ファーストブックシリーズ生化学がわかる
2011年9月29日紙版発売
田中越郎 著
A5判/200ページ
定価1,958円(本体1,780円+税10%)
ISBN 978-4-7741-4826-7
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書籍の概要
この本の概要
生物系や医療系を専攻する学生にとって,最も苦労する科目の一つが「生化学」ではないでしょうか。とくに,高校時代に化学が苦手だった学生からすると,生化学は,その出だしから理解に苦しんでしまいます。そこで,生化学をこれから学ぶ学生や,生化学を難解だと感じている学生を対象に,入門書を作成しました。
本書の目的は「高校レベルの有機化学の知識が不十分でも,実際に受講している生化学の授業が理解できるようになる」ことを目指しました。生化学に必須な“有機化学の学習ポイント”を押さえながら,生化学の基礎を体系的に学べるように工夫。実際の授業がかんたんに理解できるように配慮しました。
生化学に不安を感じたら,ぜひ一度読んでみて下さい。「生化学をやりなおしてみたいな」と考えている社会人の方々にもオススメです。
こんな方におすすめ
- 生化学の学習に不安を感じる学生
- 生化学を学び直したい方
- 有機化学の基礎を学び直したい方
目次
第1章 高校の化学を思い出そう
1-1 有機化学の基礎の基礎
- 元素と共有結合
- 炭化水素
- 芳香族
- 官能基
- アミノ結合とエステル結合
- 親水性と疎水性
- 酸化と還元
- 異性体
1-2 触媒と酵素
- 体内における触媒と酵素/ATP/エネルギーとしてのATP
第2章 体と食事
2-1 三大栄養素① 糖質ってなんだろう?
- 食物なしでは生きられない!
- 人間は食事からなにを得る?
- 糖質ってなんだろう?-基本構造と種類/単糖/二糖/多糖
2-2 三大栄養素② 脂質ってなんだろう?
- 生物系油脂と鉱物系油
- 脂肪酸
- 不飽和脂肪酸の特徴
- 体内の代表的脂質は中性脂肪
2-3 三大栄養素③ タンパク質ってなんだろう?
- アミノ酸とタンパク質/アミノ酸とは?
- ペプチド
- タンパク質の構造
- タンパク質の分類/構造物としてのタンパク質/いろいろな物質と結合するタンパク質/酵素としてはたらくタンパク質
2-4 核酸ってなんだろう?
- 核酸の基本構造と種類
- DNAとRNAの役割の違いとDNAのらせん構造
- 遺伝だけではない,ヌクレオチドの役割
第3章 代謝の生化学
3-1 糖質の代謝
- 嫌気的解糖
- クエン酸回路
3-2 脂質の代謝
- β酸化
- ケトン体
3-3 タンパク質の代謝
- 脱アミノでATPを作る
- 尿素回路
- 脱炭酸
3-4 糖質,脂質,アミノ酸の合成
- 糖新生
- 脂質合成
- アミノ酸の合成
3-5 核酸の合成と代謝
- リサイクルもされる核酸の合成と代謝
3-6 酵素
- 酵素の特徴
- 酵素の働きと環境条件
- 補酵素とは?
- 酵素反応論/酵素活性の阻害/フィードバック阻害
第4章 遺伝子
4-1 遺伝子
- 遺伝子とは
- 塩基の相補性
- DNAの複製
4-2 タンパク質合成
- 塩基配列の意義
- 転写/mRNA/プロセシング
- 翻訳/翻訳とは/コドン/tRNA/翻訳の実際
- タンパク質の修飾
4-3 遺伝子異常
- 遺伝子の突然変異①―塩基変異
- 遺伝子の突然変異②―塩基欠失と挿入
第5章 ヒトのからだ(細胞とは)
5-1 細胞の基本構造とエネルギー貯蔵
- 細胞の基本構造/細胞質/ミトコンドリア/核/細胞膜
- エネルギーの貯蔵
5-2 細胞がやるべきこと
- ATPを作り出す
- なにかを取り込んでなにかを出す/物質を取り込む方法/物質を出す方法
- 形を変える,構造物となり体を支える/形を変える―筋肉細胞を例に/構造物を作り出す
- 自分を複製する
5-3 さらなる細胞の構造
- もうちょっと詳しい細胞の構造概略/リボソーム/小胞体とゴルジ体
- 細胞分画法