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インターネットはどのようにできたか?
インターネットは1960年代の冷戦時代に,軍事利用を目的にアメリカで開発が始まったシステムです。日本では1986年にKDD研究所(現KDDI研究所)経由で初めてアメリカと接続されました。1990年代に商用化され,現在の形になりました。
インターネット登場前は,電話,FAX,手紙などの通信手段がありました。これらは非常にシンプルで,利用者は使い方さえわかれば技術的にどういう仕組みで成り立っているのかを気にする必要はありませんでした。これらシステムが悪用されたとしても,被害が出る前に電話会社や郵便局によってすぐに対策されてしまうでしょうし,音声や紙といった物理的な媒体が使われるため,被害状況も認識しやすいものでした。
インターネット利用のリスク
ところがインターネットの場合,悪用されると厄介です。電話や手紙と違って,世界中の無数のコンピュータが結合されてデータが流れているため,気付かないうちに知らない人が自分のパソコンと接続して,データを盗んでしまうことも起きえます。
昨年発生した遠隔操作ウイルスによる誤認逮捕事件のように,知らないうちに加害者にされてしまい,真犯人が誰かわからなくなってしまう場合もあります。
また,迷惑メールのように,こちらが意図しないうちにメールアドレスが盗まれて大量の不要なメールを送り付けられたり,子供が有害なサイトを閲覧してしまったり,クレジットカード番号やネットバンキングの暗証番号を偽のサイトに打ち込んで盗まれてしまったりするといったような,利用に際して気をつけなければならないことが多くあります。従来のシステムよりも「事故」が起きやすいといえます。
インターネットのルール
「メールはこうやってやりとりしなさいよ」「ホームページはこの手順で情報を取得して表示しなさいよ」など,インターネットの世界は規格団体が定めたさまざまなルールに則って動いています。これらのルールがわかると,ネットを使うときに気をつけなければならないことや,うまく接続できないときにその理由を探し出したりすることができるようになります。インターネットのルールは,代表的な規格の名前から「TCP/IP」と総称して呼ばれています。このルールを知っておくことで,利用者として「事故」に巻き込まれにくくなり,より快適にネット生活を送ることができるようになるでしょう。
クルマの運転方法だけでなく,クルマ自体がどういう仕組みで動くのか,交通ルールがどうなっているのかを知ることで,どういうときに事故が起きやすいのか,といったことを知っておくと,より安全に快適にクルマが利用できるのに似ていますね。