知りたい!サイエンスシリーズアリの生態 ふしぎの見聞録
--60年の研究が解き明かすアリの素顔
2008年9月27日紙版発売
久保田政雄 著
四六判/240ページ
定価1,738円(本体1,580円+税10%)
ISBN 978-4-7741-3639-4
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書籍の概要
この本の概要
アリの祖先はどこから来たの? アリにはいったいどのくらいの種類がいるの? アリといえば働きものの代名詞のような存在だけど,必要なとき以外は働かないって本当? アリの生活は単なる「群れ」ではなく,「社会」としてよく機能しているため,研究の対象としても優秀。社会生物学のブームとあいまって,多くの論文も発表されてきたが,理解するにはなかなか骨がおれるものが多い。
本書は,そういった難解な面からではなく,アリの魅力にとりつかれ,国内はもちろん,海外へも調査の足をのばしてきた筆者が,いわば雑談でもするかのように,アリの世界の不思議を語ったサイエンス・エッセイです。
こんな方におすすめ
- アリの好きな人
- 昆虫,生物の生態に興味のある人
- サイエンス全般に興味のある人
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- 『アリの生態 ふしぎの見聞録―60年の研究が解き明かすアリの素顔」アリとともに60年
- アリと言えば,『イソップ物語』の「アリとキリギリス」の話を思い出す方も多いでしょう。この話の中で,草の実をせっせと集めていたのは,クロナガアリだそうです。
目次
口絵……アリの写真館
第1章 アリの観察とルーツを捜して60年
- 1 「イソップ物語」のアリが集めていたもの
- 2 クロナガアリが私のアリ研究60年の始め
- 3 考古学者がアリに騙されたこともある
- 4 地価高騰でアリの研究もできなくなった
- 5 アリを誘惑して種子をまいてもらう植物
- 6 化石に封じ込められたアリの祖先を捜す
- 7 自然がつくってくれた顕微鏡用標本
- 8 溶かされてしまった日本の〝古代アリ〟
- 9 生きている〝化石〟アリが発見された!
- 10 現在のアリのルーツ捜しにこんな障害が
第2章 アリも人間の働き者にはかなわない
- 1 アリは必要な時以外には働かない
- 2 仕事が終わって〝一服する〟アリ
- 3 暑い日にはアリも出歩かない
- 4 アリの引っ越しは,じつは〝奴隷狩り〟
- 5 ほかのアリの巣を堂々と乗っ取る女王アリ
- 6 ベトナムから〝密航〟してきたアリ
- 7 アリの背中に乗るアリやカイガラムシ
- 8 アリに〝だっこにおんぶ〟の甲虫
第3章 「ジャングル」の常識は通用しない
- 1 日本のアリは北と南の〝場末〟の重なり
- 2 熱帯雨林(ジャングル)に棲息するアリ
- 3 〝ガラスの森〟にいる恐るべき生物とアリ
- 4 インドネシアにウォーレスの跡を訪ねて
- 5 珍種のアリがいる場所ほどゾッとする
- 6 凶悪アリが日本を狙う
- 7 人間にからみついたり刺す植物
第4章 怖いアリ,愉快なアリ,痛いアリ
- 1 人間や家畜を骨だけにする〝陸のピラニア〟
- 2 はさみ撃ちや投網式に餌をハンティング
- 3 巨大な巣の〝農場〟でキノコを栽培する
- 4 ジャンプするアリは専守防衛の知恵から
- 5 すごんで見せたり爆発するアリ
- 6 巣の穴を石頭で栓をして防衛するアリ
- 7 長男が弟を次々に殺し雌を独占するアリ
- 8 糸を紡いで巣をつくるアリたち
- 9 アリも〝麻薬〟に溺れると怠けるようになる
- 10 アリはなぜ方向音痴にならないのか
- 11 アリの目は大きくてもひどい〝近眼〟
- 12 雄の目が大きいのは交尾のつごうから
- 13 アリも虫のいどころが悪いと刺す?
- 14 刺されると命の保証ができないアリ
- 15 アリをセックス・チェックすると
第5章 アリの這い入る隙間もない
- 1 〝ウサギ小屋〟がシロアリを増やしている
- 2 シロアリはゴキブリ,アリはハチの親戚
- 3 シロアリよりやっかいなイエヒメアリ
- 4 アリのためにマンションを放棄した例も
- 5 日本を窺う凶悪アリ
- 6 電話機の中にアリの大好きな餌があった
- 7 アリが畑や森の害虫駆除に役立つことも
- 8 女性器の改造や外科手術にアリを使う
- 9 アリをご馳走として食べる人びと
- 10 アリの体から生えるキノコ「アリタケ」
- 11 アリジゴクから回虫まで天敵さまざま
- 12 アリの最大の天敵はニンゲンである
第6章 アリをペットとして飼育する
- 1 女王アリを捕まえてコロニーをつくる
- 2 「孤独な女王」の子育てと家づくり
- 3 アリを飼うのに土はないほうがいい
- 4 ガラスを通して見るアリの世界のさまざま
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