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もっと!写真の色補正・加工に強くなる―画像のモード変換で失敗しない

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Photoshopで扱える画像モードは複数ありますが,色補正や編集はRGBカラーで行うことが普通です。しかし,場合によってはモノトーンにしたいこともありますし,印刷入稿するならCMYKに変換する必要があります。

画像モードは[イメージ]メニューの[モード]で確認できます⁠。ここでモードを選択すれば,画像モードが切り替わります。白黒なら[グレースケール⁠⁠,CMYKなら[CMYKカラー]を選べば完了です。でも,あなたがこうやって画像を変換しているなら問題です。

 画像モードは[イメージ]メニューの[モード]で確認することができる。でもここでモードを変換すると落とし穴が……

① 画像モードは[イメージ]メニューの[モード]で確認することができる。でもここでモードを変換すると落とし穴が……

[1]白黒に変換する

カラーからグレースケールにするとなんだかボンヤリとねむい写真になってしまう。ありがちです。色相と彩度という2つの情報を捨てたことで,明度という1つの軸で写真を表現しなければならないからです。

Photoshopには,白黒に変換するための専用メニューがあります。その名も[白黒]です。⁠イメージ⁠⁠→⁠色調補正]メニューの中にあるので,ちょっと見つけにくいかもしれません。この機能の特徴は,色の系統によって白黒にする際の明るさをコントロールできることです⁠。

これが役に立つのは,色相の違いは大きいのに明度の差がないシーンで,色の差をはっきりさせてくれるところです。たとえば,クリスマスカラーの赤と緑などは白黒にするとわからなくなりますが,⁠グリーン系を明るく,レッド系を暗く」することでしっかりコントラストをつけられるようになります。パッケージ写真などで,ロゴが地色に埋もれてしまうなんていうときにも,くっきりはっきりとロゴを目立たせることができます。

 レッド系,イエロー系,グリーン系,シアン系,ブルー系,マゼンタ系という6つの色系統で白黒にしたときの明るさを調整できる。⁠着色]で,白黒だけでなくセピア調などに調色することも可能だ

② レッド系,イエロー系,グリーン系,シアン系,ブルー系,マゼンタ系という6つの色系統で白黒にしたときの明るさを調整できる。[着色]で,白黒だけでなくセピア調などに調色することも可能だ

元のカラー画像

元のカラー画像

単純にグレースケールにモード変更したもの

単純にグレースケールにモード変更したもの

わざとコントラストが際立つように[白黒]を使って調整したもの

わざとコントラストが際立つように[白黒]を使って調整したもの

[2]CMYKに変換する

RGBよりもCMYKのほうが表現できる色の範囲が狭いことはご存知でしょう。カラースペース(色空間)の違いといいます。印刷するには,RGBの色空間に散らばる色を,CMYKの色空間に押し込める必要があるのですが,単にCMYKにモード変更するだけではこれをちゃんとやってくれているかわかりません。

これを適切に行うのが[プロファイル変換]です。⁠編集]メニューの中にあります。ダイアログが開くと[ソースカラースペース]に画像のプロファイルが表示されます⁠。だいたいは[sRGB][Adobe RGB]のこともあります。印刷用のCMYKに変換するには[変換後のカラースペース][プロファイル]から[Japan Color 2001 Coated]もしくは[Japan Color 2011 Coated]⁠Photoshop CC2015.5から)を選びます。これで印刷したときに元のRGBの色に近い色になるようにCMYKモードに変換してくれます。

 プロファイルとは,カラースペースや出力デバイス(モニタやプリンタ)などの色の情報が書き込まれたファイル。画像に埋め込んで(セットにして)使ったり,変換時に設定したりして使う

③ プロファイルとは,カラースペースや出力デバイス(モニタやプリンタ)などの色の情報が書き込まれたファイル。画像に埋め込んで(セットにして)使ったり,変換時に設定したりして使う

いかがでしょうか。この2つを知っていると知らないでは大違い。簡単だからと落とし穴にはまっていたあなたは,奥の深いPhotoshop道に日々精進しましょう。