[入門+実践]要求を仕様化する技術・表現する技術
―仕様が書けていますか?
―仕様が書けていますか?
2005年10月7日紙版発売
清水吉男 著
A5判/368ページ
定価2,838円(本体2,580円+税10%)
ISBN 4-7741-2523-7
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書籍の概要
この本の概要
ソフトウェア開発の根本であり工程すべてに関わってくる「要求の仕様化」について,現場で指導にあたる著者がその重要性からじっくりと解説していきます。「要求」とはなにか「仕様」とはなにかという「本質」から説き,仕様書作りの考え方や表現方法を具体的に提示します。相次ぐ「仕様の変更」に悩まされる現場のエンジニア必携の一冊です。
こんな方におすすめ
- 相次ぐ「仕様の変更」や「バグの発生」に悩まされているエンジニアに
- ソフトウェア開発をスムーズに進めたいエンジニアに
- 要求仕様に関心があるすべてのエンジニアに
- システムの発注者側の人にも
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- 『要求を仕様化する技術・表現する技術』の著者へのインタビュー
- ご好評をいただいております『要求を仕様化する技術・表現する技術』の著者,清水吉男氏にお話を伺いました。
目次
はじめに
- 仕様にまつわるトラブルの頻発
- 要求仕様の不完全性
- Agileへの逃避の問題
- 適切に表現されなければ漏れる
- 派生開発での考え違い
- CMMとの遭遇
- CMMで見落とされたこと
- 仕様を誰が書くか
- 筆者自身の経験から編み出した方法
- この本にかける思い
- 構成について
- 謝辞
第1部 要求仕様にまつわる問題
- 第1章 要求仕様にまつわる問題
- 1.1 どこで問題が発生しているか?
- 1.2 要求仕様のトラブルの実態
- 1.2.1 仕様モレ
- .2.2 解釈の違い
- 1.2.3 仕様の衝突(矛盾)
- 1.2.4 テスト不足
- 1.2.5 市場からの反撃も
- 1.3 曖昧な仕様で作業に入っている
- 1.3.1 構造が傷ついていく
- 1.3.2 “潜在バグ”の意味
- 1.3.3 仕様書の良否の判断ができない
- 1.4 顧客からの仕様変更が頻発して……
- 1.4.1 現状はどうなっているか
- 1.4.2 最後になって機能に制限がつく
- 1.5 要求した機能を満たしていない
- 1.5.1 専門のテストエンジニアがいない
- 1.6 納期の遅れとなって表面化する
- 1.6.1 何度も作り直している
- 1.6.2 試作の発想が消えない
- 1.7 品質要求に応えられないSE
- 1.7.1 保守性要求に居直るソフト会社
- 1.7.2 タイトルだけの要求仕様書の危険性
- 1.7.3 品質要求を見たことがない
- 1.7.4 品質要求を仕様化できない
- 1.7.5 設計技術にバリエーションがない
- 1.8 派生開発での仕様トラブルはもっと複雑
- 1.8.1 ソースから仕様を理解できるか
- 1.8.2 変更要求(仕様)が表現されていない
- 1.8.3 変更要求がブレークダウンされない
- 1.8.4 でき上がりの仕様が書かれている
- 1.8.5 どこが修正されたのかわからない
- 1.8.6 異なる変更要求の修正が同じ箇所にぶつかる
- 1.8.7 一つの変更要求に複数の人が絡む
- 1.8.8 各自の修正を集めて動かしてみると??
- 1.9 設計書が省かれてしまう原因になっている
- 1.9.1 設計レベルの仕様と混同
- 第2章 なぜ仕様のトラブルが起きるのか
- 2.1 問題が明らかにされたか?
- 2.2 仕様化の作業を放棄した
- 2.2.1 それって仕様か?
- 2.2.2 要求が表現されていない
- 2.2.3 説明なのか仕様なのかわからない
- 2.2.4 概要に隠れる仕様
- 2.2.5 画面仕様も項目だけしかない
- 2.2.6 仕様化に必要な時間を投入していない
- 2.3 ドメインの知識がない
- 2.4 バグの経験だけでは役に立たない
- 2.5 レビューできた仕様書か
- 2.5.1 どこに何が書いているのかわからない
- 2.5.2 “仕様”になっていない
- 2.5.3 まとめてのレビューになっている
- 2.6 FIXした・しないでもめる理由
- 2.7 途中で仕様変更が混乱する理由
- 2.8 望みはある
- 第3章 要求仕様は不要か?
- 3.1 テスト仕様で代われるか?
- 3.2 仕様化しないほうが儲かる?
- 3.3 “不完全な要求仕様”の誤解
- 3.3.1 はじめから要求を正しく把握することは困難か?
- 3.3.2 初期に時間をかけて“完全な”仕様化に取り組む価値はない?
- 3.3.3 予測するよりも“適応”するほうが重要か?
- 3.4 “コードなら書ける”の仕組み
- 3.4.1 仕様を書くよりもコードを書くほうが早いか?
- 3.4.2 設計しながら仕様を探り出す?
- 3.5 GUI構築ツールで仕様を引き出せるか?
- 第4章 仕様化の効果
- 4.1 要求仕様がすべての始まり
- 4.2 一気に解消する混乱
- 4.2.1 仕様の変更率が1/5に減った
- 4.2.2 仕様変更時に影響する仕様を確認できる
- 4.3 設計や実装のイメージができる
- 4.4 不用意な「試作」が減る
- 4.5 設計や実装時に仕様の確認ができる
- 4.6 レビューで感じる仕様化の効果
- 4.7 トータル工数が短くなる
- 4.8 設計に入る前に機能の難易が見える
- 4.8.1 早期にトレードオフの交渉ができる効果
- 4.8.2 仕様化でウォーターフォールの誤解を解く
- 4.8.3 インクリメンタル開発への切り替え
- 4.9 顧客との良好な関係を築ける
- 4.9.1 “別に料金を払う”といってきた
- 4.10 ITゼネコンとの訣別
- 4.10.1 分割発注への道
- 4.11 要件管理に取り組める
- 第5章 要件開発の重要性
- 5.1 文書にする理由
- 5.2 “わかる”の問題に対応する
- 5.3 なぜ“要求”仕様書というのか?
- 5.3.1 作ることを誘導できなければ意味がない
- 5.3.2 「作るための文書」であることの好都合
- 5.3.3 新規開発と派生開発の「要求」の違いをあらわす
- 5.3.4 派生開発では「差分」の分だけが“要求”
- 5.3.5 機能仕様書との関係
- 5.4 要求仕様は誰が書くのか
- 5.5 顧客からの要求仕様書を洗練する
- 5.6 仕様モレと仕様間の衝突を早期に発見する
- 5.7 要件開発をスケジュール管理のなかで行う
- 5.8 要件開発と要件管理は車の両輪
- 5.9 要求工学における世界の動き
第2部 要求仕様を書く
- 第6章 “要求”を書く
- 6.1 要求の役割
- 6.1.1 要求には「範囲」がある
- 6.2 要求の表現
- 6.2.1 要求の表現の難しさ
- 6.2.2 「範囲」をあらわしているか
- 6.3 要求には「理由」がある
- 6.3.1 なぜ「理由」にこだわるか
- 6.3.2 要求と理由でセット
- 6.3.3 慣れないうちは理由に要求が混じる
- 6.4 必要なら「説明」を付ける
- 6.4.1 要求の理解を助けるもの
- 6.4.2 用語集への展開
- 6.5 要求のカテゴリ化
- 6.5.1 コンテキスト図でシステムの境界を明確にする
- 6.5.2 システムの世界を分割する
- 6.6 要求のモレを防ぐことが重要
- 6.7 品質要求を確認する
- 6.8 品質要求の表現
- 6.8.1 機能に付随する品質要求
- 6.8.2 製品・システム全体に属する品質要求
- 第7章 要求の階層化テクニック
- 7.1 要求を階層化して範囲を狭める
- 7.1.1 分割の基準
- 7.1.2 時系列分割
- 7.1.3 構成分割
- 7.1.4 状態分割
- 7.1.5 共通分割
- 7.2 「MECE」の活用
- 7.3 階層化しても「要求」に変わりはない
- 7.4 依頼者と分割の基準を共有する
- 7.5 階層は2層ぐらいで止める
- 第8章 要求を仕様化する
- 8.1 仕様とは
- 8.2 “Specify”の意味
- 8.2.1 均一である必要はない
- 8.2.2 ベテランを投入する意味
- 8.3 仕様で衝突する
- 8.4 いつ仕様化すべきか?
- 8.5 検証可能性について
- 8.5.1 テストエンジニアによるレビュー
- 8.6 固有の番号を付ける
- 8.6.1 番号の確定は少しあとに回そう
- 8.6.2 番号化における注意
- 8.6.3 要件の実現性追跡に重要な手掛かり
- 8.6.4 テストケース仕様とつなぐ
- 8.7 要求の階層のなかで仕様を捉える
- 8.7.1 「範囲」が見えることで仕様が引き出せる
- 8.8 さらに範囲を狭めるためのグループ化
- 8.8.1 要求の分割基準を準用
- 8.8.2 グループ分けのパターン化
- 8.8.3 要求の代役としてのグループ
- 8.9 シナリオ機能と単純機能の違い
- 8.9.1 ユースケースだけでは仕様を拾いきれない
- 8.9.2 “フローチャート”の落とし穴
- 8.10 仕様と要求の混在の問題
- 8.11 仕様から要求を立てる
- 8.11.1 要求を立てる意味
- 8.11.2 ふさわしい要求に収容する効果
- 8.11.3 仕様を「裸」にしない
- 8.12 “ペースト作文”の弊害
- 8.13 「否定表現」などの曖昧な表現を避ける
- 8.14 “FIX”から“賞味期限”へ
- 8.14.1 なぜFIX を要求するのか?
- 8.14.2 FIXに潜む落とし穴
- 8.14.3 その仕様は何に依存しているのか?
- 8.15 品質要求の仕様化
- 8.15.1 機能に付随する品質要求の仕様化
- 8.15.2 保守性などの要求の仕様化
- 8.15.3 品質要求はテストでも確認する
- 8.16 確定しない仕様の表現
- 8.16.1 「T.B.D」では合意できない
- 8.16.2 あとは要件管理でカバーする
- 8.16.3 依頼者と事前の合意が必要
- 8.17 設計情報の扱い
- 第9章 Excelによる仕様化の勧め
- 9.1 「Excel」のほうが細かな使い方ができる
- 9.2 要求書と要求仕様書を一体化
- 9.2.1 最初に「要求書」を展開する
- 9.3 要求TM(トレーサビリティ・マトリクス)への展開
- 9.3.1 仕様変更時に効果を発揮する
- 9.4 自在に「列」を設計する
- 9.5 WBSとの違い
- 9.6 Excelで書くときの注意
- 第10章 派生開発における要求仕様書
- 10.1 “部分理解”の世界である
- 10.1.1 人の書いたソースを理解できるか?
- 10.2 要求仕様書の体系を持ち込む
- 10.2.1 “仕様”で出される変更要求
- 10.2.2 「変更要求」を立てることの効果
- 10.3 旧状態を表現する
- 10.4 何が変更されるかを表現する
- 10.5 「差分」を書く
- 10.6 変更の種類
- 10.7 変更の要求
- 10.7.1 ソースの変更を変更仕様として記述する
- 10.7.2 スペックアウトしながら変更要求仕様を拾い出す
- 10.8 追加の要求
- 10.8.1 機能追加も実装レベルの仕様変更が不可欠
- 10.8.2 変更要求と追加要求に分ける
- 10.9 移植の要求
- 10.9.1 移植は追加よりも難しいことがある
- 10.9.2 移植元の変更も変更要求仕様で扱う
- 10.10 削除の要求
- 10.11 派生開発の品質要求
- 第11章 画面仕様書のあり方
- 11.1 画面仕様書の問題点
- 11.2 画面操作全体に対する要求はあるか?
- 11.3 個別の画面設計の指針としての仕様
- 11.4 画面遷移と画面仕様を連携させる
- 11.5 機能仕様との連携
- 11.5.1 重複は避けよう
- 第12章 ヒアリング時の注意
- 12.1 ヒアリングの目的
- 12.2 “システムの目的”を確認する
- 12.3 今回の要件定義の手順について同意を得る
- 12.4 仮説見積りに基づいた仕様作成期間
- 12.5 契約時には,仕様の項目数の見積りを付ける
- 12.6 要求仕様書の「体系」を示す
- 12.7 事前にヒアリングの範囲を知らせる
- 12.8 こちらの要求仕様のフォーマットに慣れてもらう
- 12.9 言われたことをメモしただけではダメ
- 12.10 品質要求をヒアリングする
- 12.11 未決項目を含んだ状態でのベースライン設定
- 12.12 顧客を仕様化作業に巻き込む
第3部 要件管理と計測
- 第13章 仕様化を支える要件管理
- 13.1 なぜ,仕様が変更されるのか?
- 13.2 関係者へのオリエンテーリング
- 13.3 要求仕様書をレビューする
- 13.4 ベースライン設定と合意
- 13.5 以後の仕様変更をコントロールする
- 13.5.1 CCBは判断と指示を出すだけ
- 13.5.2 変更率5%以下の効果
- 13.5.3 最初のサイズ見積りが説得力となる
- 13.6 未定義だった仕様が決まる
- 13.7 いつ仕様変更を実施するか
- 13.8 仕様変更を期間限定で募集する方法もある
- 第14章 仕様化の出来栄えを測る
- 14.1 何を計測するか
- 14.2 レビューでの指摘件数とバグ件数の関係
- 14.2.1 獲得時間の集計
- 14.3 データは組み合わせると声を発する
- 14.4 バグから学ぶ要件開発の方法
- 第15章 仕様化技術の応用
- 15.1 リスク管理へ応用
- 15.1.1 「リスク」の表現に問題がある
- 15.1.2 要求と要求仕様の関係と類似
- 15.1.3 リスクと要因で「範囲」を示す
- 15.2 課題への対応が見えずにうろうろする
- 15.3 作り替えても前と変わっていない
- 15.4 業務指示もその場で具体化しよう
- 15.5 会社の方針がそのまま降りてくる
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