疑惑のスイッチ
はい、そういうわけでございまして!
サルでき流企業サイトの作り方、第9回を迎えました。連載二桁まであと1回です。皆さま、無事ついてきていらっしゃいますか?それにしてもワタシのマンガ、サッパリ上達する兆しを見せないのですがどうしたものでしょう。
かの西原りえぞお先生は、その著書の中で「やればやるほど上達ではなく下達する」と仰っておりました。御大ですらそうなのです。下々民であるワタシが気に病むなんて、むしろ尊大の極みと言えましょう。うんうん。そうだそうだ。気にする必要ナッシン。
さてさて、今週のウミネココーポレーション仮設広報部ですが、今まで登場機会がほとんど無かった「ミナ嬢」が主役です。ハカセのアシスタント、なんて言っていますが、その知識はなかなかのものです。流暢にWordPressについて説明をする彼女に「皆釘付け」、もとい「ミナ釘付け」ですね。
……おそらく別の意味で。
そんなこんなで、今回はWordPressのインストールについてのお話をします。前々回、前回とズッシリ重い話が続きましたからね。(読み手のアナタにも書き手のワタシにも記事をチェックする編集サマにも)今回はサクッとライトなお話にしようと思います。一同肩の力を抜いて参りましょう。
準備状況を確認しよう
まずはじめに、ここまでの流れを一旦整理しましょうか。
前回までで、WordPressのファイル一式と、そのファイルをアップロードするためのWebサーバー、そして、記事や設定データを保存するためのデータベースの準備ができました。
え?そんな準備できてたっけ?
それが実はできているのですよ。雑談の隙間隙間で出ていた指示をちゃんとやってくると、なんだかそれっぽい準備ができあがる仕掛けになっていたのです。
そう言えばファイルをダウンロードしたような……。そう言えばサーバーを契約したような……。その後データベースも追加したような……。ね、ちゃんとやっているでしょう?
ちなみに、Webサーバーのドキュメントルートに、正しくWordPress一式をアップロードできているかどうか、今この場でそれを確認することができます(ドキュメントルートってナニ?という方は第7回の最後のほうをチェック!)。
では、ちょっと確認してみましょうか。ブラウザを起動して、こんな感じのURLを入力してください。
入力できましたか?それでは、エンターボタンをポンッと。
こんな感じの画面が出てきたら成功です。
WordPressファイル一式は、無事Webサーバーの所定の場所にアップロードできています。この画面、既になんとなくWebサイトっぽくなっていますね。ボタンとか付いていますし。「ファイルをアップロードしただけで、Webサイトができちゃう」、WordPressのスゴさがちょっとだけ実感できる瞬間です。
設定ファイルをちょっと修正
お、画面が出たことで、急にやる気も出てきましたか?うんうん、わかります。実物を見ると気持ちがアガりますよね。こういうちょっとしたテンションアップは、長丁場に渡るモノづくりにおいては結構大事になってきます。楽しんでいきましょうね。
とは言え、このままでは単なるエラー画面ですので、ちゃんとしたWordPressの画面になるよう修正していく必要があります。どうやらこのエラー画面には修正内容を書いてくれているようです。どれどれ、読んでみましょうか。
「wp-config.phpファイルが見つかりません。開始する前にこのファイルが必要です。」
ふむふむ、何やらファイルが足りないようですね。ちょっと補足しますと、「wp」が「WordPress」のことでして、それの「config」、つまり「設定」ファイルがありませんよ、とこの画面は言っています。
……「設定」なんて、なぜそんな大事そうなファイルが足りないのだ。
うんうん。皆さまからのシンプルな疑問がディスプレイ越しにビシバシ伝わってきます。何が無いって、設定ファイルが無い。そんなこと普通ありえないですよねえ。
そんな不安をお抱えの皆さま。ご安心ください。
実際には設定ファイルはちゃんと存在しています。このメッセージは、「まだ完成していない」状態なので、「ちゃんとした形」にしてくださいね。ということなのです。
では、ちゃんとした形に向けて何が足りないのか、というと、使用するデータベースの情報が足りていません。……お、もう気付きましたか。皆さまなかなかイイ勘をされていますよ。
そうなんです。前回データベースのお話をしたときに、ワタシ最後のほうで、「ここで設定した“データベース名”“ユーザー名““パスワード”をWordPressに教えてあげます」。なんてことを書きました。アレです。アレがココにつながります。
そうとわかれば話は早い。さっそくデータベースの情報をWordPressに教えに行きましょう。方法は2つあります。
方法1:WordPressの画面から設定ファイルを作成する
先ほどの画面を見てください。下のほうに「設定ファイルを作成する」なるボタンがありましたね。このボタンを押して、先に進めていくと、こんな画面が出てきます。
項目が5つありますが、基本的には「データベース名」「ユーザー名」「パスワード」の3つが修正対象で、残りはイジりません。4つ目の「ホスト名」を「localhost」にして動かない場合は、即サーバー運営会社さんに電話しましょう。コレ、まず間違いなくよくある質問ですので、すぐに答えてくれるハズです。
項目を入力したら、送信ボタンを押します。すべての項目が正しく入力されていると、このような画面に切り替わります。
画面下のボタンから、このままインストールに進めます。
方法2:wp-config.phpを直接作成する
「あれ?今の手順カンタンでしたよね。2つ目、いりますか?」
そんな言葉が聞こえてきました、ワタシ。
正直なところ、1の方法でできてしまうのであれば、楽ですし何の問題も無いと思います。でも、でもですね。「ある程度しっかりWordPressの仕組みを知っておきたい」、という方にはこの2つ目がオススメなのです。せっかくですから、やってみましょうよ、ね!
まず、パソコンにあるWordPressファイルを今一度見てみましょう。……え?サーバーにアップロードしたからもう要らないと思って、ゴミ箱に捨てた?
いやいやいや!捨てちゃダメです。確かにサーバーに一式アップロードはしましたが、パソコン上のファイルもちゃんととっておいてください。Webサイトのファイルをイジる場合、「パソコンで直して、サーバーに(コピーを)アップロードする」という役割分担をするのが色々便利ですので、パソコン側のファイルは消さないほうが良いのです。
では気を取り直して、ファイルを見てみましょう。フォルダの中をよーく見ていくと、「wp-config-sample.php」なるファイルがあると思います。見つかりましたか?
先ほどの画面で足りないと言われたのが、「wp-config.php」。ここにあるのが「wp-config-sample.php」。……もうコレはアレだよワトソン君。どう見てもコイツが犯人だよ。
そうなんです。これがwp-config.phpのサンプル(見本)です。このサンプルファイルに対して、「必要な項目を書き込んで」「名前をwp-config.phpにして」「アップロードすれば」、1の方法と同じことができます。
おっ、見本があるならできそうですねっ。
……なーんて、簡単に言ってしまいましたが。よく見るとこのファイル、拡張子が「php」って書いてます。なんですかね、このphpなるファイルは。嫌な予感しかしませんが。
……えー。ここで大変残念なお知らせです。phpというのは、「PHP:HypertextPreprocessor(ピー・エイチ・ピーハイパーテキストプリプロセッサー)」という名前の「プログラミング言語」のことでして……。要するにコイツは、プログラムファイル、ということになります。
ガンバりましょうか、ね。せっかくですし、ね。ああ、そんなに引かないで!
……残っていただいた皆さま、ありがとうございます。それでは思い切って開いてみましょうか。
まずは「どのアプリケーションで開けばいいの?」ですよね。この手のプログラムファイルは、テキストエディタなるもので開きます。簡単に言うとメモ帳です。ですが、Windowsのメモ帳はトラブルが起きる可能性があるので使ってはいけません。
問題なく使えるテキストエディタはこちらになります。
テキストエディタ、用意できましたか?それではそっとwp-config-sample.phpファイルを開いてみましょう。念の為にコピーを取っておきましょうね。
おおお、プログラムっぽい言葉が並んでますよ。ところどころに日本語が書かれているので、なんとか読むことはできそうです。3分くらい見ていると見慣れてくると思います。こんなのを日常イジり倒しているプログラマーさん、とても同じ人種には思えないよね……なんて、そんなことを思いつつ。
さてさて、見慣れてきたところで文字を追っかけていくと、「WordPressのためのデータベース名」なんて言葉に出会うと思います。見つかりましたか?
先ほどWordPressの画面から設定ファイルと作る際に出てきた各項目、「データベース名」「ユーザー名」「パスワード」それに、4番目の項目の「ホスト名」まで、ひとカタマリで書かれています。そうです。この部分を下の画像のように書き換えましょう。
修正が終わったら、ファイル名を「wp-config.php」にして保存。サーバーにアップロードします。
もともとあった「wp-config-sample.php」は以降使いませんが、何かが(何が?)あった時のために一応そのままにしておきましょうか。
インストール画面からGO
さてさて、準備おつかれさまでした!
「今回はサクッとライトに」とか言っておいてこの体たらく。ここまでのトコロ毎度お馴染みゴッテリ記事になっております。ですが、もう大丈夫です。設定ファイルができてしまえば、インストールは終ったも同然です。いやいや、ホントですってば。
それではインストール用の画面に行きましょう。1の方法で設定ファイルを作った方は、そのままインストール画面にどうぞ。2の方法で設定ファイルを作った方は、こんな感じのURLを入力します。
項目を確認してみましょう。「サイトのタイトル」と、「ログインするためのユーザーとパスワード」と、「そのユーザー用(自分なら自分)のメールアドレス」。インストールに必要な情報はこれだけです。
最後の「検索エンジンによるサイトのインデックスを許可する。」は、とりあえずチェックしたままにしておいてください。
では、行きますよ。
一番下の「WordPressをインストール」ボタンをポチッとな!
いやっほーい!これにてWordPressインストール完了です。最後は超カンタン。超スッキリでしたね。
ちなみにここで設定した各種項目は、「ユーザー名」以外はすべて後で変更することが可能です(ユーザー名も、いったんユーザーを削除して再作成すれば変更は可能です)。今はあまり深く思い悩まずに、指示通り5分以内で設定をしてしまいましょう。
まとめ
いかがでしたか?
連載9回分かかって、よ~やく「ようこそ!WordPressへ!」となりました。長い長い前振り、お楽しみ(?)いただけましたでしょうか。
ここまでの「各種設定」や、今回の「phpファイル修正」。いかがでしょう?激ムズでしたか?案外実際にやってみたら、それほどムズカシくなかったんじゃないかなーと思います。ワタシの勝手なイメージですが。
むしろ、やってみると、「なーんだ、そんなことか」と思うこと、多々あったんじゃなかろうかと。そうなんです。わかってしまえば大したことではないのに、「WordPressを導入する」なんて言われると、先に気持ちが滅入ってしまうのです。
何事も「ビビるより、やってみればいいじゃんユー」ですね。この後も簡単なところから小さく小さく積み上げて、Webサイトへの理解を深めながら作っていきましょう。
さてさて、次回からWordPressの本編に突入です。ウワサのWordPress、まずはその画面から見て行きますよ。
…おっと。
と、いうところで終了の時間です。
ではでは、今回はここまで!
次回をお楽しみに~。