まなびのずかん
図解+写真でばっちりわかる 宇宙はどのように誕生・進化したのか 宇宙138億年をワープしてみよう
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佐藤勝彦 監修
新海裕美子,矢沢潔 著 - 定価
- 2,618円(本体2,380円+税10%)
- 発売日
- 2015.11.25[在庫なし]
- 判型
- B5
- 頁数
- 128ページ
- ISBN
- 978-4-7741-7718-2 978-4-7741-7813-4
サポート情報
概要
私たちが生きているこの宇宙は、いつどのように誕生し、どこまで広がっているのでしょうか? 地球もその一部である太陽系は大宇宙の中のどこに位置するのでしょうか? 宇宙は無限の未来まで存在するのか、それともいつか消滅するのでしょうか──こうした根源的な疑問にとり組む科学を「宇宙論」と呼びます。現在の理論では、宇宙はいまから138億年ほど前に突如“無”から生まれたとされています。以来、宇宙はたえずふくらみ続け、その中で銀河や星々が誕生し、大きな星々は超新星となって死んでいきました。私たちの体は、このとき超新星が生み出した元素からつくられているのです。本書はこうした宇宙の壮大な歴史を最新科学で解き明かしていきます。
こんな方にオススメ
- 宇宙に興味のある中学生以上の方
目次
第1章 宇宙論のはじまり
- 1.古代の人々の宇宙観
- 2.万物の根源を求めたギリシア人
- 3.プトレマイオスの宇宙
- 4.天と地を逆転させたコペルニクス
- 5.ケプラーが見つけた惑星の運動法則
- 6.ニュートンが一変させた宇宙と物理の見方
- 7.太陽系宇宙からはるか遠方の宇宙へ
- 8.天の川(銀河系)の姿
- 9.光は“過去の宇宙”を描き出す
- 10.それはアインシュタインの「相対性理論」から始まった
- 11.アインシュタインの“静止した宇宙”
- 12.“膨張する宇宙”とは?
- 13.星雲は銀河の外にあるのか?
- 14.すべてが遠ざかっていく―ハッブルの法則
- 15.ビッグバン宇宙論とは何か?
- 16.いま観測できるビッグバンの証拠「宇宙背景放射」とは?
- 17.ビッグバン宇宙論の困難とは?
- 18.ビッグバン宇宙論に対抗した「定常宇宙論」
- 19.ビッグバンを救ったインフレーション理論
- 20.宇宙大規模構造という“宇宙のでこぼこ”
- 21.“原初のゆらぎ”を発見
第2章 ビッグバン宇宙論とは何か
- 1.宇宙の誕生と進化①ビッグバン宇宙138億年
- 2.宇宙の誕生と進化②インフレーションの時代
- 3.宇宙の誕生と進化③宇宙が原子をつくり出した時代
- 4.宇宙の誕生と進化④“宇宙の晴れ上がり”の時代
- 5.「4つの力」はひとつの力から分岐した
- 6.元素はどうやって生み出されたか?
- 7.「超新星爆発」が地球と生命を生み出した
- 8.星はどのようにして誕生したか?
- 9.ダークマター(暗黒物質)とは何か?
- 10.銀河はどうやって誕生したか?
- 11.宇宙はどこまで膨張するのか?
- 12.地球上の物質は何からできているか?
- 13.素粒子の「標準理論」とは?
- 14.「超対称性粒子」とは何か?
- 15.「対称性の破れ」が引き起こすもの
- 16.4つの力と力の統一
- 17.インフレーションを起こした「真空の相転移」とは?
第3章 宇宙論の正しさを確かめる
- 1.“宇宙論を観測する”望遠鏡と観測衛星
- 2.宇宙138億年の歴史を観測する
- 3.原始重力波をキャッチせよ
- 4.宇宙論を“原初の音”で聞き分ける
- 5.宇宙最初の天体をとらえた!
- 6.ついにダークマターを発見?
- 7.宇宙を満たすダークエネルギーとは?
- 8.原始ブラックホールは発見できるか?
- 9.世界最大最強の加速器でビッグバンを再現?
- 10.宇宙にはなぜ反粒子が少ないのか?
第4章 宇宙論はどこまで進化するか
- 1.ミクロの世界を説明できない相対性理論
- 2.超ひも理論で宇宙を説明できるか
- 3.すべてを統一する「M理論」とは?
- 4.「多元宇宙」や「泡宇宙」が存在する?
- 5.宇宙は“無”から誕生した?
プロフィール
佐藤勝彦
香川県坂出市出身。1968年京都大学理学部物理学科卒業。1974年京都大学大学院理学研究科博士課程修了(理学博士)。1982年東京大学理学部助教授、1990年同大学大学院理学系研究科教授。1999年同研究科付属ビッグバン宇宙国際研究センター長。2001年同研究科長・理学部長。2009年定年退官。同年東京大学名誉教授。2013年日本学士院会員。2014年度文化功労者。同年度香川県文化功労者。2015年現在は大学共同利用機関法人自然科学研究機構長。第5回井上学術賞、第36回仁科記念賞、紫綬褒章、日本学士院賞などを受賞。おもな著書は『インフレーション宇宙論』(講談社ブルーバックス、2010年)、『一般相対性理論』(岩波書店、1996)など。
新海裕美子
東北大学大学院理学研究科(放射化学)修了。1990年より矢沢サイエンスオフィス・スタッフ。科学の全分野とりわけ医学関連の調査・執筆・翻訳のほか各記事の科学的誤謬をチェック。共著に『人類が火星に移住する日』、『ノーベル賞の科学』(全4巻)、『薬は体に何をするか』(技術評論社)、『正しく知る放射能』『よくわかる再生可能エネルギー』『放射線・放射能の問題』(学研)、『始まりの科学』、『次元とはなにか』(ソフトバンククリエイティブ)、『これ一冊でiPS細胞のすべてがわかる』(青春出版社)など。
矢沢潔
科学雑誌編集長などを経て1982年より科学情報グループ矢沢サイエンスオフィス((株)矢沢事務所)代表。内外の科学者・研究者、科学ジャーナリスト、編集者などをネットワーク化し30年あまりにわたり自然科学、医学(人間と動物)、核エネルギー、経済学、科学哲学などに関する情報執筆活動を続ける。物理学者ロジャー・ペンローズ、アポロ計画時のNASA長官トーマス・ペイン、SF作家ロバート・フォワードなど海外著名人を講演のため日本に招いたり、「テラフォーミング研究会」を主宰して「テラフォーミング・レポート」を発行したことも。編著書100冊前後。