インターネット中継するための,配信のキホン

第4回 Ustream.tvでPicture in Picture(PinP)の配信をおこなおう

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スライド中心の配信:スライドはVGA分配器で,発表者はビデオカメラでキャプチャする

勉強会や研究会などの中継は,スライドの文字と発表者の声がきちんと配信できるかが重要です。そこで次に,スライドのみの映像を大きく映し,その映像の隅に小さめのサイズで発表者を映して,それを1つの映像として配信してみましょう。

スライド映像の取り込み

スライドの映像を取り込むにあたって,スライドが表示されているスクリーンをビデオカメラで撮るのではなく,スライドの映像を直接取り込んで配信してみましょう。これにより,スライドに記述されている文字をよりくっきりとした形で配信することができます。

Note:
発表者のスライドが入っているパソコンのデスクトップ上の映像をそのまま配信することになりますので,発表者のパソコンでデモをする際にも有効です。

まず前提とすることがあります。それは,発表者のスライド(XGAサイズ;1024px×768px)の入っているノートパソコンのVGA出力端子(D-Sub(15pin⁠⁠)から,D-Sub(15pin)端子ケーブルを利用してスクリーンに出力すると仮定します。

Note:
現状,スクリーンへの出力はまだまだD-Sub(15pin)が現役だと思いますので,このように仮定しました。また,MacBookなどではMini DisyplayPortが標準の出力端子ですので,発表者用のパソコンとしてMac Bookを利用する場合にはMini DisyplayPortをD-Sub(15pin)に変換するためのアダプタが必要です(多くの場合,発表者は変換アダプタを持参しているようです⁠⁠。

スライドの映像データを直接配信するには,一つはスクリーン出力のために,もう一つは配信用のために,発表者のパソコンのVGA端子(D-Sub(15pin⁠⁠)からの出力を分配する必要があります。

この分配と配信のために,VGA分配器と,D-Sub(15pin)を入力可能なビデオコンバータ,VGAケーブル(x2本。そのうち1本は10mあると良い)が必要になります。

Note:
スクリーン出力用のVGAケーブルは通常,会場に用意されているため,上記本数から外しています。

著者が利用しているVGA分配器はVGA-SP2です。VGA-SP2は,大きめの解像度の出力に対応しており,16:9の画面比の出力にも対応しているため,分配によるスクリーン出力の影響はないと考えてよいでしょう。

Note:
設備が良いイベント会場では,16:9のスクリーンが設置されている場合もあります。

また,D-Sub(15pin)の入力端子をもつビデオコンバータは,第3回でも取り上げたTwinpact 100を利用するのがよいでしょう。

これらをVGAケーブルとIEEE1394aケーブルでつなぎます。
[発表者のノートパソコン][VGA分配器][スクリーン]と,⁠発表者のノートパソコン][VGA分配器][ビデオコンバータ(Twinpact 100⁠⁠]-[配信用パソコン]という,つなぎ方になります。

VGA分配器は,発表者のノートパソコンがある位置に置くのがベストでしょう。そのため,発表者のノートパソコンとVGA分配器をつなぐVGAケーブルは1m程度の短いケーブルで問題ないと思います。また,配信用のパソコンの近くにビデオコンバータを置くことになると思いますが,その場所までVGAケーブルを引くために,このVGAケーブルにはそこそこの長さが必要になります。具体的には,発表者を別途ビデオカメラ等で撮ることから,最前列近くに配信用のパソコンが置かれることになると思います。そのため,VGA分配器とビデオコンバータをつなぐVGAケーブルの長さは10m程度あると良いでしょう。

Note:
VGA-SP2の取扱説明書によれば,5m以上のケーブルを使用した場合に,映像が荒くなる場合もあると注意書きがあります。しかしながら,通常10mのVGAケーブルを利用していて,映像が荒くなるという現象はないように思います。ただし,相当古い5mほどのVGAケーブルを利用した場合,分配された映像が荒くなりました。
Note:
ここまで読んでいただけると分かると思いますが,スライドと音声さえ配信できればOKとしてしまう場合には,デジタルビデオカメラやWebカメラがなくても十分に配信できてしまうことに気づくと思います。とはいっても,マイク用途にデジタルビデオカメラがあると便利です。

発表者の映像の取り込み

ここでは,発表者をデジタルビデオカメラで撮ってみることにしましょう。この場合,さらにもう一台のビデオコンバータ(D-Sub入力端子をもってなくてOK)が必要になります。

つなぎ方は第3回と同じで,⁠デジタルビデオカメラ][ビデオコンバータ][配信用パソコン]となります。

なお,配信用パソコンには,スライドの映像を入力するほかに,デジタルビデオカメラの映像を入力しますので,IEEE1394a入力端子が2つ必要になります。そのため,ノートパソコンでPicture in Pictureの配信を考えている場合には,IEEEカードの増設が必須でしょう(ノートパソコンではIEEE1394a端子は2つ以上ついている機種はないと思います⁠⁠。

Note:
もちろん,発表者をUSB接続のWebカメラで撮る場合には,ビデオコンバータは必要なくなりますし,配信用のパソコンのIEEE1394a端子は1つで良いということになります。

著者プロフィール

高橋和道

gihyo.jpの中で,はたらいています。みなさんも連載してみませんか。

URL:https://twitter.com/k_taka