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2018年11月第3週Samsungが折りたたみディスプレイ搭載のコンセプト端末を披露

Samsungが折りたたみディスプレイ搭載のコンセプト端末を披露

先週は、中国メーカのRoyoleが手帳のようにディスプレイが折りたためるスマホ「FlexPai」を発表しました。今週は、折りたたみディスプレイの本命、Samsungがコンセプトモデルを披露しました。

お披露目されたのは、11月7日にニューヨークで開催された開発者向け会議「Samsung Developer Conference 2018」です。製品モデルではなくコンセプトモデルとして披露されて、量産は数ヵ月以内に開始するとされています。コンセプトモデルを見せる際は、プレゼンター周辺の照明が暗くされて、端末デザインがわからないようにする念の入れようです。

コンセプトモデルは、ディスプレイを広げると7.3インチのタブレットになり、閉じるとディスプレイが内向きに曲がりスマホとして使えます。Royole FlexPaiは、ディスプレイが外向きに曲がります。

ディスプレイを閉じた状態では、外側の細長いディスプレイが有効になります。

動画を観る限り、流行りの全面ディスプレイではないように見えます。また、ホーム画面に表示されたアイコンの大きさと、指の大きさの関係からも画面サイズは大きくはなさそうです。このディスプレイは、Allways On Display機能も備えておりGalaxy Sシリーズと同じように使えます。

折りたたみディスプレイとして搭載されているのは、Infinity Flex Displayと名付けられたフレキシブル有機ELディスプレイで、Samsungが独自開発した接着剤や薄型化した偏光板パーツを使うことで柔軟性を確保しています。また、何十万回もの折りたたみにも耐えるとされています。ただ、FlexPaiのようにディスプレイの曲がる部分にシワが入るのかは、現状ではわかりません。

Samsungは、このディスプレイを活かすべく同時に3つのアプリが起動できる独自拡張を行っています。これは、PCのようなマルチウィンドウではなく、画面上にはタイル状にアプリが表示されます。

Samsungは、FlexPaiとは違ってディスプレイの曲がる部分を活用するなどの特徴付けをしていません。似た技術を使いながらも、外向きと内向きの違いだけではなく、折りたたむことに対する考え方も違っており面白いです。

Androidも折りたためるディスプレイに対応

FlexPaiは、折りたためるディスプレイを活用するために、Androidベースの独自OS「Water OS」を搭載しますが、Samsungはアプローチが異なりGoogleと協力して、折りたためるディスプレイをAndroid OSでサポートします。

Googleからは、11月7日にカリフォルニアで開催された「Android Dev Summit」で、Androidを折りたたみディスプレイに最適化していると発表がされています。

Android Developers Blogのエントリには、折りたたみディスプレイの動作イメージを示すGIFアニメーションが公開されています。これは、Samsungが披露したコンセプトモデルと同じ動きをしています。

詳しい情報は出ていますが、OSとして複数画面を持つことを許容するような拡張となるように見えます。Samsungのコンセプトモデルは、内側のディスプレイと外側のディスプレイを同時に使えないので、内側のディスプレイを折りたたむと外側にディスプレイに表示が切り替わる仕組みになるのかもしれません。

となれば、アプリ動作中に解像度の違うディスプレイに表示が切り替わることになります。AndroidアプリのUIは、レスポンシブデザインであることが多いので、動作には問題ないと予想でき、登場当初から対応アプリに苦労はしなさそうにみえます。ただ、ディスプレイの回転とは違うので、アプリからすれば縦と横以外にもうひとつのレイアウトを考慮する必要があります。しかし、外側ディスプレイを縦画面の亜種と考えれば、それほど面倒なものではなさそうです。

提供は来年

Android Developers Blogに、Samsungの端末は来年提供予定と書かれているので年内発売はなさそうです。また、他メーカーも端末を開発しているような書き方がされています。もしかすると、来年発売されるフラグッシップのいくつかは、折りたたみディスプレイを搭載している可能性があります。

全面ディスプレイが当たり前のものになり、次のトレンドは折りたたみディスプレイとなりそうです。全面ディスプレイと違うのは、これを活用するためにアプリ側も頭を悩ませる必要があるところです。皆さん、腕の見せどころです。

今週は、このあたりで、また来週。

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