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『ガウスとオイラーの整数論』

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算数ってすごい!

0や1,2…などものを数えるとき誰もが幼いころから使ってきたのが整数です。本書は,中学入試問題から整数に関する23問をとりあげています。入試問題といっても臆することはありません。中学入試なので基本は算数です。小学校の算数を復習しながら考えていきます。標準的解法,算数的解法の両方を紹介している問題もあるので,どこが算数的なのか考えてみるとおもしろいです。

中学入試問題には,意表を突くような発想,ひらめきが多くちりばめられています。あるペアに着目して考えてみたり,対称性をみつけてみたり,周期に着目してみたり…と整数の世界はアイディアの宝庫で,いろいろなパターンを発見することができます。算数にこんなおもしろい見方や考え方があったのか,と驚くことでしょう。

割り算,組合せは知れば知るほどおもしろい

皆さん,割り算は日常生活の中でも使っていますね。○○ページ分の資料を3日で読むには…,○○円を割り勘にすると…などです。割る数,割られる数,商,余りの着目の仕方によって,ある規則を見出すことができます。組合せ(数学用語では二項係数とも呼ばれます)もまた,フェルマーの小定理につながる重要な考え方です。その考え方一つ一つを丁寧に解説し,読者のみなさんには整数論らしさにどっぷりはまってもらいます。

オイラー,ガウス,フェルマーまで

現代の数学を作り上げたといっても過言ではない整数論の巨頭オイラーとガウスはどんな考え方をしたのか,算数の裏に広がる整数の奥深さを味わうことができる1冊です。予備知識は不要です。必要な知識は丁寧な解説を入れていますので,ご安心ください。中高生のみなさんは,小学生のころを思い出しながら,さらに今学習している数学と結びつけながら,算数の裏にある数の世界を味わってみてください。大学生や一般の方は算数から広がる発展的考え方や思考方法に触れてみてください。