まいにち見るのに意外と知らない IT企業が儲かるしくみ
- 藤原実 著
- 定価
- 1,628円(本体1,480円+税10%)
- 発売日
- 2014.3.11[在庫なし]
- 判型
- 四六
- 頁数
- 192ページ
- ISBN
- 978-4-7741-6357-4 978-4-7741-6393-2
サポート情報
概要
「1回クリックするだけで数千円儲かる?」
「売上の50%が営業利益?」
「無料ゲームなのに、広告をクリックすれば報酬までもらえる?」
「赤字を垂れ流し続けているのに、どうして倒産しないの?」
「え、あんなに稼いでるのに、税金払ってないの?」
パズドラ、LINE、リブセンス、Facebook、Amazon、Twitter、Google、アップル………はてはベンチャー/スタートアップまで、0円サービスや100円アイテムが100億円の利益を生み出すしくみとは?読めば業界の最新事情とあたらしいビジネスモデルの種が見えてくる!
本書のFacebookページ
https://www.facebook.com/mainichiitこんな方にオススメ
- IT業界について知りたい営業マン/学生の方
- ビジネスモデルに興味のある方
目次
第1章 なぜ、無料でも利益が出るのか?
- 1回クリックするだけで数千円も儲かるカラクリ ~Google
- コラム 品質スコアとは
- 妙なところに入っている広告のスゴさ ~Facebook、Twitter
- 広告費を完全成果型でできるワケ ~リブセンス
- 人の紹介×成果報酬で効率的に知ってもらう ~Amazon
- 広告をクリックしたら、報酬までもらえる! ~パズドラ
- 無料の投稿をお金に変える ~クックパッド/食べログ/カカクコム/@コスメ/フォートラベル/pixiv
- 質のいいコンテンツが勝手に集まるしくみとは ~Naverまとめ
- コラム 利用規約の大切さ
- たとえ赤字でも注目を集めることが大事 ~YouTube
第2章 上手にお金を払ってもらう仕組み
- なぜ、ソーシャルゲームにお金を払ってしまうのか?
- 無料ユーザーをとにかく増やし、10%の人にお金を出してもらう ~フリーミアム
- 有料アイテム課金型 ~ハマるとどうしてもお金を出したくなる
- 時間制限型 ~「とりあえず使ってみる」というハードルを下げる
- 機能制限型 ~本格的に使うにはお金が必要
- 人数制限型 ~大人数で使うには課金が必須
- 商用課金型 ~ビジネスをするにはお金が必要
- お金を支払うとこをおさえれば着実に儲けの源泉に
- 「モバイル決済」「スマホ決済」がアツい理由 ~スクエア、コイニー、ペイパルヒア、楽天スマートペイ
- どうして短い期間で入金できるのか
第3章 あのグローバルIT企業の利益率が圧倒的に高いワケ
- Facebook、LINE ~使う人が増えれば増えるほど価値が高まる
- コラム バンドワゴン効果とは
- Google ~人が集まり、データが集まるほど、お金になる
- コラム Googleの利益率がほかのIT企業より高くない理由
- Apple ~iPhoneの7割が利益になる秘密
- GREE、DeNA ~「原価激安×あなどれない価格×莫大な数量」で利益を生むアイテム課金・デジタル財
- コラム ビッグデータとデータサイエンティスト
- マイクロソフト ~無限にコピーできて、世界中のパソコンに入るたびにお金が落ちる
第4章 意外と知らない、IT以外が利益の源泉となっている企業
- ソニーの稼ぎ頭は「ものづくり」ではない
- 楽天のネットショップの利益は全体の半分以下
- NTTグループは代金請求会社?
- なぜ、金融なのか
- Amazonはものすごい規模の倉庫業
- Yahoo!の動きにも注目
第5章 儲からない会社・儲からなさそうなビジネスが生まれて大化けするまでを支えるしくみ
- 10年ちょっとで日本の有名企業の時価総額を抜いたIT企業たち
- コラム 株価の割安度を示す「PER」とは
- 「小さく始めて、大きく育てる」がかつてなくやりやすい時代
- 資金を手に入れる3つの方法
- ベンチャーキャピタルのビジネスモデルとは
- 「資本政策」の大切さ
- IPOする5つのメリット
- コラム 調達した資金は成長のために使わなければならない
- IPOの4つのデメリット
- コラム なぜ、Amazonは赤字続きでも投資家が離れていかないのか?
- IPOにたちふさがる高いハードル
- コラム 「上場をやめる」という選択肢も
- 「会社を売却する」という選択肢
- M&Aにおける株価形成のしくみ
- 売れなければ倒産? ~さらなる悲惨な事態になることも
- コラム なぜ、日本から世界で活躍するベンチャーが出てこないのか?
第6章 「税金をはらわない」ことで儲けの流出を防ぐ
- 稼いだ利益の40%近くがもっていかれてしまう
- コラム 法人税のしくみを知る
- 「ダブル・アイリッシュ」「ダッチサンドイッチ」とは
- Amazonは日本に法人税を払っていない!
- 現金がたっぷりあるAppleが、なぜ社債を発行したのか
- 国境を越えるデジタル財には税金がかからない?
- iPhoneアプリは消費税がかかるけど、Androidアプリでは消費税がかからない?
プロフィール
藤原実
税理士。
内閣府所管 公益財団法人 生涯学習協議会 認定 ビジネスモデル・デザイナー。
藤原実税理士事務所所長。
1975年生。慶應義塾大学経済学部卒。
オーストラリア BOND大学大学院経営学修士課程(MBA)修了。
慶應義塾大学大学院法学研究科 租税訴訟補佐人講座修了。
インターネットスタートアップ専門投資会社にてインターン後、コンテンツ制作会社を設立。
その後税理士資格を取得し、温泉旅館からIT企業まで他業種にわたる事業支援を行う。
税務会計業務のみならず、中小企業の財務面からのサポートを中心に活動中。
事業再生コンサルティング、損益改善コンサルティング、M&Aサポートを行う。
IT、WEBへ精通していることから、IT・WEB事業の新規創業の支援も得意とする。
大学生の頃、まだプロバイダ料金や電話通信料金の定額制が一般的になる前から自宅でインターネットに接続。
月々数万円から10万円の料金請求に恐れながら国内外の情報を収集する。新しいWEBサービスがあると、とりあえずアカウントを取得し、課金も恐れず、まず自ら人柱となって試してみることを信条としている。当然、カード番号とセキュリティコードは暗記済みで、カード番号の入力フォームがあるとつい入力してしまう。渡航記録のない国においてカード請求を行われたことを4度経験する。
現在は、「起業家・中小企業がその仕事をいかに効率的かつ効果的にできるか」という視点からさまざまなサービスを探し、活用する。WEBサービスの課金は、月払いではなく12ヶ月払いにすることで、サービス提供企業に利用者としての本気度を示す。自らユーザーとなることで、当該ビジネスモデルを解析し、その要点をかみ砕きクライアントの業務改善に役立てるアドバイスを行う。MBAの伝統的な経営理論、マーケティングにも精通。インターネットを絡めた最先端の戦術・手法との絶妙な混ぜ合わせに定評がある。
以下の著書がある。
『現代オタク用語の基礎知識』(ディスカバートゥエンティワン)
『「萌えビジネス」に学ぶ顧客を熱中させる技術』(中経出版)
【URL】http://fujiharaminoru.com/
【Twitter】@otakuword
著者の一言
「どうして、あの企業がそんなに儲けているんだろう?」
「なんで、あんな若い企業なのに給料が高いんだろう?」
「そもそも、あの企業は調子良さそうだけど、何やってんだ?」
そんな疑問を感じたことはありませんか?
たとえば、iPhoneを作っているアップル。世界のスマホシェアの約20%を占め、会社の売上は14兆円を超えています。なにより、日本の携帯キャリアを手玉にとり、現在ではソフトバンク、auだけでなく、docomoも、アップルの条件を飲んでiPhoneを出しています。
また、検索エンジンの代名詞であるGoogleを見てみると、売上は4兆円強。GoogleのスマホOSであるAndroidは、80%のシェアを占めています。つまり、スマホのOSはAppleとGoogleのどちらかが握っている状態なのです。
ソーシャルゲームのプラットフォームとして2強であるGREEとDeNAの売上は、それぞれ約1500億円と2024億円。DeNAにいたっては、球団まで持つにいたっています。ちなみに、GREEの平均年収は751万円、DeNAの平均年収は758万円です。
最近、勢力を増しているスマホ向けゲームに目を向けると、2000万ダウンロードを突破したパズドラの開発会社であるガンホーオンラインエンタテインメントは、「売上高が、前年比10倍」という成長を見せました。同様のマーケットでゲームをリリースしているコロプラも、自社の決算発表で「自分たちの予想以上の」と枕詞がつくくらいの絶好調ぶりです。
こうした企業が、新聞や雑誌、はてはテレビをにぎわすのを見て、妻や母はよく次のような質問をわたしにしてきます。
「あの、なんとかかんとかっていう企業は何やってるの?」 「このサービスは便利なんだけど、なんでお金を払ってないのに使えるの?」 「あの若いのに稼いでる社長さん、すごいね」
そこそこネットのサービスを使う世代ならまだしも、ほとんどそういうものに触れない70代でも気になってしまうようです。それだけ、なにやら華やかな感じがするし、盛り上がっているにおいが漂ってくるし、なにより楽しそうな雰囲気が伝わっているのでしょう。
あなたが普段インターネットを使っていれば、「Googleは広告で儲けている」など、断片的には儲けのカラクリを聞いたことがあることかもしれません。しかし、「どうして、広告でそこまで儲かるのか」はご存じでしょうか?
そもそも、なんで無料でダウンロードしたゲームが普通に遊べるのでしょうか? 「自分はお金は払ったのにがないのに」と疑問を感じたことはないでしょうか?
お金を払うといっても、せいぜい10円、100円の世界。しかも、そういう会社が「業績絶好調!」「今期も前年同期比●●倍!」などと新聞や雑誌を賑わしています。レシピを探しても、動画を見ても、オンラインで海外と通話しても、いっさいお金がかかりません。
これらサービスを提供しているのは、どこかの大金持ちの道楽ではありません(むろん、創業者は大金持ちになっているかもしれませんが)。すべて、運営しているのは「企業」です。企業は、利益を出していかないと継続しません。
ということは、どこからかお金が入り、それを燃料に企業が回転して、そしてわたしたちが利用している、という流れがあるはずです。「なぜ儲かってるの?」と思っていた疑問を解消できれば、あなたのビジネスに応用することで、新しい道を開拓できるかもしれません。
ぜひいっしょに、IT業界の儲けの仕組みのヒミツをかいま見ていきましょう。