プログラムは技術だけでは動かない
~プログラミングで食べていくために知っておくべきこと

[表紙]プログラムは技術だけでは動かない ~プログラミングで食べていくために知っておくべきこと

紙版発売
電子版発売

四六判/240ページ

定価1,848円(本体1,680円+税10%)

ISBN 978-4-7741-6523-3

電子版

→学校・法人一括購入ご検討の皆様へ

この本の概要

開発言語にくわしい。
さまざまなアルゴリズムを理解している。
開発環境を使いこなせる。
ミドルウェアなどの情報を知っている。
OSやネットワークなどの知識がある。

そんな「技術力がある人」なのに,なぜ仕事では通用しないのか?

数々の現場を経験し,いまも現役プログラマー社長として活躍する著者が,「技術を生かして食べていく」ためにはあたりまえのようでいて意外と見すごされている「技術以外」の話を教えます。

こんな方におすすめ

  • 新人~中堅プログラマ

著者の一言

「プログラマに必要な力」というと,技術的な面が思い浮かぶと思います。たとえば,次のような感じではないでしょうか。

「開発言語にくわしい」
「さまざまなアルゴリズムを理解している」
「開発環境を使いこなせる」
「ミドルウェアなどの情報を知っている」
「OSやネットワークなどの知識がある」

では,そのような「技術力がある人」が実際にプログラマとして活躍できているのでしょうか?

私が仕事としてプログラミングを頼んだ経験で振り返ってみると,

「頼んだものと違う動きのものが出来上がってきた」
「いつまでたっても出来上がらない」
「安定して動かない」
「性能が出ない」
「仕様変更などの応用が効かない」
「ソースコードをほかの人が理解できない」

など,「技術的な力はあっても,仕事として使い物になるものができてこない」ということはたくさんありました。

「仕様書を元にコーディングを行う」場合でも,「依頼者からの要求を実現する」場合でも,「そもそも,どんなものを作りたいのか?」が理解できないと始まりません。つまり「理解力」が重要です。

また,仕様や要求は,書類を読んだだけで理解できるものではありませんので,理解できるまで「やりとりする力」も必要です。プログラマの仕事以前に,普通のビジネスマンとしての能力もとても大事なのです。

さらに,仕事としてプログラミングを行う場合,「期間」「費用」の制限もありますし,「保守性」「拡張性」も大切です。もちろん「品質」も。趣味のプログラミングならいくらでも自分のこだわりを貫いたり,自分が好きなところだけ凝って作ることも許されますが,仕事では「仕上げる速さ」「シンプルさ」なども求められるのです。

そういった,「技術力」以外の「プログラマとしての仕事力」こそが,プログラマとして活躍できるとともに,自分自身もやりがいをもって楽しめる状態を実現するための原動力となります。

本書では「私が見たこと・経験したこと」「私が考えたこと・やっていること」をもとに,そうした力を身につけるためのヒントをまとめました。私以外の方の本や記事も目にしていますので,影響をまったく受けていないということはありませんが,それらをそのまま引用したりするのではなく,あくまでも私自身の考えとして書きました。私自身が,「こうすべき・こうあるべき」という一般論はあまり好きでなく,「実際にやった人の経験談が一番ためになる」と感じているからです。

本書が,プログラマとして活躍するための参考になれば幸いです。

この書籍に関連する記事があります!

一生,プログラマとしてメシを食うには
「プログラマは技術職」そんなイメージがあるかもしれません。

著者プロフィール

小俣光之(こまたみつゆき)

日本シー・エー・ディー株式会社 代表取締役社長。
1989年新卒で入社後,プログラマとして仕事を続け,2005年11月から社長となるがプログラマも兼務している。以前はCADシステムやWEB,データベースなどのプログラミングもしていたが,最近はネットワーク関連の製品・特注品の開発を中心に仕事をしている。
UNIX系のネットワークプログラミングにこだわり,プログラミングの著書を7冊執筆。また,プログラマの仕事のすばらしさを啓蒙することに目覚め,『プログラミングでメシが食えるか!?』(秀和システム)を執筆。さらに,技術者を活かすリーダーの心得をまとめた記事をITmedia エンタープライズに連載し,著書としてまとめた『ドジっ娘リーダー奮闘記』(秀和システム)を執筆。『ルーター自作でわかるパケットの流れ』(技術評論社)に続き,本書は12冊目の著書となる。
ブログ:オルタナティブ・ブログ
Twitter:@mkomata