業務を改善する情報共有の仕掛け~DevOpsの実現、RPAの導入に向けて~

第7回TrelloとSlackではじめる、楽しいチームコラボレーション(前編)

前回までの連載ではDevOpsについて説明してきました。今回は趣向を変えて、今注目されているコラボレーションツール「Trello(トレロ⁠⁠」についてお話をしたいと思います。

なぜ今回この話をするかというと、これまでの連載に「コミュニケーションの活性化」⁠情報共有の重要性」⁠カルチャーを変える」といったキーワードが出てきましたが、そのキーワードに当てはまるツールの1つが「Trello」だからです。Trelloは非エンジニアの方々にも簡単に楽しく利用できるツールなので、チームコラボレーションがしやすく、⁠カルチャーを変える」ということにも役に立つと考えられます。

それでは、⁠Trelloの基本的な紹介」「Slackとの連携方法」などを紹介していきます。

Trello(トレロ)とは

Trelloは、ボードと呼ばれるカンバン方式のビューでカード(タスク)を視覚的に管理し、チームでの効率的なタスク共有を強力に支援するコラボレーションツールです。クラウドサービス型でスマートフォンやパソコンを使っていつでもどこでも簡単にアクセスでき、複数のチームメンバーが必要な情報を共有し、チームの誰もがタスクの進行状況をすぐに把握できます図1⁠。

図1 Trelloの表示例
図1 Trelloの表示例

Trelloはタスク管理だけでなく「組織のメンバー業務役割」⁠好きなものリスト」⁠ほしいものリスト」⁠年代別や季節別のやりたいことリスト」⁠案件進捗管理表」など、発想しだいで幅広い用途で利用できます。世界的にも、Team Collaboration Softwareの分野ではリーダーに位置付けられているほど人気があります。

Trelloには、無償で利用できるFreeプランと有償のゴールド、ビジネス、エンタープライズの4種類のプランがあり、プランによって「機能」⁠セキュリティ」⁠認証」⁠利用できるアドオン数」に違いがあります。

Trelloの構成

Trelloは、チーム>ボード>カードという3階層構造となっています図2⁠。ボード単位で、利用できるチームメンバーを選択したり、外部ユーザを招待したりすることが可能なため、チームコラボレーションを実現できます。

図2 チーム、ボード、カードの関係
図2 チーム、ボード、カードの関係

ボードの中のリストやカードは自由に作成できるので、自由な発想でさまざまな業務や用途に利用できます。

チーム

共同作業を行うためのチームを設定できます。チームを作成するには、Trelloの左上にある家マーク(ホーム)をクリックして「+チームを作成」というメニューをクリックします。

チームを作成すると「ボード」⁠メンバー」⁠設定」という3つのタブが表示されます。⁠ボード」ではチームが利用するボードの作成と管理、⁠メンバー」ではチームへのメンバーの登録や削除を行えます。また、⁠設定」ではチームの公開範囲(デフォルトは非公開)を設定できます。

ボード

ボードは「パーソナルボード(チームなし⁠⁠」と「チームボード」の2種類があり、公開範囲としては「非公開」⁠チーム」⁠公開」の3つを設定できます。

なお、会社組織で利用する場合や重要な情報を取り扱う場合は、公開範囲を「公開」に設定してはいけません。⁠公開」に設定すると、Googleなどの検索エンジンにも表示されてしまい、誰でも情報を閲覧できてしまうからです。また、無償版を利用している場合は、Trelloを利用している見知らぬユーザを間違ってチームに招待してしまう危険性があることに注意してください。公開範囲の制限やチームメンバーの制限をしたい場合は、ビジネスプランかエンタープライズプランの契約が必要になります。

カード

「カード」はボードの中の「リスト」に作成します。リストは自由な発想で作成できます。たとえばリストを「ToDo」⁠進行中」⁠レビュー」⁠完了」などのプロセス管理として使ったり、各メンバーの名前で作成したリストに役割を記載したカードを作成することで全体を俯瞰した役割管理に利用したりと、発想しだいで用途を広げることができます。

以上、Trelloの基本を解説しました。後編ではSlackなどの他ツールとTrelloの連携方法についてです。

米国Atlassianから、2年連続で
「Top new business APAC」を受賞。
Atlassianセールスパートナーとして
アジアパシフィックで1位の証
米国Atlassianから、2年連続で「Top new business APAC」を受賞。Atlassianセールスパートナーとしてアジアパシフィックで1位の証

日本だけでなく、アジア圏でもアトラシアン製品販売のトップエキスパートであるリックソフトのWebサイトでは、各アトラシアン製品の体験版を提供しているほか、アトラシアン製品専用のコミュニティも運営しています。まずはアクセスしてみては!

リックソフトJIRAデモ環境
https://www.ricksoft.jp/demo/
Software Design

本誌最新号をチェック!
Software Design 2022年9月号

2022年8月18日発売
B5判/192ページ
定価1,342円
(本体1,220円+税10%)

  • 第1特集
    MySQL アプリ開発者の必修5科目
    不意なトラブルに困らないためのRDB基礎知識
  • 第2特集
    「知りたい」「使いたい」「発信したい」をかなえる
    OSSソースコードリーディングのススメ
  • 特別企画
    企業のシステムを支えるOSとエコシステムの全貌
    [特別企画]Red Hat Enterprise Linux 9最新ガイド
  • 短期連載
    今さら聞けないSSH
    [前編]リモートログインとコマンドの実行
  • 短期連載
    MySQLで学ぶ文字コード
    [最終回]文字コードのハマりどころTips集
  • 短期連載
    新生「Ansible」徹底解説
    [4]Playbookの実行環境(基礎編)

おすすめ記事

記事・ニュース一覧