tanQブックス 14歳の生命論 ―生きることが好きになる生物学のはなし

「14歳の生命論」のカバー画像
著者
長沼毅ながぬまたけし 著
定価
1,518円(本体1,380円+税10%)
発売日
2011.11.8[在庫なし]
判型
四六
頁数
192ページ
ISBN
978-4-7741-4872-4

概要

生きるって、どういこうとでしょう。我々にとって最も根本的なこの問いに答えるのはなかなか難しいことです。もし14歳前後の中高生にこの問いを投げかけられたら……。この難問に挑み答えてくれるのは、生命と生活と人生の科学者(ライフサイエンティスト)、長沼毅さん。生命というものがいかに奇跡的で面白い現象であるか、14歳の読者にも親しめるよう、漫画やアニメの物語をベースに、最先端の科学のはなしをちりばめながら語ります。もちろん大人が読んでもおもしろい、21世紀の「生物学/生命論のススメ」です。

こんな方にオススメ

  • 生命の起源、生物や生命現象に関心のある14歳ぐらいの中高生から大人

目次

第1章 エヴァンゲリオン――水、この不思議な物質

  • エヴァンゲリオン/碇シンジ/LCL/生命のスープ/原始生命のスープ/なんでも溶かす水/水の正体をさぐる/氷が水に浮くのは異常/もし水がふつうの液体だったら/底まで凍らないわけ/なぜ水は異常液体なのか/H2Oの「へ」の字がつくる水素結合/水中で携帯電話ができないわけ/水がなんでも溶かすわけ/細胞膜は油っぽい/ATフィールド、心の壁

第2章 鋼の錬金術師――宇宙の創成と元素の歴史

  • 錬金術/鋼の錬金術師/等価交換の法則/人体錬成/賢者の石/エリクシール/ザ・ケミストリー/宇宙最初の錬金術、ビッグバン/輝くアルケミスト/スターダスト・チルドレン/スポンチ・カフェ/シリコン生物の可能性/金をつくる錬金術/錬金術ができない宇宙/加速膨張する宇宙/暗黒物質とダークエネルギー/等価交換の法則を超えて

第3章 エウレカ――新しい世界をつくる愛

  • コーラリアン/エウレカとレントン/白紙のノート/雲状コーラリアン/皮膚について/コンパク(魂魄)ドライブ/意識とは/愛について/愛の起源/愛の進化的メリット/愛は進化するか

第4章 ONE PIECE――ひとつなぎの大生命

  • ひとつなぎの大秘宝/復活の16点鐘/悪魔の実/ゴム人間の弾力性/変形する能力/内骨格と外骨格/細胞骨格/ドルドルの実――ロウ人間/六角形の秘密/ハナハナの実――どこからでも生える能力/バラバラの実――再生の能力/再生の封印を解く脱分化/マネマネの実――生命の情報/生命の実ができる日/ヒトヒトの実――人間らしさとは?/5万年のワンピース

第5章 HUNTER×HUNTER――キメラと共生進化

  • ハンター/ゴン・フリークス/方便としての四大行/キメラ=アント/美食で偏食/雑種とキメラの違い/実在するキメラ/ゲノムからみたキメラ/利己的ゲノム vs. 自他共栄ゲノム/真核生物という自他共栄のキメラ/細胞内共生説/ミトコンドリア/葉緑体/現在進行中の新キメラ化/進化の断面

第6章 ナウシカ――生きる意志

  • ナウシカ/戦い/腐海/バイオレメデーション/石油分解菌を使うにあたり/鉄とレモン/粘菌/王蟲(オーム)/巨神兵/愛の刷り込み/墓所の主(世界再生プログラム)/我悩む、ゆえに我あり/青き衣の破壊者/生きるということ

プロフィール

長沼毅ながぬまたけし

1961年生まれ。広島大学大学院生物圏科学研究科准教授。1989年、筑波大学大学院生物科学研究科博士課程終了。海洋科学技術センター(現・独立行政法人海洋研究開発機構)、カリフォルニア大学サンタバーバラ校海洋科学研究所客員研究員等を経て現職。北極、南極、深海、砂漠など世界の辺境に極限生物を探し、地球外生命を追究する吟遊科学者。著書に『深海生物学への招待』(NHK出版)『宇宙がよろこぶ生命論』(筑摩書房)『世界をやりなおしても生命は生まれるか?』(朝日出版社)『形態の生命誌』(新潮社)などがある。