組込み教育委員会

7-3 組込み技術者試験制度(ETEC) 第7回

受験者プロファイル大公開!

「組込みソフトウェア技術者試験クラス2」⁠以下、クラス2試験)が開始から約2年を迎え、多くの企業に推奨されるようになり、受験者数も増えています。そこで今回は、読者のみなさんが組込みソフトウェア技術分野でのポジションや知識レベルなどをチェックできる、最新の受験者プロファイルを紹介します。

受験者の傾向

組込みシステム技術協会(JASA)では、2008年9月度に受験者データを公開しました図1⁠。自分自身の評価の参考として、また企業の社内評価制度、社内研修の成果などに利用できるように3ヶ月更新でデータを提供しています。

図1 受験者データ(2006年11月~2008年8月までの受験者)
図1 受験者データ(2006年11月~2008年8月までの受験者) 図1 受験者データ(2006年11月~2008年8月までの受験者)

実際にデータの公開をしたことで、単なる社員のベンチマークや証明書の取得による自己満足でなく、企業としての「グレードA取得者率」「社員のモチベーションアップ⁠⁠、⁠客観的指標によるプロジェクトの人的品質管理」など、いくつもの効果があります。また、通常業務ではなかなか得られない組込みソフトウェア技術の知識を学習することは、⁠学び方を学ぶ⁠良いチャンスともいえます。

図2(経験年数別グレード割合)のグラフを見ますと未経験者から有識者までの平均点は右肩に上がっています。これは業務から得られる組込み知識から習熟度が上がっていると考えられます。つまり、組込み知識においても長い年月を掛けて得られる重要な基礎技術となります。

図2 開発経験別平均点とグレード割合
図2 開発経験別平均点とグレード割合

また、グレードCが6~10年目の横ばいを境に減っています、またグレードBが4~5年から下がってきますので、このクラス2試験の有効は未経験から10年目程度と考えれられます。11年以上は知識の習熟度が高いので、上位の試験である組込みソフトウェア技術者試験クラス1をお勧めします。

受験者プロファイルはETEC公式Webサイトでご覧いただけます。

クラス2試験の使い方

使い方については企業によってさまざまありますが、まずは技術者それぞれのベンチマーク作りから始めます。

(1)代表的な技術者によるベンチマーク作り

全組込み技術者の20%程度を「経験別」⁠部署別」など分けて受験し、下地を作ります。

(2)クラス2試験全国平均との比較・分析

得られた結果と全国平均値を比較し、どの年代、どの部署に偏りがあるかなどを分析をします。

(3)技術/開発/管理分野の強み・弱みを把握

さらに技術要素、開発技術、管理技術での正答率から弱みの潜んでいる分野を把握します。

(4)組込み教育のリトレーニングの検討・実施

対象となる技術者へ専門的な教育機関や図書を通じて学習を促します。この段階で、全技術者への水平展開を実施し、全体の底上げを図ります。

(5)クラス2試験再受験による学習・研修効果の確認

日常的に忙しい組込み技術者への教育であるため、受験料の負担や報奨金の提供、受験機会の提供、学習教材・研修コースへの参加などを企業側で考慮するのはポイントの1つです。

クラス2試験の対応書籍

[1]標準テキスト 組込みプログラミング≪ハードウェア基礎≫(クラス2試験模擬問題付)
富士通ラーニングメディア 編著、技術評論社 刊、ISBN978-4-7741-3426-0
[2]標準テキスト 組込みプログラミング≪ソフトウェア基礎≫(クラス2試験模擬問題付)
富士通ラーニングメディア 編著、技術評論社 刊、ISBN978-4-7741-3507-6

さらに、企業での採用方法、試験の使い方、受験結果分析支援、受験料特別割引などをWebサイトでも公開しています。

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