知りたい!サイエンスシリーズ昆虫はスーパー脳
--ヒトと対極の進化で身に付けた「超脳力」-
2008年1月23日紙版発売
山口恒夫 著
四六判/256ページ
定価1,738円(本体1,580円+税10%)
ISBN 978-4-7741-3368-3
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書籍の概要
この本の概要
地球上で最も繁栄する生物,それは昆虫。彼らの脳の大きさはヒトと比べてたった10万分の1。しかしその小さな脳には驚くべき能力が備わっているのだ。精巧な運動能力を司り,学習・記憶能力も抜群。そのうえ高度な社会まで作り出す。なぜこれほどの機能を発揮できるのか。そこに秘められた驚異の世界を覗いてみよう。
こんな方におすすめ
- 昆虫に秘められた能力について知りたい方
- 自然や生き物について興味を持たれている方
- 昆虫の脳や神経の仕組みについて入門されたい方
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- 昆虫はスーパー脳
- 今から46億年前,太陽系に原始地球が誕生し,その約10億年後に初めての“いのちの芽”が原始地球上に現れました。それからさらに約30億年後,さまざまな生きものが,まるで試作品のオンパレードのようにいっせいに創り出されたのです。
目次
第1章 「虫の脳」と「人の脳」の違いは?(泰山浩司)
- 虫にもいろいろな脳がある
- 虫の脳とヒトの脳の構造とはたらきを比べる
- 昆虫の脳を理解することはヒトを理解すること
第2章 虫の脳の「配線」はどうなっているの?(神崎亮平)
- 昆虫の脳は頭部,胸部,腹部に分散した分散脳
- 昆虫の脳をつくる神経のかたち
- 匂い源探索の行動と神経回路
第3章 昆虫の学習能力はどれくらい?(水波誠)
- すぐれた学習能力を持つ昆虫たち
- 場所学習には脳のどの領域が関わるか?
- ハエの学習の分子メカニズムはどこまで分かったか?
- 報酬情報や罰情報を伝えるニューロンとは?
第4章 イモムシがチョウになるとき脳はどう変わる?(市川敏夫)
- どうして青虫はチョウになるのか?
- 昆虫の神経系が変態していくしくみ
- 単眼で見る世界 複眼で見る世界
第5章 ミツバチの社会システムは「超脳」だ!(佐々木正己)
- コロニー全体でひとつの「機能的生命体」
- 経験を保存・蓄積するのはどこか?
- ダンスははたして言語なのか?
- 概念認識までできる高度な記憶・学習能力
- 記憶・学習能力と社会環境
第6章 虫の脳に組み込まれた「時計」の謎(富岡憲治)
- 虫の体内時計ってどんなもの?
- 体内時計はどうやって時刻合わせをする?
- 体内時計が動く仕組みがわかってきた!
- 季節の変化,温度の変化どう感知する?
第7章 ゴキブリはなぜ捕まえにくい?(加納正道)
- ゴキブリの逃避行動の秘密を探れ
- 空気の動きを感じる仕組み
- 気流感覚情報は中枢神経系でどう処理されるか
- 逃避の仕組みの研究はまだまだ奥が深い
第8章 昆虫に世界はどう見える?(蟻川謙太郎)
- 昆虫の見る世界をさぐる
- 昆虫の色覚はどうなっているの?
- ミツバチは何を手がかりに形を見分けるの?
- 偏光を通して昆虫が見る世界を知る
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