上手な教え方の教科書、実践編
- 向後千春 著
- 定価
- 2,420円(本体2,200円+税10%)
- 発売日
- 2025.2.17
- 判型
- A5
- 頁数
- 192ページ
- ISBN
- 978-4-297-14694-8 978-4-297-14695-5
サポート情報
概要
学校はもちろん、企業研修、ワークショップ、カルチャーセンター、地域のサークル、親子などすべての「教えることに無縁ではないすべての人たち」のための実践書が登場!
本書は「教えること」を教える先生が書いた、具体的な事例で説く、教え方の集大成の書です。
同著者による前著『上手な教え方の教科書 ―― 入門インストラクショナルデザイン』は、おかげさまで息長く読まれつづけています。そして続刊であるこの『上手な教え方の教科書、実践編』は、その名の通り実践編としてお届けするものです。特徴は「すべて実際にやってみた」という点にあります。なお本書を単独でお読みになっても十分実践できますので、その点はご安心ください。
教えるという行為は、その内容、目的、参加者、時間、場所などによって複雑に影響を受けます。同じ教え方をしているのにもかかわらず、あるケースでうまくいっても、別のケースでうまくいかないことがあります。そのため、ケースに合わせて柔軟に教え方を変えていかなければなりません。
とはいえ、上手な教え方の原則は頑健です。この本では、どんなケースでも柔軟に適用できるような上手な教え方の原則を、具体的な事例に沿って紹介していきます。
こんな方にオススメ
「教えること」に関わるすべての人。例えば、
- 学校関係者(教員、学生など)
- 企業研修担当者
- ワークショップ講師
- カルチャーセンター講師
- 地域サークル活動に関わる人
- 子育て中の親 など
目次
- はじめに ―― 誰もが教える技術を必要としている
第1章 教える技術を身につける
- 1.1 教える技術とは何か
- 1.2 教える技術は誰に必要か
- 1.3 教える技術を身につけると何が起こるか
- 【コラム1】子どもに挙手をさせなくても良い授業は作れる
第2章 教えるときに大切なこと
- 2.1 どういうときに人は学ぶか
- 2.2 「できそうだ」を促す教え方
- 2.3 「つながっている」を促す教え方
- 2.4 「決められる」を促す教え方
第3章 講座を設計する
- 3.1 講座を設計するとはどういうことか
- 3.2 レッスンとゲームで構成する
- 3.3 3つのステージで考える
第4章 セッションを組み立てる
- 4.1 パイクの「90/20/8の原則」
- 4.2 マイクロフォーマットを使う
- 4.3 オンライン講座もマイクロフォーマットで設計する
- 4.4 マイクロフォーマットによる講座の実例
- 【コラム2】私語は指定席システムで解決できる
第5章 [実習1]講座のテーマと概要を決める
- 5.1 ニーズを見つける
- 5.2 ゴールを設定する
- 5.3 講座の枠組を決める
第6章 レクチャーをする
- 6.1 参加者の前で話す技術
- 6.2 聞いてもらえる話し方
- 6.3 スライドからマップへ
第7章 グループワークを実施する
- 7.1 いつでも使えるグループワークの方法
- 7.2 単発の講座ではミニワークを使う
- 7.3 グループ同士で発表する
- 7.4 グループワークの評価をどうするか
第8章 テストと評価の方法
- 8.1 テストは学習にどう影響しているか
- 8.2 講座とテストを一体化する
- 8.3 相互評価の方法
- 【コラム3】質問カードを使えば質問しやすくなる
第9章 [実習2]講座の1セッションを設計する
- 9.1 コースを設計する
- 9.2 セッションを設計する
- 9.3 「できる・つながる・決められる」をチェックする
- 【コラム4】「よく考えられた練習」がポイント
第10章 参加者とコミュニケーションする
- 10.1 「大福帳」を使う
- 10.2 「大福帳」の実際
- 10.3 「大福帳」のオンライン化
- 【コラム5】上手な教わり方をする人は上達が速い
第11章 評価アンケートを実施する
- 11.1 評価アンケートをする意味
- 11.2 評価アンケートを作る
- 11.3 評価アンケートを実施する
第12章 オンライン化する
- 12.1 対面講座の拡張としてのオンライン講座
- 12.2 オンライン講座のメリット
- 12.2 規模の大きさによるオンライン講座の実際
- 【コラム6】オンデマンド講座では月1回のオンラインミーティングをする
第13章 [実習3]評価アンケートを実施し、分析しよう
- 13.1 アンケートの目的と内容を決める
- 13.2 アンケートを実施する
- 13.3 アンケートデータを分析する
第14章 まとめと次の一歩
- 14.1 教えるときに大切なこと(再び)
- 14.2 教える「型」と創造性
- 14.3 教えることは一生続く学びの一部
- おわりに ―― 教えることの科学的側面とアート的側面
プロフィール
向後千春
1958年生まれ。早稲田大学人間科学学術院教授。博士(教育学)(東京学芸大学)。専門は教育工学、教育心理学、アドラー心理学。
著書に、『上手な教え方の教科書――入門インストラクショナルデザイン』、『統計学がわかる』、『統計学がわかる【回帰分析・因子分析編】』(技術評論社)、『18歳からの「大人の学び」基礎講座』(北大路書房)、『人生の迷いが消える アドラー心理学のススメ』、『アドラー“実践"講義』(技術評論社)、『幸せな劣等感』(小学館)、『コミックでわかるアドラー心理学』(中経出版)など。