知りたい!サイエンスシリーズ昆虫はスーパー脳
--ヒトと対極の進化で身に付けた「超脳力」-

[表紙]昆虫はスーパー脳 --ヒトと対極の進化で身に付けた「超脳力」-

紙版発売

四六判/256ページ

定価1,738円(本体1,580円+税10%)

ISBN 978-4-7741-3368-3

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書籍の概要

この本の概要

地球上で最も繁栄する生物,それは昆虫。彼らの脳の大きさはヒトと比べてたった10万分の1。しかしその小さな脳には驚くべき能力が備わっているのだ。精巧な運動能力を司り,学習・記憶能力も抜群。そのうえ高度な社会まで作り出す。なぜこれほどの機能を発揮できるのか。そこに秘められた驚異の世界を覗いてみよう。

こんな方におすすめ

  • 昆虫に秘められた能力について知りたい方
  • 自然や生き物について興味を持たれている方
  • 昆虫の脳や神経の仕組みについて入門されたい方

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昆虫はスーパー脳
今から46億年前,太陽系に原始地球が誕生し,その約10億年後に初めての“いのちの芽”が原始地球上に現れました。それからさらに約30億年後,さまざまな生きものが,まるで試作品のオンパレードのようにいっせいに創り出されたのです。

目次

第1章 「虫の脳」と「人の脳」の違いは?(泰山浩司)

  • 虫にもいろいろな脳がある
  • 虫の脳とヒトの脳の構造とはたらきを比べる
  • 昆虫の脳を理解することはヒトを理解すること

第2章 虫の脳の「配線」はどうなっているの?(神崎亮平)

  • 昆虫の脳は頭部,胸部,腹部に分散した分散脳
  • 昆虫の脳をつくる神経のかたち
  • 匂い源探索の行動と神経回路

第3章 昆虫の学習能力はどれくらい?(水波誠)

  • すぐれた学習能力を持つ昆虫たち
  • 場所学習には脳のどの領域が関わるか?
  • ハエの学習の分子メカニズムはどこまで分かったか?
  • 報酬情報や罰情報を伝えるニューロンとは?

第4章 イモムシがチョウになるとき脳はどう変わる?(市川敏夫)

  • どうして青虫はチョウになるのか?
  • 昆虫の神経系が変態していくしくみ
  • 単眼で見る世界 複眼で見る世界

第5章 ミツバチの社会システムは「超脳」だ!(佐々木正己)

  • コロニー全体でひとつの「機能的生命体」
  • 経験を保存・蓄積するのはどこか?
  • ダンスははたして言語なのか?
  • 概念認識までできる高度な記憶・学習能力
  • 記憶・学習能力と社会環境

第6章 虫の脳に組み込まれた「時計」の謎(富岡憲治)

  • 虫の体内時計ってどんなもの?
  • 体内時計はどうやって時刻合わせをする?
  • 体内時計が動く仕組みがわかってきた!
  • 季節の変化,温度の変化どう感知する?

第7章 ゴキブリはなぜ捕まえにくい?(加納正道)

  • ゴキブリの逃避行動の秘密を探れ
  • 空気の動きを感じる仕組み
  • 気流感覚情報は中枢神経系でどう処理されるか
  • 逃避の仕組みの研究はまだまだ奥が深い

第8章 昆虫に世界はどう見える?(蟻川謙太郎)

  • 昆虫の見る世界をさぐる
  • 昆虫の色覚はどうなっているの?
  • ミツバチは何を手がかりに形を見分けるの?
  • 偏光を通して昆虫が見る世界を知る