会社で「ポエム」を綴ろう! ~ポエム駆動で理想を語ると社内の風が変わる!~

第5回(最終回) pixivと「ポエム」の未来へ

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問題を乗り越えた先にある将来の理想像

前述の問題が解消されたらば,もっと次々に新しい考えが表現され,優しくかつ厳しい議論で磨かれ,実現力に溢れたプロジェクトが立ち上がり,ヒットする事業が生まれる。更にそこから新しいアイディアが湧き出てくる。そのような流れ生まれるのが将来の理想像です。

もちろんそれは簡単な事ではありません。新しい考えを発想することも,それを的確に表現することにも,技術と場数が必要です。議論にしても常にうまくできるわけではありません。たくさんの失敗を重ねる必要があります。プロジェクトはそもそも不確定なもので,結果を出すこと自体が厳しいチャレンジです。ましてヒットさせる想いが強いくても,どれだけマーケットの読みが強くても,ヒットに到達するには数々の困難があるでしょう。

しかし,いずれも我々なら問題を乗り越え,理想に達成できると確信しています。なぜなら「ポエム」を綴る文化があるからです。

「ポエム」は想いが高まった時に溢れてきます。今までにない困難に突き当たった時,どう進めばいいかわからなくなった時,きっと「ポエム」を書いて皆に伝えて,問題発見と解決ができるようになると信じています。つまり,よりもっと想いを「ポエム」として表現し,⁠ポエム」と真正面から向き合うことによって,ブレイクスルーを見いだすことができるようになると信じています。

「ポエム」を綴ることはもはや目的ではありません。⁠ポエム」によって進むべき先を見据え,⁠ポエム」によってプロジェクトを開始し,⁠ポエム」によって問題を突破していくこと。つまり,実現への力として駆動することが,これからの改めて進めたい「ポエム」活用で,そのための仕組みと文化を築けるようになるのが組織的な成長だと考えています。

これからポエムをスタートするなら

「ポエム」を書くことを取り入れたいという事を耳にするようになってきました。これから会社で「ポエム」を取り入れようとする場合,下記2点に留意すると比較的スムーズに導入できると思います。

  1. 普段のコミュニケーションツールに流す
  2. 導入を推進する人が積極的に「ポエム」を流す

1. 普段のコミュニケーションツールに流す

普段のコミュニケーションツールに「ポエム」の更新情報が流せるかどうかが最も重要です。また単に更新が流れればいいだけではなく,更新したらば即他のメンバーが気づく事ができるのが要点です。ピクシブで利用しているesa.io以外にも,Qiita:Team,GitHubなどを使った事例を聞いたことがありますが,いずれも外部ツールにリアルタイムに更新通知を発信することができます。

そこで問題になるのはコミュニケーションツールです。ピクシブではidobataを利用していますが,他にSlack,HipChat,ChatWorkなどの著名なグループチャットツールにはWebHook機能が備わっており,esa.ioを始めとする各種ツールからの更新通知を流す事ができます。もしこれらのようなグループチャットツールを利用していない場合は,まずその導入を進めて,リアルタイムに同じ情報を確認できるコミュニケーション基盤を整えることに専念すると良いでしょう。

リアルタイムで通知を流すことができるかどうかはとても重要です。⁠ポエム」を書くツールそのもの以上に重視すべき部分です。⁠ポエム」はそれが読まれたのち,反応が生まれることで繋がっていきます。

2. 導入を推進する人が積極的に「ポエム」を流す

「ポエム」「ポエム」を呼んで,徐々に活発になります。そのためには導入を推進する人から積極的に「ポエム」を流したり,コメントをつけたりして,盛り上げを図ると良いでしょう。

しかし,導入を推進する人自身には,頑張って書いていてもなかなか反応帰ってこずに辛い思いをするかもしれません。そういう場合は,直接感想を尋ねてみるとか,返事をコメントとして書くようお願いするとかで,自分に反応が来るように仕向けるのは一つの手かと思います。

またもし可能であれば,導入の推進を1人ではなく複数人で行って,互いに反応しあうようにするのも一つの手です。

連載のまとめ

今回がこの『会社で「ポエム」を綴ろう! ~ポエム駆動で理想を語ると社内の風が変わる!~』連載の最終回です。

この連載の各回一覧ページに,この連載について,下記のように述べました。

会社で「ポエム」を書く事によって,プロダクト開発が活発化する,考えや意見が互いに語られる,新しい取り組みがスタートするなど,組織のアクティブさを増す効果が生まれます。この連載ではポエムで開発を駆動させることの良いところ(と,良くないところも)について執筆します。ピクシブにおける事例として,どのように人や社内が変わったのか,順を追って過程を解説し,今後の展望についても述べます。

連載の中では,導入の経緯から具体的な使い方,人や社内が変化したところ,次に私たちが立ち向かうべき問題まで,出来る限りの事を書いたつもりです。

この「ポエム」綴るやり方に興味を持ったならば,今一度読み返していただき,ぜひ皆さんの会社やチームでも実践してもらえれば嬉しいです。

そして,その事例を公開していただき,想いを綴る場所がある事が当たり前になっていくと良いなと思っています。

著者プロフィール

小芝敏明(こしばとしあき)

"古きよき時代から来ました,まじめなSE,まじめにSE"がキャッチフレーズ。開発マネジメント,システム設計,プログラミング,運用,登壇,執筆,カンファレンス運営と手広く技術仕事をたのしんでいる。

ピクシブ株式会社 開発マネージャ,アニメイトラボ株式会社 最高技術責任者,RubyKaigi 2015 Organizer

休みの日は,ライブに行ったり,自転車に乗ったり,技術系同人誌を作ったりしている。コスプレも少々。和服と全身タイツが似合う。

サイト:http://bash0C7.hatenablog.com/

Twitter:@bash0C7