国なの?
- コラム パナマ運河とスエズ運河
第1章 世界にエネルギーは十分にあるの?
- 01 世界中で使うエネルギーは増えているの?
- 02 第二次世界大戦はどうしておきたの?
- 03 オイルショックのときになにがおきたの?
- 04 国が争うとエネルギーはどうなるの?
- コラム セブン・シスターズってなんだろう?
第2章 エネルギーはどうやってつくられて使われるの?
- 01 エネルギーは時代とともに変わっているの?
- 02 電気はどうやってつくるの?
- 03 石炭はどうやって掘るの?
- 04 石油はどこにあるの?
- 05 天然ガスってなんだろう?
- 06 シェールオイルってなんだろう?
- 07 石油はなにに使うの?
- 08 これから使うエネルギーはどうなるの?
- 09 再生可能エネルギーってなんだろう?
- 10 水素ってなんだろう?
- コラム 原子力と核融合はどうなるの?
第3章 エネルギーはどこから運んでくるの?
- 01 日本のエネルギーはどこから運んでくるの?
- 02 石油はどこで生産されているの?
- 03 天然ガスはどこで生産されているの?
- 04 LNGはどこで生産されているの?
- 05 再生可能エネルギーが豊富な国はどこだろう?
- コラム エネルギーキャリアってなんだろう?
第4章 エネルギーは国によって事情が違うの?
- 01 アメリカはエネルギーをどうしているの?
- 02 ロシアはエネルギーをどうしているの?
- 03 中国はエネルギーをどうしているの?
- 04 オーストラリアはエネルギーをどうしているの?
- 05 ヨーロッパは国ごとで事情が違うの?
- 06 フランスはエネルギーをどうしているの?
- 07 ドイツはエネルギーをどうしているの?
- 08 イギリスはエネルギーをどうしているの?
- 09 中東はエネルギーをどうしているの?-ペルシャ湾周辺-
- 10 中東はエネルギーをどうしているの?-紅海周辺-
- 11 インドはエネルギーをどうしているの?
- 12 東南アジアの国々はエネルギーをどうしているの?
- 13 そのほかの国々はエネルギーをどうしているの?
- コラム どうして世界秩序を守らなければならないの?
第5章 エネルギーを安全に使いつづけるためにはどうすればいいの?
- 01 カーボンニュートラルってなんだろう?
- 02 カーボンニュートラルを実現するにはどうしたらいいの?
- 03 エネルギーを蓄えるにはどうしたらいいの?
- 04 カーボンニュートラルにはどんな金属が必要なの?
- 05 日本はこれからもエネルギーを輸入するの?
- 06 日本はエネルギーをどうしようとしているの?
- 07 エネルギーを輸入するためにシーレーンを誰が守るの?
- 08 エネルギーを安全に使いつづけるために必要なこと
- 09 SDGsでのエネルギー地政学の役割は?
プロフィール
小野﨑正樹
一般財団法人エネルギー総合工学研究所、アドバイザリー・フェロー。九州大学より博士(工学)、米国プロフェッショナルエンジニア(PE)。
1975年、早稲田大学大学院理工学研究科修士課程修了後、千代田化工建設株式会社に入社。オイルショック後の1980年から1981年まで石炭転換技術の研究のため米国ウェストバージニア大学留学。その後、石炭液化、石油精製、化学プラントの設計を担当。2000年に現研究所に移籍し、化石燃料グループの部長、研究統括の理事として、国のエネルギー技術戦略策定や化石燃料の利用技術の検討、CO2利用技術(CCUS)やカーボンニュートラルの研究に従事。その間、1989年のベルリンの壁崩壊の時期にオランダに駐在、中央アジアのウズベキスタン、キルギスタンなどの国々やオーストラリア、パキスタン、インドネシア、中国、中東諸国など世界各国での業務に携わる。一方で、経済産業省やNEDOのエネルギー関連の各種委員会委員を歴任。
近著に「カーボンニュートラル2050ビジョン」(共著、エネルギーフォーラム、2024年)、「やさしくわかるカーボンニュートラル」(単著、技術評論社、2023年)、「図解でわかるカーボンニュートラル」(共著、技術評論社、2021年)、「図解でわかるカーボンリサイクル」(共著、技術評論社、2020年)、「石炭の科学と技術」(共著、コロナ社、2013年)や論文など多数。
奥山真司
地政学・戦略学者。戦略学博士(Ph.D. Strategic Studies)。多摩大学大学院客員教授。拓殖大学大学院非常勤講師など。国際地政学研究所上席研究員。戦略研究学会常任理事。日本クラウゼヴィッツ学会副会長代理。カナダ・ブリティッシュコロンビア大学を卒業、2011年に英国レディング大学で博士号を取得。
近著に「世界最強の地政学」(文春新書、2024年)、「新しい戦争の時代の戦略的思考:国際ニュースを事例に読みとく」(飛鳥新社、2024年)ほか、監修書に「サクッとわかるビジネス教養 地政学」(新星出版、2020年)など。訳書に「大国政治の悲劇」(ジョン・ミアシャイマー著)、「米国世界戦略の核心」(スティーヴン・ウォルト著)、「地政学ー地理と戦略ー」(コリン・グレイ、ジェフリー・スローン編著)、「幻想の平和」(クリストファー・レイン著)、「なぜリーダーはウソをつくのか」(ジョン・ミアシャイマー著、以上、五月書房)、「戦略論の原点」(J・C・ワイリー著)、「平和の地政学」(ニコラス・スパイクマン著)、「戦略の格言」(コリン・グレイ著、以上、芙蓉書房出版)、「インド洋圏が、世界を動かす」(ロバート・カプラン著、インターシフト)がある。