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人口約1316万人,都市圏人口や都市GDP世界1位を誇る東京は,約410年前に徳川家康によってその礎がつくられました。もちろんそれ以前に太田道灌らによって江戸の町はつくられてきてはいましたが,今日の東京につながるという観点から見ると,家康の都市計画が今の東京の形をつくったといっても過言ではないでしょう。それほど東京は江戸の町の構造を引き継いでいます。
この本は,江戸時代の地図と現代の東京の地図を比較しながら,どこが変わり,どこが変わっていないのかを,江戸時代の人々の暮らしや文化を通して解説しています。現在の東京に残る江戸情緒を楽しむとともに,この世界的大都市がどのようにして今の姿になったのかを知ることができます。地図を見ながら江戸の文化に思いを馳せ,遥か江戸の時代にタイムスリップしてみてはいかがでしょう。
江戸時代と現代の八丁堀。一部埋め立られていますが道路など基本構造がほぼ同じなのがわかります
高すぎる通信費!? 飛脚の値段
インターネットのない江戸時代は遠方に情報を伝える術は手紙しかありませんでした。その通信事業者はご存じ飛脚。では気になる値段はというと,庶民が利用した並便で江戸から大坂に書状1通を送るのに銀3分,今のお金にして約300円かかったそうで,日数は10日から20日ほど要しました。ちなみに,三日半限という江戸大坂間を2日半で届ける便は7両2分,現在に換算すると40万円以上になります。現代に生まれて良かった!
江戸はファーストフード天国
江戸時代の人はさぞ質素な食事をとっていたのではと思うかもしれませんが,さにあらず。18世紀に入ると庶民の生活レベルが上がり,また単身者が地方から労働力として入ってきたため,一気に外食産業が花開きます。蒲焼,うどん,蕎麦,握り寿司などの屋台が次々に登場します。中には串にいろいろな食材を刺してどれでも1本4文で売る四文屋という店もありました。4文は今に換算すると100円。つまり100円ショップのはしり?