知りたい!サイエンスシリーズガウスとオイラーの整数論
~中学入試算数が語るもの~
2011年2月23日紙版発売
吉田信夫 著
四六判/252ページ
定価1,738円(本体1,580円+税10%)
ISBN 978-4-7741-4548-8
書籍の概要
この本の概要
整数論と聞くと難しいと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが,整数こそ私たちが小学生のころから親しんできた数です。算数といっても,整数論をもとに,ガウス記号やパスカルの三角形,オイラーの定理など,中学以降に習う礎がそこには多く含まれています。本書では,灘中の問題を題材にしていますが,気負うことはありません。そこには,整数の面白さが満載なのです。ガウスやオイラーの考え方にも言及しながら,皆さんに思考力や発想力,視点の転換を感じ取ってもらえれるよう構成しています。
こんな方におすすめ
- 数学,整数,自然数,数に興味がある人
- 中学入試問題に挑戦してみたい人
- 数学の発想法を知りたい人
著者の一言
小学生の数に対する感覚を目の当たりにすると,数学を開拓した偉大な先人に通じるものを感じてしまいます。「算数を題材に整数論を語ってみたい」と考えたきっかけはその辺りにあるのです。
整数には興味深い性質が数多く存在します。実は,それを部分的に拝借して,灘中をはじめとする入試算数の問題は作られているのです。本書では,算数の問題を解きつつ,その奥に潜む整数論を浮き彫りにしていく形をとっています。「なぜ,そんな理論を考えたの?」という観点から整数論をみており,理論重視になりがちな初等整数論の入門書とは一線を画しています。具体的な数に関する算数の問題から隠れた法則を発見&証明し,整数論構築の流れを体験してみましょう。
オイラー,ガウスなどの有名数学者の名前が付いた“初等整数論”の世界に,皆さんを導きます。どうぞ,飛び込んできてください。
※予備知識は不要,必要な知識は丁寧に確認するので安心してください!副産物として,数学的な発想もいくつか身につけてもらえると思います。
- 中高生のみなさん,身近な算数のウラにひろがる整数論を,一緒に探っていきましょう。
- 大学生,一般の方,それなりに深いところまで議論しています。どっぷりと整数論にはまってください。
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- 『ガウスとオイラーの整数論』
- 0や1,2…などものを数えるとき誰もが幼いころから使ってきたのが整数です。本書は,中学入試問題から整数に関する23問をとりあげています。
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